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前編


 冴えた赤とガーベラとチョコレートケーキ。図書室と植物園。これが私の好きなもの。


 フルーツの入ったショートケーキ。それからピアノに乗馬。これは苦手だったけれど、時間をかけて慣れていくことで好きになったもの。ただ、同じ好きでも元から好きなものと後から時間をかけて好きになったものは同じ好きでも超えられない壁がある。


 そしてピーマンと空気の読めない婚約者は嫌いだ。


 嫌いが好きに変わるのか。時間をかけて慣れていくことで好きになる。自分が選ぶことのできないものならば、そんな奇跡が起きたらいいなぁと切実に願っていた。

 

 けれど奇跡とは、滅多に起きないから物語になる。


「アメリア・コールデン、おまえとの婚約を破棄する!」


 ついにやらかした。アメリアの顔色は真っ青になる。


「ふん、顔色が悪いな。いつもの偉そうな顔と態度が台無しだぞ、アメリア・コールデン!」


 叫ぶな、目の前にいるのだから嫌でも聞こえる。アメリアの絶望にまみれた表情と心中を嘲笑うように婚約者――――ミシェル・ガイウスは口元を歪めた。


「何か言ったらどうだ、アメリア・コールデン! 衝撃的すぎて言葉を忘れたか!」


 そう何度も名を連呼するな、目立つから! 


「嫉妬に狂ったおまえが麗しきシシリー嬢をいじめたという証拠も証言もある。この恥さらしが!」


 背後にすごい美少女をかばっているけれど、その方がシシリー様でいいのかしら。ええと、はじめまして?


「あれだけいじめたくせに、いまさら初対面のフリをしても無駄です!」


 ええー、でも初対面の挨拶はこれでいいのよね。遅々として話が進まないので仕方なく視線を向けると、彼女はビクッと肩を震わせる。


「こわいですわー」


 いや、この状況を引き起こしておきながら平気な顔で立っていられるあなた達のほうがこわいわ!


「アメリア・コールデン、おまえがそんなふうに睨むから彼女がおびえてしまうのだ! ああ大丈夫だ、私の天使。この悪役令嬢から君のことは私が守ってみせる」

「ありがとう、ミシェル!」


 安心したように美少女の表情がゆるむ。そして頬を赤らめてそっとミシェルの腕に寄り添った。あらあら、容姿端麗なお二人が並ぶととってもお似合いだわ。優しい眼差しでシシリー嬢を見つめた彼は、私を睨んだ。


「そういうわけだ。アメリア・コールデンとの婚約を破棄し、私、ミシェル・ガイウスは運命の恋人であるシシリー・オルコットを婚約者に迎える!」


 婚約破棄はいい、でも空気は読め。全てが台無しだ。


 リンゴーン! リンゴーン! リンゴーン!


 予定時間どおりに祝福の鐘が三回鳴った。教会の扉が満を持して開かれる。本来なら歓声が上がって、色鮮やかなフラワーシャワーが降り注ぐはずだった。


「……」

「……」


 いくらなんでも結婚式にぶつけるのはダメだろう?


 険悪な雰囲気と、手に汗握る緊張感。誰もが声も立てられず、身動きできない。視線の先では、新郎新婦が固まっていた。ああ、新婦様。あなたの弟がやらかしました。一世一代の晴れ舞台に止めきれなくて申し訳ありません! 


「お父様、お覚悟を」


 よりにもよって今日なんだ。真っ青通り越して顔色が真っ白になった涙目の父がコクコクとうなずいた。ここ数年でさらに寂しくなった頭髪が数本、風にさらわれていく。さみしいというか寒い、もはや冬景色ね。恨むなら欲に駆られて娘の婚約を決めた自分の愚かさを恨んでください。そしてお母様、お任せください。望みどおり首とってきます。


 アメリアは婚約者のミシェル・ガイウスと、彼の運命の恋人であるシシリー・オルコットを視界に収めた。


「いいでしょう、婚約破棄承りました」

「罪を認めたな! ならばこの場でシシリーに謝罪と賠償金を」

「連れていけ」


 やってやったぜと鼻高々なミシェルの台詞をぶった斬ると、控えていた警備兵が手際よく二人を回収した。あっという間もなく捕獲された二人は、さらっと馬車に押し込められる。私は隣で呆然と見守っていた幼馴染の肩を叩いた。


「あとは頼みます」

「は、本気か⁉︎」

「本気も本気。適材適所、こういうのは得意でしょう?」

「いや、さすがにコレはない!」


 新郎新婦は意気消沈。もはや葬式のような空気の結婚式になっていた。心もちブーケの花がしおれて見える。しょうがない。アメリアはとっておきの手を使うため、柔らかな微笑みを崩さない執事(じいや)に合図を送る。


「準備万端、もうすぐです」

「さすが、じいやね。タイミングはかってたの?」

「年の功というものですな」


 ほっほと笑ったじいやの背後で、離れた場所からシュルシュルという音が上がる。


 パアン! 


 破裂音とともに、空に大輪の花が咲いた。空から色とりどりの紙がフラワーシャワーのように降り注ぐ。


「花火玉だ!」

「まあ花吹雪よ、きれいね!」

 

 参列者から歓声が上がった。この花火玉は特殊なもので、昼間でも楽しめるように光の代わりに鮮やかな色の小さな紙が降ってくる仕組みだ。特注品だけれど間に合ってよかったわー。


「じいや、あとは……」

「残骸の回収と、花火玉の支払いは旦那様に」

「ふふ、頼んだわよ」

「なんで、私に⁉︎」

「いってらっしゃいませ、お嬢様」


 頭を下げたじいやの後ろで、お父様の顔色が白を通り越して土気色になった。あの花火玉、特注品だしお高いのよね。うちの経済力を考えて一発にとどめておいたのは私の優しさよ!

 アメリアは振り返ると降り注ぐフラワーシャワーならぬ紙吹雪を呆然と見上げていた幼馴染の肩を軽く叩いた。


「さ、出番よ」

「ったくもう、いつもいつもおまえは……、結婚、おめでとうー!」

「結婚おめでとうー!」


 なかばやけくそになった幼馴染がでっかい声で叫び、盛大に花びらをまく。そして後に続くようにアメリアが花びらをまくと、声が届いたようで新郎新婦はようやく笑みを浮かべた。二人の音頭に引きずられ参列客が口々に祝福の言葉を口にしながら花びらをまく。花吹雪が散る中を良い香りのする花びらが舞うと神秘的で幻想的な雰囲気だ。なんとなく場が盛り上がったのを確認して、アメリアは背を向けた。


「もういくのか?」

「ええ、後始末があるの」


 ドナドナされた二匹の哀れな子牛にトドメを刺さねば。ふふふ、覚悟してなさいよ。


「気をつけて」


 キョトンとした顔で振り向くと幼馴染が心配そうな顔でアメリアを見つめている。アメリアは困った顔で笑った。昔から変わらず、口は悪いけれど優しい人なのよね。


「ありがとう、友人として私を心配してくれるのはあなただけよ!」

「やり過ぎなければいいなと」

「そっち⁉︎」


 はて、やりすぎとは一体どのことやら。心当たりがありすぎてアメリアは視線を泳がせる。まあ、いまさらよね。そう思い直して軽やかに手を振り、会場を後にした。


 で、その一週間後――――。


「いらっしゃい、待ってたわよ!」


 優雅に紅茶を堪能していた午後のこと。案の定、幼馴染が突撃してきた。さすが付き合いが長いだけに標準処理期間まで把握しているわけね。


 では、真相やいかに。


「婚約破棄詐欺……ってなんだそれ?」

「ひらったく言うと、婚約を破棄されたくなければ金払え詐欺ね」


 仕組みは簡単だ。運命の恋人を騙る詐欺師が婚約者に不満のある人物に近づいて、婚約を破棄するようにそそのかす。それで婚約破棄を回避したい家から手切金を巻き上げるのだ。


「手が込んでるな!」

「使う相手は貴族限定だけどね」


 貴族の婚約は政略であることが多い。家同士の繋がりや、付随して利権を求めるもの。つまり果たすべき義務、役割ということだ。ただ、そうと割り切れる人ならいいけれど、当然のことながら心が伴わないことを嘆く人もいる。その弱みにつけ込んで、運命の恋人役の男性や女性が甘い言葉を囁いて彼らを自分の虜とするのだ。そしてターゲットは婚約者よりも運命の恋人を愛するようになると。


「ここで()()()()が登場するというわけよ」


 運命の恋人は、婚約よりも真実の愛がどれだけ重要かを繰り返し囁いて、洗脳する勢いで刷り込んでいくのだ。そして最終的にターゲットが婚約を破棄するように仕向けていく。


「で、破棄するときのネタに使われるのが、婚約者のいじめや嫌がらせということか」

「相手の価値を下げて、自分の価値を上げる。常套手段ということは一定の効果が見込めるのでしょう」


 そして思考を完全に支配したところで婚約を破棄させるのだ。

 婚約者のミシェル・ガイウスと、彼の運命の恋人であるシシリー・オルコットのように!


「貴族は醜聞を嫌うからなぁ、できる限り隠そうとするだろう」

「シシリー・オルコットの証言によると、劇的な演出に便乗するほうがうまくいくらしいわ」


 人前で派手にやらかすほど動く金額が大きくなるとか。こわいわー、あの美少女が。


「普通なら、まずはガイウス家との話し合いになるでしょう。当然、ガイウス家は婚約破棄を避けたいからシシリーに相応の額の手切金を払って手を切らせようとする。で、シシリーも拗らせて命を狙われるのは避けたいから、多少ふっかけて金額に折り合いがつけば潔く手を引くわけよ」


 交渉が成立してシシリー(運命の恋人)が姿を消せば、ミシェル(ターゲット)は騙されていたことに気がつき、嫌でも現実に引き戻される。

 そして正気に戻ったターゲットは、最後まで自分を見捨てなかった健気な婚約者の元へと喜んで……かどうかは人によるが、まあ無難なところで帰っていくのだ。雨降って地固まる。危機を乗り越えて婚約者同士の絆が深まることもあるかもしれない。


 でもね、詐欺ダメ絶対!


「結局は貴族なら金で解決するからと、甘くみられているのよ」


 しかもこれ以上は醜聞になりたくないので被害者側は揃って口をつぐむ。金を積んで目撃者を口止めすることもあるそうで、確たる証拠もなければ、証言もとれない。被害の噂程度はあっても、それだけだ。


「それでアメリアの出番ということか」

「そういうこと」


 アメリアとミシェルの婚約は父親が目先の利益に目がくらんで結んできた。領地から王都へ荷を運ぶ際に、交通の要所となるのがガイウス家の領地。通行料を無料にしてもらう代わりに、どうしようもない嫡男との婚約を結んできやがった。タダほど高いものはないというのに。結果、ドヤ顔で帰ってきた父を家族総出で袋叩き。婚約に至る経緯とか、契約内容とかを聞き出したところで家族全員で天を仰いだ。人柄がいいというだけで、こんなにもダメダメな人だったとは。


『お父様はアホですか』

『不良債権掴まされて。父上はアホですね』

『あなたのちょっとアホなところがかわいいのだけれど、今回はないわね』


 家族に精神面をフルボッコにされて、父は意気消沈。だが契約は契約。ガイウス家は文武両道でしっかり者のアメリアがよほど欲しかったらしく、蟻の子一匹逃さない完璧な契約だった。しかもご丁寧に、こちらから婚約を解消できないようにコールデン家にとって不利な条件までついている。婚約を解消するには莫大な違約金を支払わなければならないし、私がガイウス家に婚約破棄された場合にも巨額の賠償金が発生するなんて鬼畜の所業と呼ぶ以外ないだろう。


 詰んだ、コールデン家を失うわけにはいかない。


 というわけでアメリアは悔し涙を呑み、愛のない結婚は貴族の娘の義務と心得て、持ち前の根性だけでガイウス家の施す厳しい当主教育と当主夫人の教育的指導という名の嫌味にも耐えてきた。使い潰す気かというくらいの仕事量だったから、事前に打てる対策はとってきたけれどそれでもギリギリだ。

 そこからかれこれ、五年。アメリアが学院を卒業すると同時にミシェルとの結婚式が行われる。


 さて、嫌いは好きに変わるのか。少なくともアメリアには無理だった。


 そもそも婚約者が他家の業務を処理するなんて普通あり得る⁉︎ 義務さえ果たせば自由にしていいはずなのに、当主の仕事の代行やら、領地の視察の同行といった雑務で自分のための時間すら削らないと終わらない。


「五年も隣にいれば相手に情が湧いて好きになれるかも、とかなんとかアホが適当なことを言ってたけれど、とんでもない。当主の仕事は丸投げする、金遣いは荒いうえに面倒ごとを起こして仕事増やす。これじゃあ殺意しか湧かないわ。それで、なんとかならないかなって水面下で模索していたわけよ」

「そこに捜査機関は目をつけたのか」

「そういうこと」


 捜査機関の人間からすればミシェルという鴨がネギ背負っているようにしか見えなかったらしい。なんで今まで被害にあわなかったのか不思議なくらいだ、と。それはもちろん後始末に翻弄されるのを恐れたアメリアが詐欺の鴨にされるネタをことごとく潰してきたからだ。そのことに気がついた彼らはアメリアに取引を持ちかけた。


 めざせ、現行犯逮捕。


「組織が拡大しているのですって。これ以上巧妙化するまえに、ここらで一網打尽にしたいと」

「だからあえて手を出さず、ミシェルを釣りあげてもらったわけか」

「そうよ。手伝ってくれたら国家権力で婚約を破棄させてくれるというのだもの――――しかも、ミシェル有責で!」


 違約金のせいでアメリアからは婚約を解消できないし、こちら有責で婚約破棄された場合にも賠償金が発生する。ただ唯一の逃げ道がミシェル有責の婚約破棄だった。


 ええ、お話をもらったときに手伝う以外ないと思いましたよ。だって何もしない、それだけなんだもの。それであの雁字搦めの契約書から逃げられるのだからお安いものよ! 

 一応、万が一にも手のひらを返されないように国と契約書を交わしておいたが、きちんと約束を履行してもらえたからよかった。アメリアは胸いっぱいに大きく空気を吸い込み、両手を天に突き上げる。


「というわけで、晴れて自由の身よ。ざまあみなさい!」

「お嬢様、はしたないですぞ」


 はしたないと言われてもかまいません。アメリアとミシェルの婚約はすでに解消され、コールデン家は無傷のまま、違約金も賠償金の支払いも発生していない。

 ああ、紅茶がおいしい。じいやが微笑みながら新しい紅茶に入れ替えてくれる。アメリアはお茶菓子のチョコレートに手を伸ばした。


「晴れて自由の身ということは、騎士団に戻るのか?」

「ええ、早速午後から復帰するわ。泣きつかれたのよ、この時期は特に手が回らないらしくてね」


 世間ではアメリアを文武両道だと評する。なぜならアメリアは貴族令嬢であり、騎士でもあったから。幼いころから憧れて、鍛錬を積み重ねようやく夢をつかんだ。そんな矢先にあのくだらない婚約が決まったのだ。ガイウス家がアメリアに目をつけたのは、騎士として経験を積んだ彼女なら、有事の際は当主(ミシェル)に代わって対処できるだろうという思惑もあったかららしい。


「当主の仕事には領地の治安維持も含まれるからな。とはいえ領の兵士を率いて野盗まで狩らせるなんて、どれだけ働かせる気だったのか」


 ほんと、ほんと。一人何役やらせるつもりなのよ。全くもって迷惑な話だ。


 ガイウス家の思惑もあったので騎士の職は辞めずに済んだけれど、上級騎士への昇格を『自分より目立つのは許せない』というミシェルのワガママであきらめなくてはならないときは本気で辞めようかと思った。迷惑かけるし、中途半端は良くないからね。それでも女性騎士の数が元から少ないので重宝されているのもあり、幼馴染みを中心に周囲がうまく調整してくれたおかげでなんとか通常業務をこなせている。ちなみにミシェルとシシリーを捕獲した警備兵は現役の騎士で、アメリアの部下である。


「本来ならミシェルが行うはずだった領地運営から治安維持に社交まで全部アメリアに任せきりで、アメリアに何かあったらどうするつもりだったのか。アイツら正気とは思えないな」

「というよりも、ミシェルが本当にびっくりするくらい何もできなかったからねー」


 勉強は嫌い、剣は野蛮で痛いからイヤ。芸術関係も興味はないから、できるのはおいしいものを食べて、着飾って、ダンス踊るくらいかしら? 社交も当主の仕事だけれど、社交性はあっても空気読めないからね。問題を起こしてくるか、問題をお持ち帰りしてくるかの違いだったから積極的に動かれるとこちらが困る。


「兄弟でもいれば違ったかもしれないけれど、比較対象がいなかったせいで余計に甘くなったとか」


 女の子が生まれたあとの待望の男の子で、しかも後継者だ。唯一まともに育った元義姉様曰く、両親も周囲も溺愛の加減がわからなかったらしい。しかも何もできない代わりに、あの男は見た目が極上だった。小さいころは、まさに天使かというくらいの愛らしさだったそうだ。たしかに顔合わせしたときにはアメリアも凄まじい美貌だと感嘆したものだが、感動したのはそのときだけだった。いくら顔が良くても無理なものは無理。態度だけは偉そうなのに、勉強も仕事も何もできなかったのよ。


 結局のところ、何もしなくても許されてきたから何もできなくなってしまったのよね。そしてできないことを素直に認めるにはプライドが高すぎる。見当違いな理由で恨まれる側は災難だわ。アメリアの脳裏にミシェルとのやりとりが浮かんだ。


『なんでこんな嫌がらせじみたことをしたのです?』

『おまえのことが嫌いだから。きれいでもなければ、かわいらしくもない。口調はいつも偉そうだし、歳下のくせに意見するなんて生意気だ。褒められて調子に乗っている姿を見ると余計にムカつく』

『そこまで言います?』

『なんでもできるからって、調子の乗ってるいけすかない奴。困らせてやりたくて、おまえ有責で婚約破棄しようと思った』

『……』

『そもそも嫌いになる要素しかないのに好きになるわけがない』


 ミシェルが吐き捨てた台詞にアメリアは目を見張った。彼とは一生わかり合えることはないと思っていたのに。


『奇遇ですね、私もそう思います』

『次に婚約者とするなら、何もできなくていいから従順で愛嬌のある娘がいいな』


 両親のおせっかいには困ったものだと、ミシェルは薄笑いを浮かべる。表情を変えないようにアメリアはキツく唇を噛んだ。彼女を傷つけたい彼が次に何を言うかなんて簡単に予想がつく。


『おまえなんて、もういらない』


 

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