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第二十七話 白い虎

「…………ここ、は?」



家継は、目が覚めた。


どうやら熱は引いていたようで、体の気分は非常によい。


しかし、家継はとても驚いた……。


なぜならここは、いつも家継がいる江戸城ではなかったからだ。



「………ここ。どこじゃ?」



ひたすら広がる、何もない草原。


全方位地平線のこの場所は、いったいどこなのか―――――


しかし、そんなことを考える余裕など、すぐに消えた。



「助けてぇぇぇぇ!!」



「な…!?」



なんと地平線の向こうから、少女が大きな声で助けを呼んでいるのだ。


少女は走って何かから逃げているのだ。


その後ろには……。



「な………っ。白虎!?」



白い虎が、少女を食らおうと追いかけている。


少女は立派にも、逃げていたが、それはすぐに捕まってしまう。



「いやっ。食べられたくないっ!いやっ!いやぁぁぁぁっ!!」



「うぅあぁぁぁ!」



家継は、近くにあった、何かの骨を掴むと、その白い虎に向かって単身攻撃を仕掛けにいく。


剣術は、侍の習い事として幼い頃から習わされていたため、そこそこ強い。


今回は骨だから、棒術だが。



「……グルル!」



突如反撃を食らわされたため、白虎は身を一度引く。



「とぅっ!」



家継はさらにそこに一撃を食らわそうとする。


だがしかし、白虎の野生の勘は、すさまじいものだった。



「ガルッ!」



「うわぁっ!」



骨を振るった瞬間、白虎は身を引き、骨と地面をぶつけたのだ。


白虎にとっては、上から降ってきたものを後ろにかわしたにすぎない。


しかし、骨にとってそれは、自身より固い、地面との衝撃に他ならなかった。



「お、折れたっ!?」



骨は衝撃を受けた部分から粉々に割れ、元の大きさの半分以下にまで折れてしまった……。



「ぐっ……」



武器を失った家継にとっては、あまりにも大きな痛手だ。


こっちには武器すらないのに、自分と、さらに少女までいるのだから。



「…………ガオゥッ!」



「うわっ!」



白虎は、家継を食うことに切り替えたようで、家継にダイブしたのだ。


家継は、白虎に覆い被さられる形になった。


しかし、



「ギャウッ!」



再び家継は、白虎に反撃をいれたのだ。


家継は、白虎の真下に来たことで、白虎の体、特に腹の部分ががら空きになっていたのだ。


そこに、さっき砕けた骨の砕けてしまった側。


鋭利になっている部分を、腹に突き刺したのだ……。


しかし、白虎は白虎で、突き刺さりはしたものの、身を引いたために、骨は抜け、少し血が出るくらいの痛手に終わった……。



「……はぁ……はぁ……」



しかし、家継はまだ8歳だ。


体力はあまりなく、力も大したことはないのだ。


白虎も傷を負ったものの、家継の体力は限界に近かった。



「グゥアアァァァァァァ!!!」



「―――あぶな―――!」



白虎は一度後ずさる。


少し身を引き、相手の出方次第では逃げることも可能。


それくらい後ろに引き下がっていた。


しかし―――


白虎は標的を家継から、少女に切り替えたのだ。



「い、いやあぁぁぁぁぁ―――――!!」



ザグゥッ!!



しかし、白虎が少女を食らうことはなかった。


代わりに白虎が口に入れたのは、鋭く尖った骨だった―――――


口の奥、喉に鋭く突き刺さった骨は、白虎の肉を裂き、血を吹き出していた……。



「グル……グオ…オォォォ………」



力なき断末魔をあげた白虎は、そのまま死んでいった……。


虎を倒す少年…。凄すぎる謎が次回明らかに!  たぶん。

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