case2
二人でみんなの分のお茶とコーヒーをもって事務課へ戻ると、私の事務課の先輩で関川先輩とは同期の松田華南先輩が声をかけてきた。
「どうだったー?」
「うん。面白かったよ」
その会話にお茶を配っていた私は目が点になってしまった。
恐る恐る「あの…。華南さん すずが棚から何か取るときシンクに乗るって知ってました?」と聞いてみると、返ってきた返事は…
「もちろん(*´▽`*)b」
「踏み台があることも知ってて黙ってました?」
「( *´艸`)」
「いつからです…?」
「最初からだよwすずちゃんがストックの場所聞いたとき、踏み台使っても届きそうにないしどうするのかな?って観察してたらシンクの上に乗っちゃうし、飛び降りちゃうし(笑)面白くてついね!!」
「営業のフロアの方にも音が聞こえてて、ずっと何の音か気になって、今日松田に聞いたら『今日の午後の始業前に給湯室覗いたらわかるよw』って言われたからつい…」
関川先輩が苦笑いで言った。
考えてみれば営業のフロアは事務課の真下で音が聞こえないわけがなかった。
飛び降りる時の音の事など何も考えていなかった自分がさらに恥ずかしくなった。
「うるさかったですよね?ごめんなさい」
頭を下げて謝ると、関川先輩は「頻繁に聞こえるわけでもないし、さほど大きな音でもないしね。多分俺以外誰も気にしてないんじゃないかな?」
関川先輩はそう言ってくれたけど、多分気になってる人はほかにもいるはずだ。
今日中に、たとえ残業手当がつかなくてもストックの場所を下のほうに入れ替えようと決意したとき、
「ストックの場所変えた方がいいよね?俺やるよ」
と私の心を読んだかのような関川先輩のありがたいお言葉に華南先輩は…
「移動したいのは山々なんだけどねー。来客用の割れ物のティーセットとかで下の方は場所が埋まっちゃって移動しようにも場所がないんだよね。」
割れ物や重いものは落ちた時のことを考えると上の方にはしまえない、けども下の階にも音が聞こえる以上どうにかしなければならない。
もうシンクから飛び降りることはないだろうけど、今後踏み台を使って降りるにしても、踏み外した時のことを考える.
やっぱりどうにかして場所を移そうと決めた。
ちょうどそのとき始業開始の音が鳴った。
関川先輩は華南先輩に「じゃあ」と声をかけ、私には「次から高いところから物を取るときはほかの人に頼みな。松田とか力もありそうだし(笑)俺でよけれいつでも頼まれるし」と言いながら私の頭をぽんぽんして仕事に戻っていった。




