寝言は寝てから言えと言われたが寝ている間が寝言であって寝てからでは起きている事になるから成立してたんじゃないかとか考えてたら寝れなくなった
何がそんなに気に入らなかったのか、会議だというのに一方的な説明会に終わりそうな所へ「誰か意見は無いのか」と求められたので発言したまで。
勿論、私の意見は理想論で、その場で求められる意見ではなかった。しかし、あの場で誰も何も言わないのも空気的にどうかと思う。それに対して「お前、寝言は寝てからにしろ」で片付けるのは如何なものか。
アンタがそんなんだから、アンタの言う【お通夜みたいな会議】にしかならんのだろうが!
誰かしらが餌食になる会議という名の説明会。自分の意見以外は認めずプロジェクトごり押し、ミスは他人のせい、手柄は独り占め、チーム編成が落ち着かない上に現場の士気なんか上がりゃしない。見ろ!私に向けられた眼差しを!欲しくもない憐れみを!異動願いが受理されずこのチームに残り続けてしまっている俺の無駄な存在感を!
お陰様で終始イライラが湧いてくる。会議が終わっても、帰りに立ち呑み屋に寄っても、帰宅しても、熱めのシャワーを浴びても、床についても、沸き立つイライラは止まらない。
“寝言は寝てから言え”だと!寝てからって事は一度寝るって事か!会議中に居眠りこけってか!寝て起きて仕事行ってんだから寝てから言ってるわ!ちゅ〜か寝言ってのは寝ながら言うから寝言なんだわ!眠い事言ってんじゃねえぞ!
って、あの場で言えない俺はなんだ、情けない。明日こそ言ってやろう。聞く耳持たぬなら会議など開かずに貴方の責任でプロジェクトを進めてくれと。何かあった時の為の保険として会議を開きミスを擦り付けられたのでは身が持たぬのだと。チームが機能しないのは我々に根性が無いのではなく貴方に配慮が無いのだと。
明日こそ! ん?明日?
いやもぉ今日だな。あと四時間しか寝れないじゃないか、早く寝ないと起きられないかも。洒落にならんな。 “寝言は寝てから言え” って言われた次の日に寝坊は洒落にならん。
やばいやばい……
……やばいやばい!全然寝れない!
なんだよもぉおお゛あと三時間しかないじゃないか。くそぉおお゛目を閉じると鮮明に蘇るぞぉ、蔑んだ表情から 吹かれる “お前、寝言は寝てから言え” の声と、それに伝播する皆の眼差しが、憐れみがぁああ゛
寝れねえ!
あと二時間も寝れてられねぇじゃねぇか!
駄目だ、寝たら起きられない、絶対無理、電車も危ない、始発で座ったら寝過ごす、今から歩くしかねえ!
「おい、仕事中に居眠りとはィイ〜度胸だな」
「ん~寝言は……」