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十五話~十九話 side ドルク

『くそっ!くっそぉぉっ!』



我は走っていた。


ただひたすら、道を走っていた。


男はココを拐って、どこかに行ってしまった。


我は意識を失っていたため、追うことができずにいた。


しかし、ようやく目が覚めたため、こうして走っているのだ。


男は将軍だと言っていた。


勇者を拐うということは、間違いなく尋問なり処刑なり、なにかをされるはずだ。


となると、大きな都市に向かった可能性が高い。


この周囲で一番大きな都市は、首都のためそこまで大急ぎで走る。


馬の数倍は早いと言われている我だが、その全速力を出してもまだ着かない。


割と遠くにあるようだ。


ココは無事だろうか。


死んでないだろうか。


忠義を果たせないなど、ユニコーンの雄としてのプライドに関わる。


我は全力で走った。


風よりも、何よりも早く。






『あ、あれかっ…!』



巨大な宮殿が立ち、それを中心に囲むように街があり、さらにそれを囲むように城壁がある。


今我が走る丘よりも下の平地に立つあの街が、どうやら首都の場所のようだ。


あの街にいるとすれば、速攻救いださねばならない。



『待ってろ!ココっ!』



飛び上がり、城壁をかけ上る。


折れた角がちゃんとついていれば、こんな薄い壁くらい一突きで破壊できるが、それができないのだ。



『ココぉぉ―――――!!』



大きな声で叫ぶ。


しかし、驚いたように多くの人間が振り向くが、そのなかにはココはいない。



『くそっ…。ここにはいないのか…っ!』



ここじゃないとしたら、どこにいるのか。


だが、我はどこまででも追いかけていく。


それが、誇り高きユニコーンの忠義だっ!






ドゴォォォォォ!!!






爆発……。


なぜそんなものが起こるのだろう。


我はその方向を向く。


そこは、この首都の中心にそびえ立つ、城であった。


爆発が起こった瞬間、信じられないほどの爆風が巻き起こった。


しかしそのなかで、我はなにかを感じとる。


空中に広がる、魔力だ。


こんなに魔力が飛び散るなどありうることなのだろうか。


しかもこの魔力は覚えがある。


間違いない、ココのものであった。



『…………ココっ!!そこにいるのだな!?待っていろっ!すぐに行くぞぉぉぉっ!!!』



我は人を掻き分けて進む。


城が突然爆発を起こしたのだ。


帝王に何かあったのかと、人々はパニックに陥る。


だが、我は、帝王などどうでもいい。


それより、ココの方が心配だ。


ココも爆発に巻き込まれてないだろうか。(全ての元凶です)


怪我していないだろうか。


将軍に嫌なことされていないだろうか。


どんどん不安になっていく。


我がちゃんと守れなかったばかりに……。



城までやってきたが、瓦礫のせいで人の姿は確認できない。


だが、魔力をびんびんに感じる。


しかもこれはココの魔力だから。


誰かと戦っている。


しかも、危険な敵と……。






「ぎぃぃぃぃぃぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅおぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」






まるで獣のような叫び声。


いや、これは悲鳴の方が正しい。


苦しい思いをした人間が発する声だ。


この声の主がココだと分かると、我は大いに焦った。


やっぱり、ひどいことをされているのかも知れない。


泣き叫んでいるのかも知れない。


我が助け出す。


我が救う。


魔力をたどりながら、我は城を進む。


普段はいるのだろう兵士たちも逃げ惑っているようで、我のことなど気にも止めていない…。



『ココぉぉぉぉっ!』



一番奥の部屋まで来た。


強い魔力を感じる。


恐らくここで合っているだろう。


そして、このなかに入ろうとした瞬間だった。






「ムーンライトドラグーンっ!」






光魔法が、男を貫いていたのだ……。


光魔法を使ったのは、間違いない、ココだ。




「………………」



『ココっ!!?』



ココが倒れていく。


目を開けていない。



『大丈夫か!?ココっ!!?』



どうやら息はしているようだ。


ただ、意識はない。



『……こんなになってしまって……。可哀想に……』



全身がずたぼろの彼女を見て、とんでもないことが、この場で起きていたのを実感する。



『………とにかく、この街からは出ないと……』



少なくとも、将軍を倒しただろうし、城も崩壊した今は、間違いなくココが悪者になる。


そしてこの町で捉えられるのだけは、何としても食い止めよう。


それが我の仕事だ。


意識のないココを背中に乗せ、ココを落とさないよう、かつ素早くこの場を立ち去った。


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