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第六話 リム・ルメイド

久しぶりの投稿です!


初のバトル要素も含まれます!

私はここが市場であることも忘れ、おじさんに抱かれながらずっと泣いていた。


やがて、泣き疲れてしまい、最終的には眠ってしまった。






「………本当に怖かったんだろうな……」



俺はココの頭をなでると、ココをおんぶして、市場を歩き始めていた。


泣きじゃくっていたココは、俺を絶対に離すまいと、服をぎゅっと掴んで眠っていた。


こうして見ると、血の繋がりなんて、全く無意味なんだと思う。


彼女は俺が偶然発見した記憶喪失の子ではあるが、俺の大切な家族だ。


俺はココを守りたいと思うし、ココも俺にありがとうと感謝の気持ちを出してくれた。


きっと怖かったろうに。


馬を待たせている門のところまで歩いているときだった。




「あなた。『リム・ルメイド』ですね?」



そこには、三十代くらいの若い眼鏡をかけたオレンジ色の髪の毛の男性がいた。


丁寧な言葉遣いの彼は、俺に向かって話しかけているようだ。



「…………そうだ。で、お前は誰だ?」



「……某王国の使者と言えば分かりますか?」



某王国といった瞬間、俺の気分は悪くなった。


思い出すのも忌々しい過去だ。


できるならば俺の黒歴史として封印しておきたかった。



「……………なにかようか?」



「盗賊を退治したの、あなたでしょう?」



と、金縛りに合っている盗賊を指差していった。



「……………あぁ。まさか、あいつらはお前の差し金か!?」



だったらお前の命はないぞ―――――と言おうとしたが、



「まさか。あれは本当に知らなかったですよ。ですが、おかげで長年の消息が明らかになりましたよ」



と、彼は言う。



「…………盗賊とグルじゃないってのは、まぁ分かった。だが、何のようなんだ?」



「…………戻ってくる気はありませんか?歓迎しますよ?」



男は、俺に手を差し伸べる。


しかし、俺はそれを払い除けてやった。



「イヤだね。悪いが他を当たってくれ。俺はただの牧場主だからよ」



「………何を言ってるんですか。代々勇者の一族であるルメイド家の血筋であるあなた以外に、適任はいないでしょう?」



「……………血縁なんて関係ないね。しかも、勇者家系に生まれたからと言って、勇者をしなくちゃいけないと決めつけられるのも気に入らない」



俺は、できる限り不愉快な感じが伝わるように言った。



「………何を言ってるんですか?現にあなたは勇者として活躍してたじゃないですか?」



「……………他人の黒歴史をそんな簡単に暴くんじゃねぇよ」



「何を言ってるですか。あのときのあなたは光輝いていましたよ?」



と、何事もないようにさらっと言いやがった。



「あのときは…………。何も考えていなかっただけさ。…………あんなことがあるまで、疑いもしなかった」



「あんなことって言うのは、ルメイド家の最大の危機となった、あの事件ですか?」



「………………………それ以外に何かあるか?」



もはや限界値すれすれだ。


思い出したくもない黒歴史をこれ以上に掘り起こしたくない。



「………っわけで、もう勇者になるわけないんで、じゃあな―――」



「…………………ダメですよ」



頬に冷たい感触が出来る。


短剣か……。



「……………。なんのつもりだ?」



まさか後ろから奇襲かけてくるとは思わなかった。


もうそんな直感はとうの昔に働かなくなっている。



「私が言いつけられているのは、リム・ルメイドを勇者として王国に連れ戻せ。できなかったら、『消せ』ということなんですよね」



つまり、使者兼暗殺者なんだな。



「…………ここじゃ人が多い。もう少し少ない場所へ行くぞ」



「………………」



無言ではあったが、反対しているわけじゃなさそうだった。






俺は、一切男を見ずに、街を離れ、何もない草原まで来た。


ココを岩影に下ろす。



「…………任務を変える気はないのか?」



「当然。私はあなたをこの手で殺しますよ?」



手に握られているのは、刃渡り30cmはある短剣だった。


とても強い力が剣自体に溢れている気がする。


鈍っている俺でも分かる。



「…………武器と言えば……」



肉をさばくための包丁くらいしかない。


刃渡りもほとんど包丁と変わらない。



「…………仕方がないな。あまりこういうことはしたくなかったが…」



バトルモードに気分を切り替える必要がある。


相手の行動をできるかぎり読み、こちらからも的確に攻撃しなくてはならない。



「…っ!!」



ナイフを突き出す。


当然避けられ、距離をとられ、ナイフの届かない距離からの攻撃。



「はっ!」



斬りつけられたとき、なにか液体が滴り落ちていた。



「毒か…」



草に落ちた瞬間、その草から煙があがって灰になった。


この強さの毒は普通に作れるものじゃない。



「…………毒の魔法か」



魔法にもさまざまな種族がある。


炎、水、草、雷、土、毒、闇、光、影、風、時、空などさまざまな属性のなかの一つ。


名の通り毒を操る魔法。


主に暗殺に使われる魔法である。



「私は毒魔法専門です。強い毒ですよ?それ」



一瞬で草が灰と化した。


人間にこんなのが当たったら……。



「おらっ!」



スピードをあげ、間合いを詰めてからのナイフを突く。


しかし、男は地面を蹴りあげると、異常な高さで飛び上がり、背中に回る。



「がら空きですよ?」



がら空きの背中には、守るものは何もない。


その瞬間、背中に鋭い痛みが生まれた。



ズシャッ!!!



と、いう音。


痛い。


熱い。



「あ、あづい゛っ!」



毒のせいだろう、痛い。



「…………まだまだこれですよ?」



男の顔は、ひどく歪んでいた。


なんか……あるあるな気がしすぎてならない……。

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