ANGEL BREAKERS

それは今から五十年前のこと。この世界に突如として超常の怪物が現れるようになった。
彼らの外見の特徴は一致していた。背中に翼を生やし、体表に光の輪を浮かべていた。
まさに天使のような外見だった。だがそれとは反対に、彼らの習性は凶暴そのものだった。

彼らは人智を超えた化け物だった。現代兵器すら凌駕する超常の力を操り、さらにはあらゆる生命体に対して無差別に攻撃する習性を持っていた。
その外見や凶暴性、超常の力を持つことから、後に彼らは『天使』と呼ばれ、恐れられるようになった。
天使は次々に各地に現れては虐殺を繰り返す。人類も応戦したが、彼らの超常の力には太刀打ち出来なかった。今では世界人口も十億人ほどまで低下し、人類の生存圏も半分以上が奪われた。
このままでは人類が滅びるのは言うまでもない。故に人類は厄災たる天使に対抗するべく、新たな手段と組織を作り上げた。

その組織の名は『対天使人類防衛軍』。魔装(エグゼクター)を武器に天使と戦う人間──『執行官』をメインに構成された、今の人類を支える最大最後の希望である。
これはそんな防衛軍に所属する一人の青年と、新たに入隊した一人の兵器少女が、仲間と共に紡ぐ人類存亡を懸けた物語。