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5話

 

「つまり……」

「はい、此方の勝手な理由とは分かっております……ですが! 我々も負けるわけにはいかないのです。国民の為にも、絶対に……!」

「それは、分かります。けど! だからと言って、別世界から呼び出すなんて……それにその話だと僕等が戦う事は絶対、ということじゃないですか、こっちにも、元の世界に家族がいて生活があるのに…それを……」


 久山が言いたい事も分かる。

 要は、『こっちの世界ちょっとピンチだから強力な力持った異世界人呼んじゃって』→『お前等こっちの要求叶えないと帰れないから、よろしく』と、言い方は悪いが、あちら側はこう言っているようなもんだ。


 実際、本当に魔樹とかいうやつの核とやらが必要なのかは判らないし、俺達を戦わせる為の嘘、ということも十分にあり得る。

 どちらにしろ此方が不利だということは明らかだ。


 こっちは何の情報も無い、相手が言う事を全て鵜呑みにはできない。国側に上手く操られるだけだ。

 が、何分こっちの世界の情報が無さ過ぎる……‼︎

 だから今返答するのは俺的に良くないと思う。良くある展開だとこの後城に行くはず……とりあえず生活と安全を保証してもらって、情報をある程度仕入れてから答えを出すのが1番。


(と思うけどやはり言えない今日この頃……)


「誠に……申し訳…ない……」

「……」


 爺さんが肩を、声を震わせながら頭を下げた。流石の久山もどうしたらいいのか分からないといった感じだ。


 他のクラスメイト達にもどよめきが起こり、一部の男子生徒が今だ頭を下げたままの爺さんに襲い掛かろうとして、ずっと部屋の端に待機していた爺さんの部下らしき人達に押さえられている。


 一方で、5人組の男女が集まり、何か話し合っていた。

 その中には御堂の姿もあった。他の面々も見ると……なんだ、リア充グループじゃないか、流石だな。

 こんな状況でも落ち着いてますわ。


 その輪の中に久山も加わった。計6人、皆が険しい表情で話し合いを始めだした。どうやらこの先どうなるかはアイツらの返答次第ということらしい。


 ……気になる……ちょ、ちょっとだけ、さりげなく近付くだけだから……。


「でもアタシら戦った事なんて無いんだよ!? いくら帰る方法だからって言っても……」

「あぁ、それに話を聞く限りじゃ相手は人じゃなくモンスターか……人じゃないだけマシだが……」

「私は、今返事をするのは賢明な判断では無いと思います。彼の方が言っていることが正しいとは限りませんし、まずはこの世界の事を知るべきです」


 なるほどね。


 最初に言ったのは小菜(こなし)(あや)だ。

 明るい茶髪ショートで、身長は160センチ程、胸は……ま、まだこれからだから、頑張って(震え声)

 そしてトレードマークは前髪を横に髪を止めるピンク色のヘアピン。普通に可愛いの部類に入る人物だ。


 まぁ戦う、なんて殆どの人が喧嘩くらいだろうしなー……分からんでもないな……。


 2人目は雲之(くもの)(ごう)

 身長180オーバーの細っそりマッチョ。黒の短髪に、ギロリとした目。パッと見完全にヤンキーのようだが、見た目とは裏腹に大人しい性格をしている。どこぞの不良も見習って欲しい。イケメン、よりワイルド、って言葉の方が合っているような風体だ。


(ふむむ、確かに人よりはマシ、なのか……?)


 最後は、東条(とうじょう)(りん)

 艶やかな黒髪のストレートロングで、若干目つきがキツイが、雰囲気はどこか落ち着いた印象を持たせる。

 身長は170くらい、胸は大き過ぎず小さ過ぎずで、抜群なスタイル。

 おまけに日に当たってるのかよ、というくらい白い肌

 大和撫子という言葉がここまでピッタリな人物は中々いないだろう。この中じゃ1番冷静なんじゃないか?

 ちなみに可愛いより綺麗系。


 で、東条さん、マジナイス! 本当よく言ってくれた。俺もう言う機会ねぇなと思って心の宝箱に封印してたのに、言ってくれて感謝です。


「もちろんこの世界での生活などの一切は全て保証します。戦闘においても指導します故、それに皆様には先程説明にもあった"強力な力"を持っておられる筈です」


 ずっと下げていた頭を上げた爺さんが言った。

 まぁ生活とかそこら辺は当たり前だよな、勝手に呼んでるんだし。

 んでいよいよか……確実に久山辺りはチートなんだろうな。

 俺も、もしかすると……平均以下の奴がチートGETで最強って設定とかよくあるし……ふふ、ヤバイな。

 俺の脳内会場が盛り上がって来た……!!


「皆様、"ステータス"と念じてみてください、各ステータスが数値化して出ると思います。この世界のLv1の平均数値は大体20〜30です。皆様は必ずなんらかの属性をお持ちになられていると思います」


 ほぅほぅ。


 "ステータス"


「うわぁ!? 何だこれ!? いきなり目の前に数字が……」

「俺も出てきた!」

「おぉ本当だ、属性は…風だけかよー……お、お前のステータス中々じゃね?」

「ねぇ、ATXとかAGLって何?」

「私MPってやつ数値が高いけどなにこれ?」


 クラスメイト達はお互いに出てきたステータスを見せ合いはしゃいでいる。

 さっきまでのお暗い雰囲気はなんだったのか。


 そして俺。

 本当なんなんだろうな。チラッと近くの奴等のステータスを覗いたが最低でも80〜90近くあった。全員属性も1〜2つ持ちだった。


 はあぁぁ……なのに、何でかなー……


「ははっ」



 東野翔・Lv1


 MP:4


 ATK:14


 DEF:16


 AGL:13


 INT:1


 属性:適性無



 いやー、やっぱりそうだよな……はは、ははは…は………あぁー……











「くそッ……」


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