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インターミッション - ここまでのお話 [ EP4 →EP5 ]

 第一章 健太郎、召喚される。



 輿水健太郎は社畜戦士として日々、会社への奉仕で神経を擦り減らす現代人だったのだが……

 特に前触れもなく、突然、異世界へと召喚されてしまう。


 なぜ平々凡々な健太郎が召喚者として選ばれたのか?


 それは聖ミラビリス王国の王、フラムドパシオン帝との最初の謁見で、すぐ分かった。


 同じ顔なのである。

 自分でも驚くほどの瓜二つ。


 しかも転生者は健太郎だけではなかった。

 健太郎の他にも、二人の「コシミズ ケンタロウ」が王に召喚されていた。

 つまり、王も含め四人の、同じ顔の「コシミズ ケンタロウ」が一同に介したのだ。

 王が言うには「平行世界の自分」なのだと。


 その、自分とソックリの転生者に対しフラムドパシオン帝は「余の影武者となれ。さすれば元の世界へ還してやろう」との契約を迫る。

 勝手に喚ばれて、有無を言わせず影武者やれとか……と渋る健太郎’Sに、

 王は「飴」も準備万端、


 転生者三人に「アーシュラー」「ギネス」「トカマク」なる休眠家名を与え、貴族として異世界を満喫するがよい、との「豪華特典」で釣ってきた。


 結果、三人は条件を受け入れ、順番に影武者の任を請け負うこととなった。




 第二章 スローライフと大災害



 影武者の順番が三番目となった健太郎(※元社畜)は、

 王の契約書に小さく、小さ~く書いてあった「要らぬ騒ぎを起こした奴は、不良貴族ポイントが累積し、一定値を超えた者は死刑に処す」というペナルティに震え上がり、

 影武者の出番が回ってくるまで、どこか静かな場所でヒッソリと暮らしたい! と願う。


 それを請けた旅行代理店のツアコン、トランキーロ・バッファローワン(愛称 キィロ)は、健太郎を人里離れたエルフ村へと案内する。


 (地理的要因で)外界から隔絶されたエルフ村は、スローライフの極致。

 ゆったりと、のどかな時間が流れる村は、社畜にとって夢のような場所だったが……


 突然!

 村を襲う火山噴火!


 KONOYO NO OWARIか!?!? と狼狽える健太郎とキィロだったが……

 村の人々は慣れっこ。

 その村は、古くから火山と共生してきた村で、少々の被災があろうと織り込み済み、

 迅速な避難で人的被害もなく、平然と復興に精を出す。


 が、

 壊れた家は建て直せばいいが……焼失した年貢蔵はどうにもならず。

 健太郎とキィロが仲良くなった、ラタトゥーユという村娘が人身御供に供されることに!


 それはダメだ!

 健太郎とキィロは、王へ年貢の免除を願うため、帝都への帰途に就く。



 第三章 賢者におまかせ、賢者におまかせ、賢者におま~かせ~



 帝都へ戻り、フラムドパシオン帝へ陳情する健太郎だったが……

 結果は叶わず。

 「税の公平性こそ、為政者の採るべき大原則である!」という正論に、返り討ち。


 ならばどうするか?


 頭を迷わす健太郎とキィロ、街角で「困りごとなら賢者におまかせ」のポスターを目にする。


 溺れる者は藁をも掴む。

 賢者の知恵を求め、高原の村サラーニーへ向かった二人は、

 「賢者の孫」、キコンデネルと出会う。

 自らを大賢者と自称するキコンデネルは「吾に腹案あり!」と自信満々。


 見かけは、着込みすぎの小学生みたいなのに。

 信用できるのか?



 第四章 地獄の竜退治



 で、その自称大賢者キコンデネルの案は、「火山弾にも耐えられる強固な石材で蔵を作れば、収蔵物も安心じゃろ?」というものだったが……

 待ってよ、キコンデネル。

 その石材をどっから、どうやって持ってくるの?

 アイディアは上々でも、全く以て具体性に欠ける! 難題が山積みじゃないか!


 ダメ元で王様に資金援助を願っても、やっぱり答えはゼロ回答。

 ぐぐぐ……


 と、頭を抱える健太郎は帝都で一人の少女と出会う。

 彼女、グリューエン・フォン・ポラールシュテルン少尉は、征竜鎮撫将軍という地位が欲しくて欲しくてたまらない軍人さんで。

 これ幸い! とばかりにキコンデネル(自称大賢者)、その軍人を焚き付けて「龍征伐の許しを王から得るのだ」と無茶な提案をしてくる。

 まさか、そんな許しなど出るものか! と高を括ってた健太郎だったが……


「許可☆」

 王はグリューエン少尉の龍退治を許し、兵隊まで貸し与えてくれるという。


「嘘だろ……!?」

 引っ込みがつかなくなってしまった健太郎、更には帝都民の熱いエールで「行かざるを得ない」状況へと追い込まれてしまう!


 確かに龍を屈服させられたら「(エルフ村を救うための)賢者の案」も現実味を帯びる。


 あくまで「出来れば」の話だが!

 相手は度々帝都を襲い、街の一部を灰にして帰っていく【災厄の龍】である。

 体長は五十メートルを越え、空を飛び、放つブレスは一兆℃!

 そんなの無理無理。

 やばたにえんの無理茶漬けである。


 実際、歴代の征竜鎮撫将軍で、龍を倒した者は一人もいない。

 将軍の肩書は、龍への生贄と同義である。


 そんな絶望的な状況で竜退治へと向かったグリューエン少尉の旅団だったが、

 王から与えられた兵も、最初の突撃で全滅、

 もうこれ詰んだろ?


 と……思われた窮地でも健太郎、現地民には思いも寄らない手段で、龍の懐柔に成功する。


 ここに異世界史上初めて、龍と人間とのコンタクトが為されたのであった。



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