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異次元無双の紅き艦  作者: 紫 和春


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第14話 相談

 日本時間夕方。

 その日の夕方の報道番組は、何処も一番にとあるニュースを伝えていた。


『国連軍宇宙艦隊、No.6に勝利。謎の紅き艦が手引きか』


 これは日本のみならず、世界中の報道番組で報道された。


『……この時間は、テレビジャパン軍事報道部の小山さんに話を伺います。どうぞよろしくお願いします』

『よろしくお願いします』

『小山さん、今回の第5次攻撃をどのように見ますか?』

『人類側の行動はこれまで通りだったと思います。遠距離からのミサイル攻撃、その後に砲撃戦という形ですね。しかし、今回はそうは行かなかったというわけです』

『遠距離からの砲撃ですね。今回のこの行動は始めて行われました』

『おそらく、こちらの作戦は完全に筒抜けというわけでしょう。これまで4回にわたり同様の攻撃手段を用いてきました。敵も学習しているということを示唆しています』

『ですが、今回はそうならなかったと』

『はい。今回、初めて観測された謎の紅き艦です。あのような巨大な船体と、直後に放ったレーザービーム。現在のところ、あれを行えるのは知的生命体のみとなることでしょう』

『もし、今後も謎の艦が手助けしてくれるとなると、人類の未来は一体どのようになるでしょうか?』

『それは誰にも分かりません。しかし、確実に敵に一撃を加えることができるとなるでしょう』

『小山さん、ありがとうございました』


 このようなニュースを、黒島と後藤はスマホを通して眺めていた。


「いやぁ、いいことをするのは気持ちがいいですねぇ」


 そういって、レイズが胸を張る。


「そんな胸を張ることじゃないでしょう」

「いや、張りますよこれは。だって人類を守ったんですから」

「そうだよ黒島君。これは重要な一歩なんだから」


 レイズの意見に、後藤が賛成する。


「とにかく、今後は人類を守るという感じになりますけど、計画というかプランみたいなのはあるんですか?」

「特段ないです」

「ないんですか……」

「その辺は全部トランスさんに投げているので、トランスさん次第だと思いますよ」

「そのトランスさんはいないんですか?」

「今はNo.6の残骸の調査に向かってますよ。なんでも欲しい材料があるとか」

「さいですか」

「とにかく、今は少しおとなしくしておきましょう。あまり人類を刺激しても今度は反抗心を持たれるだけですからね」

「とにかく次の作戦を待つしかないというわけですか」


 そういって、黒島と後藤は帰路についた。

 翌日、トランスさんはいい顔をして黒島のスマホに入ってくる。


「いやはや、いいものを拾った」

「なにを拾ってきたんですか?」

「白の艦艇のみが使える超大型核融合転化炉だ。これさえあれば、旗艦級の艦艇を製造することも可能だ」

「へぇ」

「なんだ、その興味なさそうな顔は。もっと興味を持ったらどうだ?」

「とはいっても、俺は紅の旗艦にいる操縦手みたいな人間ですし」

「そうかい、そいつは残念だ」

「それで、話は変わりますけど、人類との接触はどうなんです?進んでいますか?」

「それは微妙といったところだな。どこに出現するべきかが検討つかない」

「普通に東京とかに登場してもいいんじゃないですか?」

「それでは、総攻撃を食らう可能性がある。まずは警戒を解くところから始めないといけないな」

「となると、しばらくは人類の前に姿を現すことはできない感じですか?」

「おそらくな。それにこっちもいろいろとやることがあるからな。しばし人類との邂逅はお預けだろう」


 そういってトランスは、やることがあるといってスマホの奥へと消えていった。

 黒島はあることを思い付き、レイズのことを呼び出す。


「珍しいですね、祐樹さんから呼び出すなんて」

「いや、人類との邂逅で、ちょっと考えが出てきましてね」

「どんな考えです?」

「先に静止衛星軌道にいる流浪の民の艦艇を沈めるというのはどうかと思いましてね」

「……それでいいと思ってます?」

「はい?」

「もし我々が人類の手助けをするとして、先手を打ってあの艦を沈めるとしましょう。そうすると人類はどうなると思いますか?」

「……俺たちに頼る?」

「頼るどころか、頼りきることになってしまいます。私たち紅の旗艦がいるから、人類は手を出さなくてもいいやってなります。そうなると、人類は自分自身の手で戦うということをやめてしまいます」

「そうは……」

「そうなります。今はまだでも。だから人類に戦う手段を与えることが必要だと考えます」

「戦う手段……」

「その手段が、トランスさんも言っていた無人艦というものです。ともに手を取り合い、戦うというのが、今の人類に必要だと考えます」

「そう……ですかね」

「そうなんです」


 なんだか説教じみた感じになってしまったものの、レイズの言いたいことは分かったような気がした黒島であった。

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