インターミッション - ここまでのお話。
第一章
社畜戦士・輿水健太郎は、突然の異世界召喚を受けたが……
そこで待っていたのは、自分とソックリの王様と、自分とソックリの転生者×二人。
王様は、僕ら三人に「影武者を務めろ」と宣う。
突然、見ず知らずの世界へ喚ばれた僕らには、選択権など無いに等しいのに。
しかし王様は話の分かる男だった。
「影武者の報酬として貴族の地位を与えよう」と王が持ち掛ける。
つまり、王国公認で好きなだけ、何不自由ない異世界生活を満喫させてやる、という話だ。
やりたいことは、し放題だ。貴族ともなれば。
王の条件に僕もギネス(※別世界の僕)もトカマク(※別世界の僕)も「悪くない」と納得。
斯くして僕、輿水健太郎は『アーシュラー爵 ハーラー』として、影武者の順番待ちしながら、異世界を満喫する運びとなった。
そんな僕に、専属ツアコンとして派遣されてきたのが、キィロこと、トランキーロ・バッファローワンさん。
ケモミミと尻尾が印象的な亜人種の彼女と、
異世界人と非異世界人とのカルチャーギャップに悩みつつも、二人で異世界の観光名所を巡っていたが……
何の手違いか、アングラ賭博の地下闘技場で見世物のドラゴンに襲われてしまう!
危機一髪! 絶体絶命!
ファイヤブレスで黒焦げにされかかったところを、強力な毒液魔法で助けてくれたのは……
まさかのキィロ?
えっ? 君って普通のツアコンさんじゃなかったの?
第二章
図らずも地下闘技場をメチャクチャにしてしまった僕、
王様から「不良貴族ポイント」を差っ引かれた。
これは「拭いきれない失態を犯した貴族を戒める制度」で、持ち点が尽きた者は磔か切腹を賜ることになってしまう!
嘘でしょ?
そんなの早く言ってよ!
てなワケで、もう危ないところには首を突っ込むまい! と決意した僕、輿水健太郎、
田舎の温泉宿にでも引きこもってよう、とキィロと共に山へ向かったものの……
そこで、行きずりの美女と遭遇!
持病に苦しむ彼女を村まで送り届けると……そこは辺境のエルフ村だった。
穏やかなエルフ村の生活に、すっかり馴染んだ僕とキィロだったが……
その村は定期的に火山の被害を受ける村でもあった。
幸い、噴火による人的被害はなかったものの、年貢を備蓄していた蔵まで焼け落ちてしまう。
そして、哀しいことに、払えない年貢の代わりに、僕らが助けたエルフ、ラタトゥイーユさんが人身御供として供出されてしまう、という話を耳にしてしまう!
だめだ!
そんなのだめだ!
多少なりとも、王様とコネクションのある自分が、エルフ村の難局へ手を差し伸べなくては!
僕とキィロは、決意を胸に秘め、エルフの村から帝都への帰路についた。
聖ミラビリス王国略図。
徐々に明らかになっていく……と、いいな?
と、鼻息荒く帝都エスケンデレヤへ戻ってきた健太郎とキィロ。
果たして、王への説得は上手くいくのか?
 




