あなたのシアワセを祈ってもいいの?
「もういっそ、死んでくれたらいいのに」
「え……?」
いつものように髪を梳かす侍女アニスの手が止まり、私はハッと我に返る。
そして気がついた。心の声が漏れてしまっていたことに。
鏡越しにアニスと目が合う。
思わず自分の歳や立場を忘れ、はにかむように苦笑してみせる。そんな私の顔を見たアニスは残念そうに目を伏せた。
(そうよね……公爵家の女主人がこんな情けない顔をしていたら呆れもするわよ)
彼女は公爵家の有能な侍女だ。今の言葉を外部に漏らさないとは思うがきっと彼には伝えるだろう。
今現在、公爵家での私の扱いを考えれば、当然のこと。私の味方など一人もいない。
結婚して十七年。
昔は愛していたはずなのに。そして愛されていたはずなのに。
いつから私はあなたの死を望むようになってしまったのだろう――。
十六歳で社交界デビューをした、その日。私は運命の人に出会った。
そう、一目で分かると誰かが言っていた。ビリビリと体中を電気が走り抜けるような感覚だと。ある人は雷に打たれたような感覚だと。
まさに私もそうだった。
――『この人だ』と。
見つけてしまったのだ。前世で夫だった人を。
まさしく雷に打たれたような感覚だった。彼と目が合った瞬間に前世の記憶が溢れてきた。
その時の私はきっととてつもない顔をしていただろう。私の瞳に映る彼の顔が見る間に驚きの表情に変わり、彼は私に駆け寄って来た。
「突然、失礼。顔色が悪いようですがいかがなさいましたか。あなたの家の方はいらっしゃいますか」
左右に視線を送り、私の付添を探す。
「大丈夫です。ご心配、ありがとうございます。近くにおりますのでどうぞお気になさらないでください」
「しかし……」
私は彼にニコリと笑ってみせ、浅く礼をして去ろうとした。
もう二度と――もう二度と、あんな想いをするのは嫌だから。
生まれ変わった今世まであの夫に苦しめられるなど、考えたくもない。
◇
『そんな靴、履いてくるのが悪いんだろ』
履き慣れないヒールの靴で駅の階段を踏み外し転んだ私に彼は冷たい表情で言い放った。
私は苦笑いして立ち上がる。膝には少し血が滲んでいた。
今でない時、この世界でない場所。前世の記憶の中の彼。
子どもが生まれてから彼は変わった。
昔のような優しさも気づかいもなくなり、年々会話も減っていた。
もちろん私も変わったのかもしれない。
子どもたちを育てるので手一杯で余裕なんてなかった。けれど彼に対して優しさも気づかいも忘れなかった。少しでも返ってくればいいなと期待した。
仕事も変えた。子どもたちを育てるため、保育園に近い職場の短時間労働へ。熱を出してもすぐにお迎えに行けるように。
動きやすい靴しか履いていなかった。ここ何年も。昔はヒールの靴で足がパンパンになるまで歩き回れたのに。
子どもの行事で久しぶりに履いたヒールの靴は私の足に悲鳴を上げさせた。
彼の冷たい視線を受けながら、顔には苦笑いを浮かべながら、心の中で泣いた。
――なぜ『大丈夫』と手を差し出してはくれないの?
『しょうがないなぁ。ほら、手をかして』
呆れたように、でもニッコリと優しく笑いかけてくれたあなたはどこにいってしまったの?
私があなたに何をしたの? なぜ変わってしまったの?
『離婚、してほしいの』
『はぁ?』
子どもが高校に進学したのを期に離婚を切り出した。
『あなたはもう私に愛がないでしょう? 辛いのよ。家の中にいても仕事から帰れば、ご飯を食べてすぐに部屋にこもってしまって、会話もないじゃない。子どもたちが自立したら、私と一緒にいる意味なんてある?』
最近は視線すら合わせていない。必要なことはメッセージでやりとり。
家政婦のような扱いと仕事が正社員でないことに、今の社会のことを何も知らないといつも上から目線で私の考えや意見を鼻で笑う。
そんな人と老後も一緒に過ごすのかと思うと、ゾッとする。
『そのつもりだけど』
『え……? 愛情もなく優しくもできない相手と一緒に過ごしていくの? 死ぬまで?』
私は嫌だ、まっぴら御免だ。
私の前世の記憶は、ここでプツリと途切れていた。
彼がその後、何を言ったのか。私は彼と別れることができたのか。その記憶は戻らなかった。
結婚して十七年後のことだった。
◇
「やはり心配です。家まで送らせてください」
私はサーッと血の気が引くのを感じた。
けれどそれに気づかれたら余計に断れなくなると顔に微笑みを貼り付けた。
「ご心配には及びません。失礼いたします」
先ほどより丁寧にお辞儀をして、背を向けた。そして振り返らずに歩き出す。できる限り軽快に。私は元気ですよ、と後ろ姿でアピールするために。
「いかがなさいました? お嬢様」
馬車の手入れをしていた御者が一人で戻ってきた私を不思議そうに見つめた。
「体調が悪くなったから帰りたいの。でもお父様が見つからなくて……」
一緒に来た父とは挨拶回りをしているうちにはぐれてしまっていた。一人でいたところ彼と会ってしまったのだ。
「かしこまりました。気がつけず、申し訳ございません。旦那様には言伝いたしますのでご安心ください」
屋敷に着くと医師が待ち構えていた。どうやらこちらにも先触れしていたらしい。しがない伯爵家だが家に遣える者たちは優秀だ。――何人がどこにいたのか把握出来ていないけれど。
「初めての夜会で緊張されたのでしょう。極度の緊張からくるストレスでございますね。今日はゆっくりお休みになられてください」
白ひげを柔らかく一撫ですると医師は優しい笑顔を浮かべた。幼少期からずっと診てくれている伯爵家の主治医だ。まるで親戚のおじいちゃんのようでホッとする。
そんなほわりとした夜が明けると、一変した家の慌ただしさに飛び起きた。
「どうしたの?」
「お嬢様。起こしてしまいましたか、申し訳ごさいません。しかしそろそろお嬢様にもお支度をお願いしようと思っていたところでございました」
「支度?」
今日は何か予定があったかしら、と首を捻ると身支度を整えるためにやってきた侍女ハンナが答えをくれた。
「公爵様がいらっしゃるそうです」
「公爵様?」
公爵家がしがない伯爵家に何の用があるというのか。それも親同士なら分かるが私も身支度する必要があるというのは……まさか――。
父に呼ばれ、通された部屋の中に足を踏み入れた瞬間、私は目を見開き固まった。
「そちらがシアラ嬢か?」
威厳のある容姿に低く冷たさを感じる声。整った顔は口角さえ上がっていない。
この国の公爵家の一つであるミストラル家。その当主の冷淡な態度に私の身が萎縮したわけではなかった。
その隣でわずかに口角を上げた『彼』が目に飛び込んできたからだ。
昨夜出会ったばかりの、『元夫』が。
私は慌てて淑女の礼をとる。
「構わない。顔を上げてくれ」
なるべく瞳を合わせないように俯き加減で背筋を正した。
「ウェイド伯爵。昨夜も話したが、シアラ嬢とミストラル公爵家嫡男であるアドウィズとの婚約を結びたい」
(嘘でしょう? 昨日の今日で? 一体、いつそんな話が……)
私の顔にチラリと視線を向けたミストラル公爵はわずかに目を細めた。その隣にいる彼は昨夜と同じ、心配そうな顔をしている。
心の中の想いを顔に出してはいけない。
この世界での貴族は位が高くなるほど、そう教育される。
その点では二人とも不合格だ。昨夜、すでに社交界デビューをしたというのに。
ミストラル公爵が大きくゆっくりと息を吐き出した。私も彼もピッと背筋を伸ばし真顔を繕う。
「良き御縁に感謝いたします」
ピリついた空気を緩めたのは父の柔らかい声だった。
「お父様……!」
思わず隣の父をすがるように見つめた。父は私と目を合わせると少しだけ口元を動かした。
(後で――話そう)
そう、言っていた。
◇
「仕方がないのだ。分かってくれるか」
そんなこと、分かっている。
この世界に自由な結婚など求められないことも、ましてや爵位が上の家からの縁談など断れるはずもないことも。
けれど、なぜよりによってあの人なの?
あの人以外であれば、他の誰でも構わなかったのに。
唇を噛み締めて俯いた私に、父は困ったように眉を下げた。
「そんなに嫌なのか? アドウィズ卿が。品行方正な青年だと聞いているよ。何が不安なのだ?」
私は理由を言えず口ごもる。
まさか前世の夫で辛い結婚生活が待っているからとは言えない。分かってもらえるはずもない。
確かに品行方正はそうなのかもしれない。真面目な人だった。浮気はせず、まっすぐ家に帰ってくる人だった。
ただ毎日の、ほんの少しの気づかいもない生活は、少しずつ私の心を壊していった。
『ありがとう』『ごめんね』『いってきます』『ただいま』『いただきます』『ごちそうさま』
そんな些細な言葉さえ、言ってくれなくなっていた。
自分が働いた金で生活する寄生虫。
それが彼の中での私だった。もはや『家族』でも『人』ですらもなかった。
それなのになぜ一緒にいる必要があったのだろう。――ああ、もう! 本当になぜあの後の記憶が戻らないのだろう!
◇
「私、とてもわがままなのです」
「構いませんよ」
「何をやるのもすぐに飽きてしまって。公爵家の女主人など、私には務まりませんわ」
「心配いりません。私がお支えしますから」
どうにかして嫌われようとしてみるも、ことごとく潰されてしまう。
「わっ、私は……! あなたを愛することはできないと思いますわ!」
私の気迫に押され、彼は目を丸くした。そして瞬きを数回すると、ハハッと笑った。
「これから長い時間をかけてゆっくりと想い合っていきましょう」
ねえ、それ……信じてもいいの?
同じことを繰り返さないと誓えるの?
その手を取っても、いいの?
◇
「そんな靴、履いてくるのが悪いんだろ」
デジャヴか。
子どもたちが学園の寮に入り、久しぶりの社交界で階段を踏み外し転んだ私に彼は冷たい表情で言い放った。
既視感のある光景に思わず苦笑いする。
私を見下ろしている彼の冷えた視線を受けながら一人で立ち上がろうとした、その時。
「お怪我はありませんか?」
サッと差し伸べられた手をたどり、私は声の主を見上げた。
「え……?」
そこにいたのは――いつも身支度をしてくれる侍女アニスとよく似た顔の紳士だった。
「医務室にご案内いたします。奥様はどうぞこちらへ。旦那様はご挨拶もございますでしょうから、このままこちらにいらしてください」
彼はフンと鼻で息を短く吐くと、昔見た先代公爵のような冷淡な態度で私にくるりと背を向け去っていった。
差し出された手を取り、立ち上がると膝にズキリと痛みが走る。顔に出さないように引かれるまま歩き始めた。
会場を出たところで紳士は手を離すと私の側にかがみ込み、フワッと持ち上げた。
「えっ? えっ!?」
これは――お姫様抱っこ!!
突然抱き上げられて慌てふためく私に、紳士はクスリと笑った。
「シアラ様。膝をかなり傷めていらっしゃいますよね?」
「なっ、何で……」
「すべてご説明いたしますので」
そう言ってある部屋の前でピタリと止まり、扉を器用に開ける。
応接間のような造りの部屋のソファに私をそっと降ろすと、紳士は奥の棚から小瓶の一つを手に取り、引き出しからまっさらな布を取り出した。
「膝を診させていただきます」
主治医のおじいちゃんではないことに少々抵抗はあったけれど、有無を言わさぬ雰囲気にそろそろと裾をたくし上げた。
思いがけず真っ赤に腫れ、少々擦れて出血しているのを見て、目を見張った。こんなに酷かったとは……自分でも予想していなかった。
目をシバシバさせている間に手際よく消毒と包帯が巻かれていく。
「どうかそのままお聞きください」
その紳士は動かす手を止めることなく、私の膝に目を向けたまま口を開いた。
「あのお言葉はシアラ様の本心ですか?」
「あの、言葉……?」
彼に何か言ったかしら?
私が首を傾けると、紳士が手を止めた。
「『もういっそ、死んでくれたらいいのに』」
「え? なぜ……あなたが、それを?」
あの場にいたのは侍女アニスひとり。
公爵家に遣える侍女だからアドウィズの耳には入るだろうと思っていたが――彼は一体何者? アニスとはどういう関係なのだろう?
彼は手を止めたまま私と視線を合わせた。
「まだ気づきませんか?」
私は首を反対側に傾けた。
「私の名は『アドニス』でございます」
そう言われても……ピンと来ない。
「私の名は『アドニス』であり、『アニス』ではありません」
「え? はっ?」
戸惑う私に畳み掛けるようにアドニスは否定の言葉を並べる。
「ちなみに侍女ではありません。まあ、ご覧の通り中性的な容姿ですのでお側にいることは簡単でしたが……ちなみにデビュタントの日の御者も私です」
「……へっ?」
もう頭がついていかない私に、アドニスは呆れたようにでもニッコリと優しく笑いかけた。
「私は特殊な家柄の出身でして。特に『輪廻』を司っております」
「輪廻……」
「ええ。あなたが特殊な『輪廻』の中にあるのを感じたため、側で様子を見させていただきました」
前世でも聞いたことのある『輪廻』という言葉に、混乱していた思考が徐々に落ち着きを取り戻してきた。
「『輪廻』って、生を繰り返すことよね?」
「ええ、おっしゃる通りです」
「私が特殊って、どういう意味?」
アドニスは考えるように顎に手をかける。
いつの間にか手当ても終わり、捲られていた裾は下ろされていた。
「一つの生をまっとうせず強引に繰り返している状態、といったところでしょうか」
強引に? 一体、なぜ?
私が訳が分からないというように小さく首を振るとアドニスはソファの隣に腰かけながら続けた。
「ウェイド伯爵家にいた時には分からなかったのですがミストラル公爵家に来て、その理由が分かりました」
「あの、その理由って?」
「アドウィズ様です」
私はゴクリと息を呑んだ。
「もしかしたらシアラ様には前世の記憶がおありなのではありませんか?」
貴族なのに取り繕うことを忘れた顔がアドニスの瞳に映る。
「彼は幸せだったのでしょうね。あなたと一緒になって」
「え……?」
「あなたの死を願うほどに愛していた。手離したくなかった。輪廻の呪いをかけてでも」
そんなはずはない。私は彼に愛されてなどいなかった。
私は大きく首を左右に振った。
「だから彼は知らないうちにあなたのシアワセを祈ってしまった」
「シアワセ?」
幸せを祈っていたら、こんなことになっていない! どう考えても今の私は幸せなんかじゃない!
「そうです。死を合わせて、永遠に繰り返すように」
「『死』を合わせる? 永遠に繰り返す? もしこの世界での生が終わっても、また生まれ変わってあの人と一緒になるの? そんなの、嫌よ!! 彼はどうして私にこだわるの? 愛してなんていないくせに!」
「確かにそうですね。彼が愛しているのは、あなたではない」
「え……それならどうして?」
「あなたを愛しているという自分を愛しているのですよ」
ガツンと頭を殴られたような感覚。
そういえばそうだった。いつも。
共感してほしかったり、単純に話を聞いてほしかったりしただけなのに、いつの間にか『彼』の話にすり替わっていた。マウントとりは当たり前。モラハラしかり。
前世でも、今世でも。
それがこれからも永遠に続くの?
私の頬に一筋の滴が伝う。一度溢れてしまった滴は留まることを知らず、次から次へと流れ落ちる。
アドニスがそっと私の両頬を包み込んだ。
向かい合った状態で瞳を合わせると、ぼやけたアドニスの顔が優しく微笑む。
「シアラ様はどうしたいですか?」
「わっ、私は……」
彼はきっとまた同じことを繰り返す。人ってそう簡単には変わらないもの。どんなに伝えても伝わらない想いはある。
でもこの世界でこの状況をひっくり返す術を思いつかないのも事実だ。
「もういっそ、死んでくれたらいいのに」
そして、永遠に繰り返すといいわ。
私があなたに死合わせを祈るくらい心が壊されたのだもの。あなたも繰り返すべきよ。
そして、思い知るといいわ。
相手を幸せにするという意味を。永遠に繰り返す輪廻の中で。ただし私はもう二度とあなたの相手にはならないわ。
私があなたのシアワセを祈ってあげる。
せっかく生まれ変われたのだもの。今度は私があなたに呪いをかけてあげる。
相手を幸せにするまで、自分が幸せにはなれないという呪いを。
「では、あなたにかけられた『輪廻』をアドウィズ様にお譲りしましょう」
ふわりと眩い光に包まれると、そっと目を閉じた。身体の中に巣食っていた雨雲のような靄が晴れていくのを感じる。
光が収まると目の前にいるアドニスの服装が変わっていた。
私が不思議そうに目を瞬かせるとアドニスは両手を頬に置いたままクスクスと笑った。
「これからも末永くよろしくお願いいたします。私の奥様」
「う、ん……?」
涙で崩れた化粧を直し、先ほどよりも上質な服を身に纏ったアドニスに手を引かれて会場に戻ると、彼を見た人たちが挙って挨拶にやって来る。
「ミストラル公爵家は安泰ですな」
「あの方が後継者なら問題あるまい」
「あんなに夫人に寄り添って……仲睦まじいですわね」
聞こえてくる声の内容に一体どういうことかと説明を求めるように隣を見ると――前世を含め、私が一度も見たことのないとろけるほどの笑顔が飛び込んできた。
そのあまりの破壊力に言葉を失う。
「ミストラル公爵家当主アドニスでございます。先ほど言いましたでしょう? 末永くよろしく、と」
「ど、どういうこと?」
アドニスは周囲に聞こえないように私の耳に口元を寄せた。
「私がアドウィズになったのですよ」
「へっ? いやいや……そんなまさか!」
「私が夫では嫌ですか?」
「いや、その嫌じゃなくて……」
ガックリと大袈裟なほど肩を落としたアドニスに慌てふためく。
「では構いませんよね? 良かった!」
ガバッと顔を上げてアドニスはキラキラとした笑顔を振りまいた。
私は絆されそうになるのをグッと我慢して湧き上がった疑問を投げかけた。
「そうじゃなくて! アドウィズはどうなったのです?」
ああ、と少し低めの声を発するとアドニスは宙を見上げた。
「あのお方は違う世界でシアワセになっていると思いますよ。――永遠に、ね」
ああ、私がそう、望んだから……。
ほんの少しズキリと胸が苦しくなる。
そんな私に気がついたアドニスはふわりと抱き寄せた。
「だから、私たちも幸せになりましょう! 私があなたを幸せにしてみせます。ずっと側であなたを見守ってきましたから。やっと……これからは心のままにシアラを甘やかせます」
今までかけられたことのない優しく穏やかな言葉と仕草に戸惑う。
「あの……お手柔らかにお願いします……」
この幸せがいつまで続くかは分からない。
でも私は祈るわ、愛するあなたの幸せを。
ご覧いただき、ありがとうございます!
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