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限りなく馬鹿だった頃  作者: 京香
8/13

8 貞子登場

もぉ~!!

最低 最悪の 極落ち気分。


まさか飯田君が、三人同時に付き合ってたなんて。(Hはなしだよ)

あたしは登校するのがかったるかった。


もう人間不信だよ。

しばらく誰とも話したく無い。

なのに、友達加部があたしに寄って来て囁いた。


「舞子、昨日の事全部聞いたよ」

「聞いた?誰に」

「あの子は何でもあたしに相談するからさ」

「あの子」

友達加部が(あの子)と呼ぶのは飯田君の事か?

「飯田もさぁ、 悪かったどうしようって、言ってたよ」

「そんなの知らん!」

だいたい飯田って何だ?呼び捨ては何だ!?ってか、何でも相談って本当はどーゆー関わりなの?

それはあたしにとって、馬鹿と言われた以上のショック。


「あいつさぁ」


「えっ?あいつ」


あたしはいちいち反応した。

疲れる。

「ドンケに先を越されて面白く無かったんだよっ」

「何の話? 全然分からん!」

「ほーら、カラオケ行こうってセッティングしたのドンケだろ?飯田は何だって自分が先にやりたがる性格だし、正月デートしたあんたにゃ、くそみそ言われるし」


言ってない!言ってないよ!


年賀状の美しき天使と、酒飲むなに、ちょっとドン引きしただけだし、でも確かに飯田君はイケメンだし、美しき天使と言われても納得だしぃ。

えっ?何でそれが馬鹿発言と繋がるの~っ!

スッキリしない。

モヤモヤする。

授業がなおさら頭に入らない。

このままだと、

卒業までに補習授業に出る事必至だよ。


「舞子ーっ」

昼休みに、商業クラスの有栖川貞子が、ニコニコでやって来た。


「飯田なんて忘れろよ!

あいつは女なら誰だっていーんだからさ」

有栖川貞子は、加部水絵と幼稚園から繋がるマブ逹。

何故貞子も、飯田君を飯田と呼び捨てなの?


実はあたしの友達加部水絵が、あたしよりも仲良くしてるのが、この長い髪命っの貞子だった。

夜遊び大好きで、昼間は死んでいる奴だ。授業中は頭痛薬でラリっている噂だし、

近付きたくない。

しかも、怪しい化粧品を校内で売り付ける、とんでもない女なのだ!

貞子までが、飯田君の事を知ってるなんて・・・


しかも、呼び捨てにするのは何故!?

貞子はうっざたい髪を触りながら、勝ち誇ったように言った。

「知らないの?茅ヶ崎で最初に、飯田にナンパされたのは

あたし達が先だって」


「えっ、ナンパ?」


「あっちも二人、こっちも加部と二人だから、遊ぼうよって話しになってさ、てゆーか、ナンパしたのはうちらの方だったかな?」


初耳だった・・


「でもさ、あたしはちゃんと付き合うなら、もう一人の男の子に目ェ付けたんだよね~、

そしたら加部もそっちがいいって、喧嘩になってさーっ、

もぉ~仁義をかけた戦いだよ」


「もう一人居たの?小泉君や小池君じゃなくて」


「うん、その子は真治君。しーくんってゆーうんだけど、

大学受験で、それどこじゃ無いって抜けたんだよ。

超かっこ良かったなぁ」

貞子は遠い目になった。


飯田君より・・

かっこいい男の子が

雲海高校にいるの??

つまり加部水絵も貞子も、目当ての本命が消えたんで 、それで・・

それで あたし達に、押しつけたのか?

謎が氷解し始めて、

あたしの頭の中で、波がザッブーンと砕け散った。


そしてあるはずのない岸壁に突っ立ち、妄想が稲妻のように走った。

(ねぇ、真治君の代わりの子、紹介してよ~ん)

髪をなでつけて、飯田に迫る貞子。

(いいよ 、ついでに俺らは三人ほどいるからさ、そっちも三人用意して)

だけど…イケメン好きの貞子と加部は、小泉 ドンケじゃ、嫌だったんだ!鏡見ろ~二人!


じゃあ今まで・・

今まで加部水絵と有栖川貞子で

、どんだけ盛り上がっていただろう?

六人がどうなるか・・・

まるでゲームじゃん。

酷い。



こんなゲームは酷すぎる!

友達と信じていた加部水絵と貞子 ・・・

きっと高みの見物で、楽しかっただろう。

しかし、哀しい事にあたしは、ドンケのように、貞子を殴れない。

貞子は女のくせに、ヘッドロックの得意技で、近隣の女番長(古っ!)達を震え上がらせている。

制服の裏側に、夜炉死句と縫い込んだ刺繍。

そして、何故かコオロギ収集の趣味。


時々未来が見えると言い、10数年先の舞子から通信があった、などと妄想を言ったりするのだ。

気味が悪い。


数年後、あたしは映画リングを観た時、貞子が、有栖川貞子にソックリで震え上がったね。


松子とテル子に、この顛末を話した。

「どーも変だと思ったよ」

松子は意外と冷静だ。

「男の子達が可哀相だから行ってやってくれって・・

タダの数合わせだったの?誰でも良かったんだね」

テル子も何だか呆れ顔。

けどさ、けどね、

お陰であたしと松子とテル子、

この時友情らしきものが、初めて生まれたんだぁ。


うふふ。

続く。











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