とある集落の近くにて
穏やかな森のせせらぎが聞こえる。
なにやら懐かしい想い、ちょうど夏休みに祖父の家に遊びにいったことが思い出される。とても自然が豊かなところで民家が数件、田んぼや畑を挟んで数えるほどしかない集落とも言えないどこにでもある田舎の風景。
「痛っっ、どこだここは?俺死んだはずだよな血流して・・・ってかどこだここは・・!!!」
理由が分からない、確かに俺は東京に居て、先輩と飲んで夜の街に繰り出してそれから、、、そうそれ系のお店に行ってから柄の悪いやつに殴られて、、、周りを見渡すが先輩もやつらも居ない、、、これってあれかな。ラノベ好きの俺はふと異世界転生というのが頭をよぎった!!!
「ってマジか。。。だとしたらめっちゃうれしいんだけどw 剣と魔法の世界ってか!あれ出来るかな鑑定とかいうやつw」
鑑定と呟いてみる。。。 アレなんも出ねー涙、うそーんチート機能なしかよ。
「鑑定!」一応、声に出してみたがなんの反応もなかった。。。クソっ、せっかくの転生が。
って、余裕ぶっこいてるわけには行かないか。そもそもここがどこかも分からないし、山の中だし食い物も飲み物もなったくないしな。ふと自分の身体を見渡してみるが、いわゆるボロの布きれ一枚というとても貧相な格好だ。なんでこんな格好なんだろうと思うがいくら考えても分かりっこないのでとりあえず周囲を見渡し観察してみると遠くの方で生活音のようなものが聞こえてくる。よかった。人が居そうだ。内心焦りが出始めていたので少し希望が湧いた気がして心が弾む。
「ここにいてもしょうがないし、とりあえず近くまで言ってみようかな。。。。どんな人がいるかな。田舎っぽいし優しい人だといいんだけど。いやそもそも話通じるかな、いきなり襲われたりしないかな」
俺は不安を抱えながらも先へ進む決断をした。