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第六話 挿話 弱さ……

挿話です。視点はココではありません。

俺には、愛する人がいた……。


幼馴染みで、赤ん坊の頃から隣にいた女の子。


名前は、ユーマ・サーレイン。


彼女とは、昔から仲が良く、よく一緒に遊んでいた―――。


やがて時が経つに連れ、俺は彼女に友情じゃない、もっと熱い気持ちを胸に秘めるようになる。


恋だった。


彼女の隣にいるだけで、俺は幸せだった。


彼女の純真な笑顔を見るだけで、俺は癒された…。


彼女が他の男の子と喋っているだけで、心が重くなった……。


この気持ちを、彼女に伝えたかった……。


この俺の熱い気持ちを!


とある日、ついに俺は決意する。


彼女に告白する決意をしたのだ。


昼に一緒に、街を一望できる高台に行こうと約束していた―――。


そこで俺は告白するんだ。



『ずっと前から、君のことが好きでしたっ。付き合ってくださいっ』



って。


彼女はどんな表情をするのだろうか。


困った表情をするかな。


笑って、『いいよ』って言ってくれたらうれしいな。


などと、色々考えていた。


だが、彼女はやって来なかった……。


一時間待った……。


二時間待った……。


だが、彼女は全くやって来なかったのだ……。


まさか、約束を忘れたのだろうか。




俺は彼女の家まで行ってみることにした。



「すみませ〜ん。ユーマいますか?」



「お、おぅ…。君か」



「ユーマはいませんか?」



「ユーマ、か。ユーマは、ユーマは………。もうここにはいないよ……」



は?


意味が分からなかった……。


いないってどういうことだよ。


もういないって…どういうことだよっ!



「…………俺たちの、借金の担保だったんだ……。だが、お金は返せなかった……。あいつは今ごろ、奴隷にされちまってるよ……。ごめんな、ユーマっ!!」



おじさんは、泣いていた……。


愛する娘を担保にした自分の憎悪。


それを返せなかった情けなさ。


そして、悲しみ……。



「くっ―――!」



俺は走っていた。


高利貸しなら、この辺りじゃ、一件しかない。


場所なら知ってる。


俺はそこに走っていった。




「ユーマっっ!!」



「…!!………!!!」



ユーマは、硝子ケースのなかに、入れられていた。


両手両足は縛られ、喋れないようにされていて。



「こらっ!クソ坊主っ!店の商品にさわるんじゃねぇよっ!お前みたいなガキが、奴隷を買うにゃ、百年早いんだよっ!!」



店主が出てきて、店を追い出されてしまった。


だが、俺は諦めるわけにはいかないのだ。



「お願いしますっ!彼女を放してやってくださいっ!おねがいしますっ!それが無理なら、売ってくださいっ!俺にっ!絶対に払いますからっ」



「どうやって?お前、見たところ、奴隷を買えるような、金持ちの人間には見えないぞ?」



奴隷を買うには、何十万ゴールドとかかる。


手安く誰もが買えるような代物じゃないのだ。



「それでも…っ!絶対に払いますからっ!」



「ダメだダメだっ!そんな簡単に譲れるほど、商売は簡単なものじゃねぇんだよ。とっとと消えな。クソ坊主っ!」



と、一蹴されてしまったのだった。


もうどうしようもない。


買えるしか、選択権は残されていなかったのだった…………。




俺は家で泣いた。


食事も取らずに泣いていた……。


俺は、その日は泣きつかれて眠っていた……。



次の日、高利貸しの所にもう一度出向く。


絶対に売ってもらうんだ。


彼女を。



しかし―――――




「う、売り………切れ……………っ!?」



終わった………。


奴隷として、彼女は他の誰かの持ち物になってしまったのだ―――。


彼女はもう、俺の幼馴染みではなくなってしまうのだ。


嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だっ。


俺はかけていた。


この店は閉店時間と開店時間が決まっている…。


開店して、まだ一時間も経っていないのだ。


探せば、どこかに、どこかにっ!


俺は探した。


そして、見つけたのだ……。



「ユーマっ!ユーマっ!!」



「なんだっ!この無礼者がっ!!妾にさわるでないっ!汚らわしい下民が!」



と、蹴り飛ばされてしまう。


馬に乗ったそいつは、どんどんと遠くに行ってしまう。


もう追いかけることなんて、できなかった…………。






俺は失ったのだ……。


愛していた、女の子を。


彼女は俺のことをどう思っていたかは知らない。


だが俺は、彼女を大切に思っていたし、愛していた……。


俺は失ったのだ……。






そして、いつの間にか俺はとある商人に誘拐され、今の暮らしをさせられていた……。


なぜ誘拐されたのかは記憶にない。


覚えているのは、何も感じない心のさみしさを埋めるため、あてもなく歩いていたことだけだ。


もしかしたら、その間だったのかもしれない。


しかし、その暮らしのなかで学んだ……。


弱い奴はダメなやつだ。


何も守れないんだ。


俺のように…っ!




今日、とある一人の少女が、俺に歯向かってきた。


その少女は、俺と同年代くらいだったが、めちゃくちゃ強かった……。


彼女は、目に涙を浮かべながら、俺に強く言った……。



「あなたは強くなんてないよっ!」



あぁ、そうだ。


俺は弱いんだよ。


女の子一人守れない…。



「本当に、本当に強くなって、その力を、守るのに使ってあげてよっ!ここにいる、小さな子供たちのためにっ!」



俺は、涙が溢れてきていた……。


こんなどうしようもない、弱い者いじめしかできない俺を、まだ見捨ててない、優しい少女がいたなんて。


うれしかった。


泣くしかできない。


ただ、それだけで、なぜか肩の荷が、いや、今までの負の感情が、なくなっていったような気がした……。


書いてる内容はとんでもなくシリアスのはずなのに、なぜこんなにあっさりとした文章になってしまうのか…。


あとで訂正加えます!

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