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おまじないにお願い

作者: バズ

願いが何でも叶うとしたら

あなたはどうしますか?

もしそれが大きなリスクをおう

方法だったら…?

《まじない工房》

このサイトに願い事を書くと

それを叶えてくれるアプリをくれるというサイト、

子供たちの間でそのサイトが

密かに話題になっていた。

「ねぇ、3組の飯野さんの噂聞いた?」

「まじないアプリで他人(ひと)

彼氏を奪ったってやつでしょ?」

「今骨折で入院しているのは

その報いを受けたんじゃないかって」

「それ、割に合わなくない?」

このサイトを使うのは女子だけでじゃない、

「お前、それ使うのか?

願いと引き換えに不幸が起きるって」

「それ噂だろ?

起きないやつもいるらしいし大丈夫だよ」

〈使うと願いがかなうのと引き換えに不幸になる〉

まじないアプリにはそんな噂が付きまとっていた。


バッシャア!

人が入っているトイレの個室に

上から大量の水が投げ込まれた、

個室の外にいる三人組が笑いながら出ていくと

個室の中にいた少年が出てきた

彼はさっきの3人に無理矢理個室に閉じ込められ

水をかけられかたのだ

しかしこれはまだマシなほう、

彼はこの半年学校にいる間

ずっと彼等にいじめられ続けている。

やめてと言ってもふざけるだけで

まともに聞いてくれないので

やめるまで耐え続けてきたが、

一向にこの地獄が終わる気配は無い。

体操着入れを取りに教室に戻ると

あいつらがこっちを見てニヤニヤ笑っていた。

彼らを無視して体操着入れを持って着替えにいった

「あいつら毎日毎日毎日毎日…

もう限界、耐えられない!」

そう言うと体操着入れからスマホを取り出した

奴らに見つかったたら

新しいいじめのネタにされかねないので

隠していたのだ。

〈あのサイト〉へアクセス

『まじない工房へようこそ、

あなたの望みを叶えるアプリを提供いたします』

受付嬢がにこやかにそう言った

『あなたの望みはなんですか?』

彼女がそう言うと入力するところが現れた

「俺が欲しいのは…」

[俺をいじめる奴らを殺したい]

そう入力し決定ボタンをタップ

するといきなり受付嬢の顔が暗くなった

『お待ちください』

待つこと1~1分半

『お待たせしましたご注文のまじないアプリ

level5〈呪殺〉です』

画面におどろおどろしいドクロのアイコンが現れた

『このアプリを使うにはあなたの人生にとって

すごく大事なものを失う覚悟が必要です』

〈このアプリを貰いますか?〉

〈はい〉 〈いいえ〉

迷わずはいをタップ

『では〈呪殺〉をお持ちください

またのご利用をお待ちしております』

ホーム画面に戻ると

さっきのアイコンがあった、

手早く着替えて教室の前まで戻ると

早速アプリを起動する。

『まじないアプリは1度しか使えません』

スタートをタップ

『ターゲットを全員を画面に収めて

ボタンをタップしてください』

3人共画面に収まってるのを確認してボタンをタップ

その場を離れてものかげに隠れた

誰にも見られたくない。

『画面内のターゲットを全員タップし

終わったら決定をタップ』

画面の中のあいつらをタップして決定をタップ

『実行するとあなたは人生にとって

非常に大事のものを差し出すことになります

それでもいいですか?』

〈呪殺を実行しますか?〉

〈はい〉 〈いいえ〉

(はいに決まってるだろ)

はいをタップ

〈本当に実行しますか?〉

〈はい〉 〈いいえ〉

(はい)

〈今なら引き返せますよ本当に実行しますか?〉

〈はい〉 〈いいえ〉

(しつこい!)

はいをタップすると

ドクロの描かれた赤いボタンが表示された

『では相手への殺意を込めて

ボタンをタップしてください

殺意が一定以上あれば作動します』

(殺意………)

言われるまでもなく殺意は湧き上がっている。

(あいつらさえいなくなれば

あいつらが消えれば

あいつらが死ねば

平穏な生活に戻れる!)

迷いなくボタンをタップ!

すると画面が赤くなり

『作動しました、ターゲットは3日後に死亡します』

画面が消え自動的にホーム画面に戻ると

画面から呪殺アプリは消えていた。

「これで平穏な生活が帰ってくる!

そう考えれば3日ぐらい耐えられる」

その後

〇カバンの中身を校庭にばら撒かれる

〇いきなりゴミ箱を被せられる

〇みんなが来るよりも先に体育館に連れ込まれ

バスケのボールをぶつけられまくる

〇階段の上から水をかけられる

等々、あげたらキリがない程のいじめを受けた。

(よくこんな色々思いつくよな)

あと少しでこの生活は終わる

そう考えると彼等のやる事に対して

怒りや辛さより呆れるようになっていた。

(あと少しの命とも知らずにのんきなもんだよ)


そして

(あと1日でやっとあいつらがいなくなるんだ)

校門を出ると

「ねぇ、そこの君」

そう言ったのはキャップを目深(まぶか)に被った高校生くらいの女の人

自分には関係ないと素通りしようとすると。

「君だってば!」

服を掴まれた

「君、人を殺すアプリを使ったでしょ?」

「何の話?そんなアプリあるわけないよ」

すると彼女がキャップのつばを上げた。

そこにあるのはあのサイトの受付嬢と同じ顔!

「私はまじない工房の管理人の1人

私たちの所にはいつ・どこで・なんのアプリが

使われたかがリアルタイムで届くの

この学校で呪殺アプリが使われたのは確かよ」

「それがなんで俺だってわかるんだよ」

「見えないだろうけど君は

人を殺す呪術を使ってる人特有の

赤黒いオーラを(まと)っているのよ」

「呪術って」

「まじないは漢字で呪いって書くのよ、

オーラが消えていないって事は

相手はまだ生きているのね、良かった」

「……邪魔しに来たのかよ」

「その逆、君を助けに来たの

あれを作動させられるくらい

追い詰められている君をね」

「助け……?」

「場所を変えましょ、いいとこ見つけといたから」

彼女に連れられて近くの公園へ

「別に助けてくれなくても明日になれば

平穏な生活に戻れるのに……」

「まじないアプリのlevelって

何を基準に決めてると思う?」

level?そういえばあのアプリlevel5って書いてたな

「願いの難易度とか?」

彼女は首を振る

「他人に与える不幸の度合いよ

level3以上のものを使えば代償として

使用者に不幸が降りかかる

そしてlevelが高くなるほど代償は酷くなっていく」

「お・俺の代償って?」

「〈呪殺〉の代償は使用者の身近な人間の死よ」

「なんでだよ!死ぬなら俺の方だろ!」

「人が殺されて不幸になるのは(のこ)された人よ

だから使用者に同じ思いをさせるわけ」

「そんな…アプリは消えたし、

どうすりゃいいんだよ」

「だから君に会いに来たの

使用者に会わないと助けられないから」

そう言うとバックの中から

人形のようなものを取り出し並べていった。

「これは天児(あまがつ)と言って身代わり人形の1種よ

これ作るのに時間かかって来るのが遅くなったの

ホントゴメンね」

天児を並べ終えると顔を近づけてきた

「え?なにを?」

「君を通して呪いにアクセスするの」

「それで解除出来るの?」

「解除は不可能よ、

だから対象を天児に移し替えるの、

動かないでね」

目が合った瞬間何かが入って来た感じがした。



「よし、ダイブ成功」

呪いと彼を繋ぐ霊視線(れいしせん)を探す

「あった!霊視線、これを辿れば」

霊視線を辿った先に赤黒く光る球体があった。

「見つけた!呪いの本体

こいつにアクセスして設定を書き換えて……」

「小娘、私の邪魔をする気か」

背後にフードを被った男が現れた

「来たわね死神、悪いけど今回は

殺らせる訳にはいかないのよ!」

「ならば仕事では無いが貴様も冥府に送ってやろう」

死神が鎌を振り下ろす!

「そうはいくか!」

鎌の斬撃をかわし距離を取る

後を追う死神

(死神は倒せない、だから…)

突如死神の方に向き直り

「くらえ!」カッ!

彼女の体から激しい光が発せられた

「めくらましか!こしゃくな」

次の瞬間

バサァ!

死神を何かが包んだ

「な・何だこれは!?」

捕縛(ほばく)ネットよ時間が無いの

しばらくそこで大人しくしててね」

「お・おのれぇ!」

死神を足止めし呪いにアクセス!

「設定…あった!ターゲットを天児に書き換える!」

ターゲットと代償になった6人を1人づつ書き換える

「小娘ぇ!」

死神が捕縛ネットを破り

再び鎌を振り下ろす!


「……!間に合わなかったか」

死神は鎌を止めた、ギリギリ書き換えが完了したのだ

「間に合った……」

「貴様を殺す理由が無くなった

用が済んだらとっとと帰れ!」

「そうさせてもらうわ」

(死神には悪いことしたわね、

でもあのままには出来ないし)

そして現実世界へ…

「お姉さん大丈夫?急に動かなくなったけど」

「ええ、書き換えは成功したわほら、天児が」

さっきまで白かった6体の天児が

三体が赤三体が青に変わっていた。

「赤いのがターゲット青いのが代償の人間よ」

彼女はバックから取りだしたハサミを

わしづかみにして

グサッ!グサッ!グサッ!

次々と赤い天児に突き刺した!

次の瞬間!

パァン!パァン!パァン!

青い天児が弾け飛び少年を覆っていた

赤黒いオーラが消えた。

「これでアプリの効果は終了

もう誰も死なないわ」

「それは良かったけど…殺すのもダメなら

俺はどうすればいいんだよ!」

それを聞いて彼女は微笑んだ

「大丈夫、言ったでしょ助けに来たって

ちょっとスマホ貸して」

少年からスマホを受け取るとなにやら操作し

「はい、どうぞ」

「まじないアプリ?」

「君にピッタリのアプリ、level3〈因果応報〉よ」

「これどんなアプリ?」

「使用者に危害を加えようとすれば

やる前にそいつが痛い目をみるの

逆に使用者にいいことをすれば

近いうちにその人にもいいことが起こるのよ」

「でもlevel3って事は使ったら不幸になるんだろ」

「君はいじめで散々辛い目にあった、

それを管理者権限で代償として先払いしたから

プラマイゼロ、何も起きないわ」

少年の目に涙が溢れてきた

「あり…がと俺、これで助かるんだね」


翌日の学校

廊下を歩いていると

「なぁにちんたら歩いてんだよ」

そう言いつついじめグループの

リーダー格が背中を蹴った…しかし

「先生を蹴るとは何事だ!」

確かに少年を蹴ったはずなのに

何故かそこにいたのは先生………。

この後先生にめちゃくちゃ怒られた

教室に入るなり

「あいつのノートや教科書めちゃくちゃにしようぜ」

「おもしれぇ」

「やろうやろう」

ノートや教科書をズタズタに破いていると

少年が戻ってきて隣の(・・)自分の席に座った

よく見ると窓から3番目確かに少年の席はそこだ

今教科書やノートを取りだしたのはその隣の席

「これ俺のじゃねぇかよ!なんてことすんだよ!」

「いや!お前が始めたんだろ!」

どうやらあのアプリは持ち物にも効くらしい

次に考えたのはRENEのクラスのグループに

少年の変なあだ名を書き込んで

それを皆に呼ばせようというもの。

「よぉ貧弱虫」

少年に付けたあだ名

しかし呼ばれたのは提案した本人

「そのあだ名は俺じゃなくてあいつだろ!」

「え?お前自分でそう呼べって書いただろ?」

さっき送ったメッセージを見ると

確かに【俺のことを今日から貧弱虫と呼んでくれ】

と書き込まれていた、アイコンも確かに自分のものだ

あのアプリはネットにも効果があるみたい

理科室に移動中

「あ・筆箱落としたよ」

他のクラスの子が少年の落とした筆箱を拾ってくれた

「ありがと」筆箱を受け取り歩き出したその後ろで

「え?まじ!?懸賞当たった!」

さっきの子に早速いい事が起こったようだ


放課後

「今日は散々な目にあった!

これもあいつのせいだ!」

「いや、自業自得じゃね?」

「あいつを階段から蹴落としてやる!」

「それはやりすぎだって!」

「大怪我しちまう」

「知ったことか!」

階段を降りようとしている少年の背後から

飛び蹴りを食らわせようとした時。

「おーい〇〇ちょっといいか?」

先生に呼び止められた少年が向きを変え

飛び蹴りは空を切り…

ドタドタドタドタ!

壮絶な階段落ち

「お・おい!大丈夫か!」

先生は彼にかけより

「これは病院に行った方がいいな」

そう言うと彼を抱え階段をかけ降りていった

命に別状は無かったが事情を話さざるを得なくなり

半年に渡るいじめは明るみに出ることになった

「どうだった?」

校門の前でお姉さんが待っていた

「うまくいったよ」

「そう、でもあのアプリは1ヶ月しかもたないから

その後は自分でなんとかしなさい」

「うん、わかった」

「じゃあね」

その場を後にした彼女のスマホに着信

「はいもしもし、ええ、上手くいったわ

今からそっちに戻るから」


そして今日も、まじないアプリを

求める客がサイトを訪れる

『まじない工房へようこそ、

あなたの望みを叶えるアプリを提供いたします』

人を呪わば穴二つ

情は人の為ならず

巡り巡りて己が身のため

行いは自分にかえるもの

今回はそんな話です

話しの原形自体は昔からあったけど

ようやく日の目を見た感じです

こんなのでも楽しんでもらえれば幸いです

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― 新着の感想 ―
[良い点] 読んでてすごくドキドキしました!このアプリ?の説明とか呪殺を実行しますか?って何回も聞いてくるのが自分がそのアプリを開いているみたいで、とっても面白かったです!引き込まれました世界観に!!…
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