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合わせ鏡の噂

作者: 神名代洸
掲載日:2018/11/15

子供の頃なら1度は聞いたことない?

合わせ鏡に写すと自分の死ぬ時が見られるって。

そんなわけあるかって僕はずーっと思ってたんだ。だけど合わせ鏡だけはしたことがない。正直ビビってるところもある。臆病だからね〜。


結婚して妻ができ、部屋に三面鏡が置かれた。

妻は毎日鏡の前に座って化粧をしている。

その姿が気になっている僕は妻に合わせ鏡の事を話して聞かせた。どんな反応をするのか気になっちゃってね。


妻はたいして気にもしていないようだ。

それはそうだ。妻はその手のは信じてないから。

それである日、妻は合わせ鏡の事を笑って試してみるって言い出した。どういう心境の変化だ?

そりゃ試してみたかったけど、怖くないか?

実際何が写るかなんて誰も知らないしわからないから。

妻は上手いこと三面鏡に鏡の角度を変え合わせるように作った。あとは鏡の中に自分を写すだけ。


鏡の中をのぞいた妻は特に何も変わらなかったと言う。僕は覗いてないからね。分からないんだ。だって自身が写ったら怖いじゃないか。


「つまらないわ。何かあったら面白かったのに…。」

「そんなこと言うなよ。何かあったら大変じゃないか!」

「そんなのただの作り話ね。あくまで覗いたけど、特に変わってなかったもの。」

「ホント?僕ものぞいてみようかな?」

「貴方はやめときなさいよ。もし何か写ってたら怖くて何も手につかなくなるじゃない。」


確かにそれもそうだなと思い、見るのをやめた。


それからひと月ほどたったある日の事、妻が事故にあったと会社に電話が入った。

僕は慌てて会社から病院までタクシーで向かったよ。でもね、妻はそのまま帰らぬ人になってしまった。


泣く事が出来なくなるまで泣き明かしたよ。

でね?遺品を整理してたら妻の携帯にメモ書きが見つかったんだ。それにはこう書かれていた。



【あの合わせ鏡、見なきゃよかったわ。あの黒い塊は一体何?私にへばりつくようにくっついてる。怖いわ。こんな事あの人には言えない。言ったらきっと恐怖で寝られなくなりそうだもの。私も人のことは言えないわね。信じればよかった…。今更かもね。でもね、もしこれを主人が読んでるなら合わせ鏡は見ないでね?あれはきっと…。】

そこで終わっていた。

なんだったんだろう…。

でも妻の言う通りだ。

僕はきっと見ない。


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