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限りなく馬鹿だった頃  作者: 京香
10/13

10 恋も友情も断崖絶壁

この話は体験を基にする小説です。作者のあまりにもアホなあれこれ、自分勝手な展開を笑って下さい。

絶体絶命断崖絶壁な感じの夕暮れの公園。


茅ヶ崎の砂浜と同じく、周りには人影がない。

ガンを飛ばしたと、やくざのような因縁をつける屈強な集団。


飯田君は、一番強そうな男に向かって言った。


「俺は飯田ってゆーんだけど、

お前の名前は?」


「ぁんだと、ワリャ!」

男は目と顎を突出して威嚇した。

飯田君は構わず続ける。

「龍星会の…横溝龍之介って男を知らないかな?」


「何? 龍之介?」

男から血走った目の色が引いた。

「龍星会の横溝 龍之介だって?」


「そいつは俺のダチなんだよ。 神奈川一体を取り仕切る総番長だ」


相手の顔が途端に崩れた。


「何だ、そうだったのか」


ええっ、

何この展開?!


「そら悪かったよ、龍之介さんなら俺も世話になったぜ。

宜しく言ってくれ」


男は飯田君に手を差し出した。


「お前の名前は?」

飯田君はその手を握り返した。


「俺は 将。神崎 将だ。

本当に悪かったよ」


集団はゾロゾロ引き揚げた。


男の子の世界って・・

不思議だ。


何がどうなっているんだろ?


ドンケに向かって、俺が居れば・・と悔しそうに呟いていたのは、こーゆー事だったのかも知れない。


龍之介って誰なんだろう?

その名前だけで、あの目付きの悪かった集団の態度が変わって、まるで・・・水戸黄門の印籠並みだ。

あたしは、飯田君が送ってくれる小田急線、新宿行きの車内でボンヤリ考えた。


「あれ?飯田ぁ」

車内で不意に声がした。

「真治じゃないか」


えっ?その名前・・

あたしは聞き覚えがあった。

真治と言うその男の子は、人をかきわけて嬉しそうに寄って来た。


真治?しーくん?

確か貞子が教えてくれたんだ。

茅ヶ崎で・・

最初に貞子と加部をナンパしてきたのは、飯田君と真治君だと。いや逆ナンぽいけど・・・


「何だぁ、朝から電話しても居ないと思ったら、デートだったのか 、ちえっ」

「真治こそ何処へ行く?新宿に遊びに行くのか?」

「下北の古着めぐりだよ」言いながら、その子はあたしに笑いかけた。

「飯田のおもりって、大変でしょ、我儘で偏屈だから?」



カッコイイ・・

あたしは、その男の子に見とれてしまった。


黒のTシャツ 、チェックのマフラー。

ルーズなベルトにハイカットブーツ。髪は天パーぽくて、大人っぽい雰囲気だし、まるでファッション雑誌の中から抜け出して来たみたいだ。


「所で真治、神崎将って奴知ってる?そいつに因縁つけられてさぁ」



「知ってる。いっつも剣道じゃ優勝候補だぜ!

ヤバかったじゃん!」


「でも、龍之介のお陰で助かったよ、焦った」


「だろ? だから横溝龍之介の名前は、覚えておいて損は無いって言っただろ。

この名前さえ出せば、無駄な喧嘩がどんだけ減るか、

きっと神崎だってほっとしてるよ。

喧嘩なんて、自分の取り巻き連中の威厳の為にやって居るんだから」

二人は完全な男子専用会話に熱中した。

どうやら横溝 龍之介は、男子にとっての切り札らしい。


※※※※※※

「舞子ーっ!この裏切り者~っ!」


ここは教室。

サイコな女、貞子のヘッドロックがいきなりあたしを襲う。

ヤバい!


あたしはもう、友達とは思って居ないけど、元友達の加部の背中に隠れた。

怒り狂った時のモンスター、貞子を、飼い慣らせるのは、口から生まれて顔は後回しになった、元友、加部 水絵だ。


「てめえ!いつからあたしのしーくんと!!」

そう、実はあたし、小田急線の駅で、真治君と居る所を目撃されたのだ。

「あれは飯田君の事で会ったんだよ」


嘘では無かった。

一番最初に真治君と出会った日…

真治君は、別れの際にこう言った。

(飯田の事で相談事があったら、いつでも連絡して)と紙切れを渡されたのだ。


なんて早業!


勿論真治君は、タダの好意でそう言ったんだけどあたしは…

あたしは、あっとゆーまに憑物が落ちたの。

飯田君と言う憑物が。


何故?

理由は無い。

あるか?

いつも履いて居た、足が痛い靴から、履き心地最高のブーツに履き替えたって・・感じだ。


自由!

快適!

だって、真治君は飯田君みたく、分かりずらい所が無かった。三人同時に誘ったり、ドンケを子分にしたり、上から目線で話したりしなかった。

凄く自然 、いつでもニコニコ

ニヤニヤとは違う。


「舞子ちゃんには、この服が似合うよ」と、別に買ってくれたりはしないけど、あれとこれを組み合わせて着たらこんなイメージとか、普通の男子がしないような提案するので、楽しいのだ。

飯田君ならさっさと通り過ぎて居る。いや、それが普通なんだけどね。


本屋でも、物産展の干物の前でも、

場所は関係ない。真治君と居るだけで、その場所は、あたしにとって特別なものに変わるのだ


「そう言えば舞子っ!」


加部があたしをにらんだ。

「最近あんた、ドンケとも小泉君とも会ったんだってね!

飯田君が電話でこぼしてたよ~っ!」


「やっぱりぶっころしてやる!」


長い髪を逆立てて、貞子が再びあたしに掴み掛かった。


続くー











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