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家の我侭猫

作者: 夕凪

 家の猫は我侭だ。餌に文句は言うし、撫でてと来てはそうじゃないと怒る。ほとほと呆れてしまうような所業だ。


 この前も、餌が欲しいと泣きながらすりよってきたので餌を入れてあげたら、これじゃないと足を噛んで来た。全く何処にそんな元気があるんだと思いながらも足を噛んだ事を怒るのだが、猫に堪えた様子はない。ただ自分じゃないと知らん顔をする。


 ドライフードが嫌といえば缶詰を、缶詰が嫌と言えばモンプチをと餌を変えるけど、餌に飽きるたびに文句を垂れる。チュールを上げればもっと寄越せと甘えてくる。ここまで来ると呆れよりも感心が湧いてくるかもしれない。


 ある日は甘えるように布団に入ってきたんだ。そうかそうかと猫を布団に招き入れると数分後には熱いと体当たりをかまして出て行った。全くなにがしたかったんだか私には分からなかった。

また外に出たいと文句を言うのはいいが雨が降っていると止ませろとでもいうかのように忙しなく泣くのだ。


 それでも、私は家の我侭姫様王子様が嫌いなわけではない。どちらかといえば好きなほうだ。


 そんな猫が家に帰ってこなかった時がある。家の猫は一人でのお散歩が好きだ。それでも長期的なお散歩はなく、お腹が空いたら文句を言いに家に帰ってくる。


 1日目はまぁ良くあることだと。2日目には心配の色が出てきた。今までこんなことがあったのだろうか。そんなことを考えた。3日目はとうとう家を飛び出して探した。声を張って走り回って、あっちにも居ないこっちにも居ないとにっちもさっちもうろうろと。そんな中、にゃーと泣き声が聞こえた。声の聞こえた方向には、まるで遅いとでも言いたいような目線を私に向けている猫が座って居た。何処にいっていたのかと怒ってもそ知らぬ顔で家に帰る私の後をついて回った。


 家の猫は我侭だ。そして大切な家族で、可愛い末っ子だ。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 可愛い末っ子という最後の一文に、その猫への愛ある見方があふれていました。 [気になる点] その猫の体格や品種や顔付きが描写されていないので、その猫の様子が想像できないです。 [一言] 猫だ…
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