第十九話 決着!
専門用語?が出ますが、次回解説をします!
「こ、こんな、ことがぁっ!?」
「うあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
私の身体から、とてつもない何かが沸き出ていく。
危うく意識まで持っていかれそうだったが、なんとかその場で耐える。
将軍だけでない。
帝王も、この部屋の壁も、なにもかもが震動を起こし、私の力によって破壊される。
帝王はまだなんとか耐えているが、将軍は吐血して倒れ、無惨に壁は壊れていく。
やがてむき出しになったこの場所を見ると、高台の上にそびえる、城だったのだと分かる。
今やそれは跡形もなく消え去っているが、もはや気にしてなどいられない。
「ぐ、ぅ、あ、あぅ」
もう私も、意味ある言葉など発せられない。
ただ口から呻き声に近い何かが漏れるだけだ。
「将軍まで倒すとは。やはり勇者はひと味違うか……」
「ぅあ、ぁあ、お、あ」
「もう言葉も喋れぬか。そりゃそうだろうな。あれだけの『魔爆』を起こせばな」
「あ…、ぉあ、あぅ」
「『魔爆』というのは、人間だけでなく、あらゆる生き物が、魔力を無意識に解き放つブースト状態だ。この状態になれば、通常の約100倍の魔力を一瞬解き放つことができるが、それは本来セーブすべきはずの魔力を解き放つこと。今お前にはとんでもない量のダメージが全身を駆け巡っているはずだ」
「ぇ、ぉ、ぇい」
「そのまま目を閉じれば、楽になれるぞ?」
「ぃ、ぁ………」
「ククっ。こんな状態でも、勇者は勇者か。健気なものだ。俺自ら、終わらせねばならんようだな……」
「ぁ、ぁぁ、ぁ」
「安心しろ。そんなダメージなら、痛みを覚える前にすでに天国だ。安心しな。死んだあとは、すぐに家族も向かわせてやるからな」
「ぃ、ぃ、ぃぅ、ぅ」
ダメだ、身体が一歩も動かない。
指すらまともに動かない。
脳の信号をまるっきり無視する運動神経。
動いてよっ!
動いてよっ!私の足っ!私の腕っ!私の、身体っ!
「ぁぁぁぁあああああ!!!」
「うっ!?」
メキメキ、と、体から鳴ってはいけないような音が鳴る。
右足からも、左足からも、古い屋敷を歩いたときになるような、メキメキ、といった音が足から聞こえる。
だが、やはりそんな音に構っていられない。
私は全力で逃げた。
もう逃げるしか選択は残されちゃいない。
「あがあぁぁぁ!」
右足に電気が走る。
だがこれは、魔法によるものではない。
私の身体が悲鳴を発しているサインだ。
「がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
次は左足にも。
そして全身に、びりびりっと雷でも落ちたかのような衝撃が貫く。
将軍の魔法とかではない。
私自身の危険信号だ。
「ぎぃぃぃうぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
残る力は全て振り絞る。
例え私の身体が引きちぎれてもいい。
私は自分の幸せのために、命までかけて戦った。
悔いなど、悔いなどない……。
「あぎぃぃぃあぁぁぁぁ!!!」
……………そんなわけない。
三人で幸せな暮らしを送るのだ。
それまで、それまでは死んでも、死んでも、死にきれないっ。
「ぐぎゃあぁぁぁぁぁ!!!!!」
「もう何も出来はしない。貴様はここで死ぬ運命なんだよっ!!」
帝王の体からは、魔力が溢れ、手から何かが出来上がる。
魔法の類いだとすぐにわかる。
「時の力によって滅せよ、勇者ぁぁぁぁっ!」
「ぎぃぃぃぃぃぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅおぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
もうやっぱり仮にも女の子が出していい類いの声じゃない。
完全に化け物の声だ。
だが、負けない。
私は負けない。
勝つ。勝つ、勝つ、勝つ、勝つ、勝つっ!!
「―――――!!!!!」
魔爆によって爆発した魔力。
それは、爆散したわけではない。
それはこの辺りの空間に蓄積され、ただ流れていくだけだった部分の魔力は、再び私の肉体に戻りつつあった……。
のちに『魔爆の逆流』と呼ばれると知った、この、蓄積エネルギーの逆流が、私に奇跡を起こした。
「……………っ!!ムーンライトドラグーンっ!」
光魔法として覚醒された魔力。
それはいとも容易く、時魔法を弾き飛ばし、帝王を丸のみしていた。
「ぐ、ぐぐ………、ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!」
それが私の、勝利の瞬間だった。
主人公のセリフがムーンライトドラグーン以外全部悲鳴っていう…




