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第4話
――――放課後。月豊は隣のクラスの前で夕夜を待っていた。
「あれ、月豊?」
「夕夜、聞いて欲しいことがあるんだけど……」
いつもなら夕夜の方から来る。
だから戸惑っている彼に、月豊は決意して言った。
――このままだと不安から抜け出せなくなって、前に進めないような気がしたのだ。
「何?」
夕夜は微笑して促した。
話は帰りながら聞いて貰うことにした。
帰り道を歩きながら、月豊は深く息を吸い、止め、そして吐き出してから悩みを打ち明けた。
「別にいいじゃん。悩んだって」
「――――え?」
話を聞いた夕夜が真顔で言って、月豊はそのあまりにもあっさりとした答えに驚いた。
「だってさー、俺だって将来何がしたいとかまだ考えてねーし思い付かねーもん。まだ時間あるしさ。……でも、俺は自分がしたいこととかやりたいことって、よーく考えたらぜってー見付かるって思ってるし」
「……本当に、見付かるのかな?」
不安そうに呟いた月豊を安心させるように、背中を夕夜は加減して叩いた。