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第2話
「しょうがねーなぁ。話す気になったらすぐに相談しろ。お前、何でもかんでも自分だけで解決しようって考え込むんだもん。いい答え出せなくても、話してみるだけで結構スッキリするぜ?」
「……うん、分かった」
月豊は頷いて顔を上げた。
「でも、夕夜が出す答えって不安だなぁ」
「……おい、月豊。それは何だ。俺が馬鹿だって言いたいのか?」
月豊は、ん? と微笑した。
「そんなことないよ」
「いや、言ってんだろ? 確かに俺は月豊に比べりゃ、成績はぐん、と低いけどさ……」
ブツブツと言い始める夕夜を見て、月豊は笑った。
先程の軽い仕返しのつもりの冗談だったのだが、予想通りの反応を夕夜がしたので思わず出た笑みだった。
夕夜はそんな月豊の様子に苦笑すると、自分のクラスに戻っていった。
夕夜が去ったあと、月豊はフッと笑みを消して、自分の机に伏せた。