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「あら、まだいたの?さっさと戻りなさい」
「か…し、こま、り、ま、シ、た」
掃除道具を持って急いで出ていき一礼して扉を締める。
「んと、ちゅぎはエシャルアークしゃまお世話のお手ちゅだいか」
「アリシュ!ぶちゅけちゃたぁ~~」
「アリス!」
「あい!」
「エシェルアークしゃま、何処ぶつけたのでしゅか?」
「足ぶちゅけちゃ~、飛んでけ~して」
靴下を脱がせて手と手の中に水を巡らせて、エシェルアーク様の足に浸す。
「痛いの痛いの飛んでけ~、痛いの痛いの飛んでけ~」
仕上げに、ママと一緒にいた頃たまたま見つけた方法で少しだけ痛みを和らげる。
「ありがちょ、いちゃいのしゅこしとんでった!」
「なら、よかったでしゅ」
「ねぇ、アリシュあしょぼ~よぉ」
「分かりまちた、しゅこしのあいじゃだけでしゅよ」
「じゃあ、かくえんぼしおうよ、アリシュがおににぇ」
「分かりましちゃ、い~ち、に~ぃ、しゃ~ん、し~ぃ……
しばらく、交代しながら遊んでんでいると、ドアが開いて、奥様付きの侍女が入ってきた。
「アリス、奥様がお呼びです付いて来なさい」
「は、い。イ、ま、行き、ま、ス」
小声でエシェルアーク様に謝りお姉さんの後を付いていく。
奥様の部屋に付くと、金切り声が聞こえてきた。
「失礼致します、アリスを連れて参りました」
「し、つ、レイ、い、た、シ、まス」
中から侍女さんが出て来て部屋へ私達を通した。
「やっと来たわね!!この薄汚い疫病神!今すぐ跪きなさい!跪きなさい!私が一番なのよ!」
「気に入らない、気に入らない!!」
「うあっ!」
急いで、風の魔法で自分を受け止めそのまま転がる。
「なんで、あの女ばっかり!私が一番なのよ!」
しばらく静かにして耐えているとやっと落ち着いた。
「奥様、最近は美しい刺繍の付いた小物が流行っています。その様な物をお買い求めては?奥様の美しさや素晴らしさが引き立つような物を…」
「そうですわ、それなら奥様にもっとお似合いになる髪型を見つけるのもいいのでしょう」
「奥様、とても美しいから何でもお似合いになるでしょうけど、少しお召し物が負け過ぎることがあるのやもしれませんわ」
「奥様の美しさや素晴らしさがもっと引き立たされるような物をお探しに…」
「ふふっ、そうね、今のままだと不似合いな物ばかりね、仕立て屋と商人を及びなさい。あ、そうそうアリス二番邸の裏庭を整えておいて頂戴、四日後のお茶会そこで行うわ」
「お、クさま、どな、た、を、オまね、きに、な、ら、レ、ま、す、ヵ?」
「えっと、そうね…。エリー?」
「ルーレラリア様、エレーナシア様、エベリック様、ルベラシア様のご婦人方で御座います」
「えぇ、そうだったわね、さぁ出ていって頂戴、あぁそれとそれが終わるで屋敷に入ってはいけませんよ」
「か、シこ、まり、マ、し、た。し、つ、レい、い、た、し、ます」
静かに部屋を出て一息つく.
よかった、あの方々なら私でも満足が行く庭を作れる。
よかった…。