11 7人とデートしよう
「やめなさい!」
キンキンした声で、あたしを救ってくれたのは、いつかのカンニング事件の英語の先生、通称亀子。(名字が亀井)
テル子が亀子に知らせてくれたのだ。
皆ガタガタと席についた。
しかし、あたしは貞子と加部、最強コンビを敵に回したらしい。
果たして無事に卒業できるのか?
それにしても飯田君は、どうしていちいち加部に相談するのだろ?
彼はあたしが、デート代を払わないから金欠だ、みたいな事まで相談してたのだ。
加部ってスナックのママかよ。
だったらワリカンって言え~っ!
いや、私も悪いのです。
デートの際に、あ、私も出すよ、この簡単な日本語が自意識過剰すぎて、言えなかったからです。タイミングが分からないと言うか、どうすればいいのかボーッとしていました。一応、バイトをしていたのて、私もと、アッサリ言えばいいのに、緊張で、ガチガチ。
でも、ちと流石傷ついた…
帰りは二人に取っ捕まらないよう、松子に走り方を教えてもらった。
「捕まりそうになったらスピンしな!目の前でされたら、びっくりして一瞬固まるよ」なるほど、松子がやったら枯れ葉も舞い上がる見事さ。
けど…あたしはどうだい?
よろけているだけで使えそうも無いし、ほとんど役に立たない技だと思う。漫画じゃあるまいし。
しかし、次の救世主が鮮やかに現れた。
あたしってまるでご先祖様にまもられているのかもー?
下校時に校門がざわついて居た。
加部と貞子の二人が、バットでも持って待構えているのだろうか?
しかし、そこには真治君が・・
真治君が、校門前で立っていたのだホワイっ!?
男子が珍しい、うちら女子高生は、ガン見だ。英語教師の亀子が、「男を見るんじゃありません」と、校門近くの生徒を追い払ってた。
「先生、うちの従兄なんですー
」と、貞子が飛んでいって言い訳した。
やがて貞子は、あたしが通り過ぎる時、引きつった笑顔で、「舞子ー、じゃあね」と言った。
大好きな真治君の前では、猫をカブるしかない貞子。
しかし、
「飯田と小泉、ドンケにもよろしくな!」
とドスを効かせるのを忘れなかった。
「何かこの騒ぎ俺のせい?さすが女子高なんだね、あんなにいっぱい見るとめまいするよ。
ごめんね 、びっくりさせたくて、君に会いに来ちゃったんだ」
真治君は校門を振り返った。
加部 水絵が出て来て、貞子と手を振っている。
あー、
マジで諦めない人達なんだよな。
真治君によると、今でも付き合って欲しいと、二人から電話がくるらしい。
「ねえ、もうハッキリしようよ」
駅に着くと、真治君は真面目な顔で切り出した。
「どうして未だ飯田と会うの?
小泉とドンケにも会って居るでしょ?」
あたしはは理由を話したく無かった。
あまりにもくだらないので真治君に嫌われるに決まってる。
真治君には知られたくない、くだらない理由…
それはドンケが可哀相だからでも、飯田君が未だ好きだからでも、小泉君がイイ人だからでも無いのだ。
あたしの友達、加部水絵の彼氏
七人説の事だ。
本当に同時に七人と付き合うのは可能なのだろうか?
それはもしかして隣りのお兄さんとか、兄貴の友達 コンビニでバイトの大学生とかカウントして無いだろうか?
くだらない。
でも知りたい!
実際男の子と付き合うのはエネルギーがいる。
何着る?どんなイメージで自分を見せる・・攻めるか猫カブるか?
デートの時にトマト系のパスタはヤバいとか、考える・・・
ドッと疲れる。
だから実験してみたのだ。
アホらしいけど、金曜日に小泉君とバドミントンで遊んだ。
土曜日はドンケと鎌倉寺巡り。
日曜は飯田君と近くをハイキングした。
月曜日は親戚のおにいさんとカラオケ。
連続で遊ぶのは結構キツい。
体力と神経がもたない!
一人一人とちゃんと付き合っていたら、自分がボロボロに疲れる。
だから実験半ばだけれど、人数も足りないし、もーいいや。
あたしには真治君だけ居ればいい・・
そうだよ七人説は、どーだっていいよ!
あたしは決めた。
あたしが今好きなのは真治君だと。
で、めでたくハッピーエンド、
普通はね。
この先あきれますよ。
人に話しても信じてくれないし・・・
そうです。これこそが私が犯した、最後の大馬鹿伝説なのです!
これ書きたくて、長々引っ張りました。
こんな女が居るんでしょうかってぐらい変です。
ある日あたしは、真治君から封筒を渡されました。
恋文ってやつですよ、あーた。
中に指環が入ってたの、素直に嬉しい。
女の子だもん。
これは俺が一番大切にしている指環です。と書いてありました。
俺とおそろいの指環を舞子がつけてくれたら嬉しいです。
代わりに・・
舞子も舞子が一番大切にして居るものを、何か下さい 。
真治。
あたしが一番大事にしている物?
真面目に真剣に考えました。
大好きな真治君の為です。
でも真面目に考えれば考えるほど、人っておかしな行動をするものかも?
てゆーか、あたしだけ!?
男の子にあんな物上げた人~っ
!?
続く
もうすぐ終わります。




