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限りなく馬鹿だった頃  作者: 京香
2/13

2 彼氏はジャニーズ系?


友達は隣のオッサンに伝票を飛ばしたが、オッサンは私達の、眩い体に見とれていて、気付かない。


「あれ~っ、もー帰るの?彼女達ぃ、悪い男に気をつけるんだよぉ」


オッサンこそ気をつけなと、あたしは思った。


「あんたさ~っ」

店の階段をバタバタ下りながら、残り少ない優等生のあたしの血が騒いだ。


「あ~ゆことすんの、止めなよ!」


「平気だよ、後で神様に懺悔して許してもらえば、スッキリするよ」


友達はぶっとい体を揺らして、スキップしながら先へ先へと、商店街を飛んで行った。


あたしは、オッサンが追いかけて来るとマズいから、一緒に逃げた。


あー、もう、こんな友達の紹介する彼氏ってマトモなのか?


マジでジャニ系?

あたしには一抹の不安がよぎるのだった。


途中ですが皆様、

これは私が17歳だった頃を書いているので、皆さんもご一緒にプレイバックしてください。


だいたいこの頃は、いかにヤバい男にはエッチをやらせず、適当に危険を乗り越えて遊び、いい男をgetするかに命を削っていたのです。


これは初めて男子と出会い(女子校育ち)

デートしたアホな女子高生の・・抱腹絶倒の記憶なんであります。


※※※※※

さて、オヤジに伝票を飛ばした罪深き友達と、あたしが辿り着いたのは夜の教会でした。


「舞子ー、ここ入ろうよ」


「教会に?」


「うん、あたしはね、自分が嫌な子だと落ち込んだら、教会を見上げるんだよ。

人間てのは、悪いことをしたら良いこともする、バランスが大事なんだよ」


何訳わからん事言ってるんだ。

カクテルでラリってる酔っぱらいのくせに・・・


あたしは友達に引っ張られて、明かりの灯る教会の中に入った。


そこには、三、四人ぐらいの大人がい居て、にこやかに迎えてくれた。


「相談があるんですー」


友達は深刻な顔。

私もつられて神妙なフリ。


「あたしたち…繊細な年頃なので、今の学校とか大人や社会が信じられないんですぅ~」


えっ?あたしはあんたが信じられないよ。


「だから、どうやって、人を信用して生きていったらいいんですか?」

人を騙すのは、どうみてもあんたですけど・・・


私服だと17歳にして水系の友達。美人じゃないけど、エロさは全開。


こんな胡散臭い奴だと言うのに、教会の人達は、人を見た目では判断しませんよ的な?ひどく真面目で真剣な対応をしてくれた。


「人間は、正しくもあれば、悪に染まる時もある、弱い心の持ち主ですよ。だから神様に祈るのです。貴女方は今日それに気がつき、そして教会のドアを開けたのですね。

なんて素晴らしい!

なんて素敵な出会いを、神様は用意して下さったのでしょう!感謝です』


「お祈りしましょう』


「さあ、ご一緒に」


「貴女方の為にイエスキリスト様にお祈り致します』


教会の人は(オバサンと若い男女とオッサンの組み合わせ)


目を閉じて何か唱え出したので、私と友達もかしこまった。


今日迷える、私達の神の姉妹がなんたらー


いや、あたしこいつと姉妹じゃないし・・・


このか弱き乙女にぃ。

(ぶっといです)

・・・アーメン。


汗が出る…あたしは居心地が悪く、何かがこそばゆい。。

しかし友達は、すごい、今感動しましたーとか、言って目をウルウルさせた。


白々しー。


帰りは皆さん、ゾロゾロ玄関の外まで見送りに来てくれた。

「またいつでもいらっしゃいね。神は貴女方を見ています。守っていらっしゃいます」

見つめるその目が、汚れなき童女。

あー、なんかごめんなさい!


いつまでも手をふる教会の人達。


「ほーらなっ」

友達は叫んだ。

「気分がちょ~リセットするだろ?!心がマジ綺麗になったぜ!!一回はいって見たかったんだよなー!」


詐欺に遭っているみたいなのは気のせい?



どーでもいーけど男子は?

ジャニ系は?

どこで会えるの?

どうせならイケメンと会えるよう神様に頼みたかった。


外は冷たい花冷えの夜。

あたしの世界に暖かな光が射すのはいつだろう・・・



※※※※

「舞子すまねえ、グループ交際になっちまったよ」


「グループ?」


ここは学校の屋上。

三時間目で、すでにランチ気分の友達とその仲間が、散らばって好き勝手に和んでいた。


牛乳の回し飲みする奴等。


えんえんと髪を撫でつける奴。


眉毛の処理。

まるで猿山の集団のようだね。


「あっちが三人なんで、こっちも三人用意してくれってさ」


仕出し屋か?


「それで、テル子と松子が捕まったよ、 ふふ」


テル子と松子!?

あたしは頭がクラクラした。

あの二人、

せめて名前だけでも、何で可愛くないんだ?

かおりちゃんとか、りえちゃんとか。


テル子はオバサン化している、生真面目な風紀委員だし、

松子はバリバリの屈強な陸上女子だよ。

この二人とあたしがくっついたら?一体どーゆー感じのトリオ?


てか友達じゃないし!


「だからさー、お前が一番可愛く見えるようにセッティングしたんだよっ」


「そっそか」

あたしは友達の嬉しそうな顔を見た。

何か嫌な予感が、暗雲のように小さな胸に広がるのだった 。



※※※※※※

予感的中。


約束の茅ヶ崎駅に現れたテル子と松子。


松子はキュロットで、彼女のキャラと合っていたからほっとした。

しかし、大股からのぞく、たくましすぎる褐色の筋肉に、男子がびびりそうだよ。


テル子・・・


あー。


テル子は・・・真っ白なレースの襟の、光沢のある黒のワンピース。

靴下もレース。


まるで冠婚葬祭だ。

ここは茅ヶ崎だぞ。

海で浮く、公園でもアイスクリーム屋さんでも浮く。

それにテル子からはどーしても、PTAのオーラが立ち上っている。


もぉ どうでもええ。

あたしさえ可愛きゃいいのだ!

ヤケになって改札を出た。


どこに居る?ジャニ系?



目の前に…

色黒の男の子が立っていた。

友達が「小池くーん」と呼んだ。



え?こいつ?

ピンクのシャツにネクタイ、

ピカピカしたグリーンのスーツ

これは…


テル子以上の…

メガショックだっ!



何だかタイの人みたい?


それが真っ黒な顔の小池君の印象。


あっ、人のセンスけなしておいて、お前はどうかって?


あたしは計算したよ、

男の子が好きそうな清純で可愛い系。

それでいて、あまり気取っていないように、


上が淡いブルーと白が重なった、長めのカットソーで、胸から裾までギャざーが入ったフリル。


それにジーンズのショーパンをあわせたの。


フリルの下からショーパンがチラチラ見えるって訳だね。



あとはナマ足サンダル。

トップで可愛らしさをアピールして、下半身は風通しを良くしてみた。

こんな細かい事にこだわるなんて、単細胞の男子には理解不能だろうけどさ。


あたしたちは、取りあえず自己紹介した。

「僕、小池 精気って言うんだ」


?…小池…せ・せいき、君?

はっ、せいき?

別なせいきが頭をめぐり、ドン引きした事を忘れない。


「でも鈍いから小池じゃなくて、鈍池、ドンケって呼ばれている」


「ど、鈍池・・・ふーん」


あたしは友達に確かめたくてウズウズした。


精気って何?

あ、駄目だ 妄想が・・・

教えて~っ、

この子の親は、どうして性・・・器って名前を付けたの~っ!

※※※※※※

小池 精気。

と言う名前を聞いて、

私の頭はよけいな不純物であふれた。


そう言えば近所に万子ちゃんと言うオバサンがいた。


宗治まわりそうじ君や

地主の運地〇為造うんちためぞうさん


でもここまで立派な名前は初めてだ。


「じゃ、後はよろしくな」

友達はあたしをこずくと、テル子と松子を押し付けて消えた。


残り二人の男の子は遅れるらしい。

「き、君達、先に海の方へでも行かない?」


私達は一同うなずいた。



本日デート相手の男子達は、雲海高校の生徒で、あたしの友達とは文化祭で知り合ったらしいのだ。


ただ友達には、彼氏が七人もおるので手一杯。

交際を断ったらしいんだね。


友達の余裕にムカつくあたし。


商店街から砂浜へ出て、ゾロゾロと歩く。


会話が弾まない。


当然だ。


あたしはテル子も松子も、友達ではなかった。テル子も松子なんて、見たことも無いんじゃないかな?


ただ、(男の子とデートしてみない?)の友達の誘いに興味本位で乗ったのだ 。

ドンケ…

いや、小池君は二メートル先を歩いていた。


ちょっと離れすぎだろ~っ?!

かと言って、隣に存在しているのもイヤだし。


「おいお前っ!!」


それは突然だった。

どこから出てきたのか、男の人がこっちへ来る。


あの人が二人目?


すぐに違うと分かった。

フラフラした足取りで、目がヤバい!


男はドンケに何かを言いながら、いきなりドンケの腹を蹴り上げた。

『ぐふっ!』


前屈みに崩れるドンケ。


あたしたち三人は、一瞬固まってしまった。


「女をゾロゾロ引き連れてあるいてんじゃねーよ‼」

完全無欠なヤンキー男は怒鳴った。


こっちは完全無欠にパニックだ。

心臓がビョンビョンしている。

テル子も松子も青ざめた。


人間本当に怖いと声も出ない・・・

しかし、さらなる窮地がやってきた。


大きな岩の陰から、

10人ほどの男達が、バラバラと飛び出して来たのだ。

あたし達は後退りしながら、顔を見合わせた。


ど、どーする?


するとドンケがこっちを向いて大声で叫んだ。

「逃げなっ!!」


続く

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