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第五話 ピンチ!

「ダーグ盗賊団って……ヤ、ヤバイよぉぉ」



「殺される…っ」



「まだ死にたくないよぉぉぉぉっ」



次々に泣き言を言い出す客や店員。


泣き出す女性まで出てきているのだ。


しかし、私はよく知らないので頭に「?」のマークを浮かべている。



「へへへっ。殺されたくなかったら、さっさと言うこと聞くんだなぁっ!!」



なんにせよ、この盗賊たちはあまりいい人間だと思えなかった。


近くにいた、小さな子供にまで平気で刃物を向けて、下卑た笑顔を浮かべているのだ。



「子供を人質にしてやる。おらっ。ガキはこっちへ来い!」



ガキ、つまり子供はなにかの人質として利用させられる。


つまり、命の危険がある、ということになる。



「ほらっ。てめぇが来るんだよっ!」



「痛いっ」



髪の毛を引っ張られ、私は店を無理矢理出させられた。



「無駄な抵抗はしないように、縛っとけ」



と言われ、後ろ手に縄で縛られた。



「……いったいどうする気ですか……」



必死に落ち着いて、何とか出せた質問だ。


足はガタガタと震えている。


だって今までもこんな経験したことはないから。



「てめぇは人質さ!だからせいぜいビビりまくってくれや!へへへへっ!」



大変だ。


この人に殺されてしまう。



「……いや……」



「なんだって?」



「いやだよぅ……。怖いよぉぉぉ」



私は涙があふれでてきた。


首辺りに感じる、剣の冷たい感覚が、私を恐怖に陥れているのだ。


少しでも、これに力が入ったら死ぬんだ。



「…………っ」



「へへへっ!泣くなよぉぉ、へへっ!これからはご主人様にいっぱい可愛がってもらえるんだぜぇ?喜べよ!へへへへっ!」



「……いやだよ……、私……これからも…………家族で……暮らしたいんだもん……」



「だったら親に身代金でも用意してもらえっ!へへへへっ!まぁ。お前が売り飛ばされるのは目に見えてるけどなぁ!」



「いやぁぁぁぁ。誰か!助けてぇぇっ」



私が涙も拭けずに、必死に叫んで助けを求めるが、誰も知らんぷりをしている。


というか、気の毒だけど私には構わないで、と全員の目が語っていた。



「……誰か………助けて……よぉ」



「みんな利口だぜ!さっさと金品をよこしな!さもないと、こいつの首をかっ切るぜ?」



「やだぁぁぁっ!」



恐怖がピークに達しようとしている。


手足もがたがたといって痙攣する。


呼吸も過呼吸気味になっている。


あまりの怖さに失神しそうになりかけていた。


心臓はバクバクと外まで聞こえるんじゃないかというくらいの音を出している。



「助けてっ。リム………おじさん………」






時間は少し遡る―――――






「これいくらになる?」



「あぁ。3000ゴールドだねぇ」



「んじゃ、ここに払っとくわ」



俺、リムは、買い物をようやく済ませた。


買ったものは食料だ。


最近食材が足りなくなってきてしまっている。


ココがこれから家族となるんだから、食材はこれまでよりもさらに増えるのだ。


俺は大量に中身を抱えた袋を抱え、ココを待たせた服屋へと向かう最中だった。



「動くなっ!!」



「―――っ!!?」



そこには、盗賊がたくさんいたのだった―――――






「あ……っぐ」



「まだまだ足りねぇよ!もっと用意しろや!金をよ!!さもねぇと、さらに刺さるぞ!」



「い、いい…、痛いぃ」



首にサーベルが食い込んだ。


それにだんだんと力が入れられた。


首筋から血が流れだし、刃が食い込まれて来るのがわかる。


その度に痛みは増す。



「…………ココっ!」



リムおじさんの声が、とても大きく響いた。



「リ、リ………リムおじさん!!!」



「どうしたんだ!?」



おじさんは驚いた顔をしてる。


そりゃそうなのだろう。


首筋に少し刺さっているサーベル。


それを笑いながら見ている盗賊。


後ろに拘束された手。


こんな顔にならないわけがない。



「なんだぁ!?親かぁ?へへへっ!」



盗賊は、リムおじさんに気づいたようだ。


やめてっ!


おじさんには、何もしないでっ!



「おじさん……!!逃げてっ!!!私は大丈夫だからぁっ!!」



「へへへっ!逃がしはしないぜ。てめぇからたっぷりと金をむしりとるんだからよぉ!」



おじさんを囲む数人の盗賊。


私に向けられているのと同じようなサーベルが向けられた。


へらへらと笑った盗賊が、リムおじさんに対して向けたのだ。



「…娘を解放してほしけりゃ、10億ゴールドくらいは用意してもらわねぇとなぁ!!」



「まっ。お前みたいな平民風情が、そんな金額払えるわけねぇか!」



はははははっ!!



嫌な笑い声が聞こえる。



「……………せ」



「あぁ゛!?」



「………ココを、離せ」



「なんだてめぇ?俺たちに向かって命令すんのか!?調子こいてんじゃねぇぞ!おらっ!!」



「ココを離せって言ってるんだよ…っ!」



ゾワッ!!



「―――っ!!」



一瞬だった。


何かとてつもない、強大な力が、解き放たれていた。


この場にいた全員の背筋が凍り付いた。


動けない。


金縛りだ。



「う、ぐぁ…っあ」



「ココを離せ…」



「お、おっ、お前、いったい、何者だ…?」



「……………。リム・ルメイド。まさか知らないわけないよな?」



「まさかっ!?あ、あの、あの…!?」



「さっさと、そこをどけっ!!」



「ひぃぃぃぃぃ!!」



さっきまで人を脅しまくっていた盗賊が、たったの一言で退いていった。


なんというか、唖然としか言えない。



「………………!」



「悪かったな。ココ。怖かったろ……」



「―――っ!おじさん―――!!」



私はただひたすら、恐怖の糸が切れたことで、泣くしかできなかったのだった。


上手く書けない……。もっと頑張りたいです!!

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