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猫だらけ!
ミャー、ミャー、ニャー。ピンクのお家に入ると、ちっちゃなお目めがいっぱい。お屋敷のなかには子猫が二十匹くらい。でも、どの子も毛並みがきれいで幸せそうだ。三毛猫も黒猫も白い猫も。
入り組んだ廊下には物がいっぱい積んであって、通るのも大変。ランプやら熊の置き物やらをドレスで引き倒しそうになる。
ジェニー・キャロルは奥の部屋に座っていた。どこからか、やかんのピューピューいう音が聴こえる。膝の上には美人の白猫。ゴロゴロと喉をならしていた。
ジェニーは髪の短くて、栗色。蜂蜜色の瞳。唇にはなんだか奇怪な笑みが浮かんでいる。白い猫の細密画を描いたペンダントが胸の上で踊っていた。
猫柄のカーテンは閉め切られていて、部屋は蒸し暑い。
「それで、どんなご用件ですの?」
ジェニーが訊ねた。




