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第十話 新たな……

「うあっ!」



目が覚めたとき、私は、関所だったはずの場所の、ベットで眠っていた…。



『人間よ…。目が覚めたか……』



「ユニコーン……」



目の前には、私の脇腹に攻撃を加えた、いや、私が加えさせた、神獣のユニコーンがいた。



「…………ここは?」



『関所だ。我が壊したものだが、一部はそのまま残っていたのでな…』



「そう……。じゃあ、私は、あなたに治療してもらったのね?」



『そうだな。治療と呼べるものかどうかは分からぬが、とにかく安静にしておけばよかろう』



「そっか。ありがと…」



まだ私はクラクラしてたので、横になった。


きっと貧血だろう。



『…………わからぬな……』



「…?」



『さっきのお前の行動だ。お前は雌の人間でありながら、力で我と同等だった。それならば、角の攻撃など、瞬時にかわせるはずだっただろう。なのに、どうして、わざわざ当たりにいったのだ。我が治療をするとは限らない。もしかしたら、そのまま放っておいてしまったかも知れぬのに』



私に擦り寄る彼は、少し不安そうだった…。


彼の顔には、私の返り血がついていた。



「そんな……。家族を殺されたら、誰だって怒るのは当たり前だよ。家族が殺されたから、辛かったんだよね……。でもね、殺したら、息子さんが戻るわけじゃないのよ。神獣は、きっと誇りだってあるでしょう?そんな誇りを、人を殺して汚したらダメだよ。ね?」



『……………やさしいな。人間よ……』



「ううん。ただ、私も家族が殺されたら、同じように思うから……」



きっとそうだ。


リムおじさんたちが、他の人に殺されたら、私だって怒る。


人間を憎しみによって殺しちゃうかもしれない…。



『………お前のようないい人間に出会えたのは、何かの縁かも知れぬな。お前の名を教えてくれ。ちなみに我が名は、ドルクだ』



彼は自ら名前を名乗ってくれた。


ドルクというらしい。


カッコいい名前だと思った。



「私は、ココ・ルメイド。」



『ココか。覚えたぞ。これからもお前なら、我が背中に乗せてやろう』



「……………うん。感謝するよ」



ということは…。



「一緒についてきてくれるの?」



『我はお前が気に入った。お前さえよければ、我はお前をどこまでもついていく』



「……そう。じゃあ、お願いね………。


あと、私のことは、『お前』じゃなくて『ココ』って言ってくれると嬉しいな……」



『承知した、ココ』



さっそく一人目の仲間ができたのだった。






ようやく体も落ち着いたところで、再び旅を開始することになった。


私は、ドルクの背中に乗って、旅を続けた。



「ドルクの奥さんに、別れとか告げなくていいの?」



『……あぁ。我は戻らぬと伝えた。もういいのだ。彼女には辛い思いをさせてしまったという罪が我にはある…』



少し暗い話をしてしまう。


そのあとは二人とも特に会話がないまま、街についた。


街の名前は、ゼルリアというらしい…。



「そういえば、ドルクはどうする?あなたの大きさじゃ街に入れないでしょ?」



ドルクの大きさは大きな馬くらいはあった。


こんな大きな動物が入れば、みんな驚いてしまう。


しかも、普通の動物じゃなく神獣では特にだ。



『我は体の大きさを自在に変える力を持つ。小さくなってココの体に乗ればいい』



と言った。


というか、そんなことができるのだろうか…。


だが、馬を預ける場所などにユニコーンを預けるというのも、中々危険な気がした……。


ならば、小さくなってもらうほかない。



『ぐ、ぐうぅぅぅぅ……』



唸り声を出しながら、体が小さくなっていくドルクを見ていた……。



最終的には小さな犬ほどの大きさまで縮んでしまったのだから驚きだった…。



「ほ、ほんとだ。すごいっ!」



『どうだ。すごいだろう』



と、私に誉められたのも満更ではなさそうだった。






いよいよ街に入った。


街の様子は、レオードン王国の町並みとはまた違った様子だった。


レンガ造りの家が立ち並ぶが、手前の方の家はかなり質素で、長屋のような集合住宅だった。


奥まで進むとやがては一軒家が大きくなったが、それでも家自体はあまり豪華な様子には見えなかった…。



「………平民の人って、あまりいい暮らしできてないんだね……」



『そのようだな……』



私たちは、それだけがわかると、おとなしく宿に入ることにしたのだった―――――


ユニコーンのドルクが新たな仲間に加わりました!

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