カツオのたたき担当の佐々木
「すみませんでした」
「何回同じミスをするんだ」
また、怒られた。
何を恨んでいいのやら。
自分か?運命か?上司か?
同じ立場に立たされたら、誰だって一度はミスをするだろう。
まあ僕は、成功の方が少ないのだが。
あれ以外は、完璧にこなせている。
あれがなければ、出来る人だ。
あれさえなければ、あれさえなければ。
「本日のおすすめを紹介します。わたくし、カツオのたたき担当の佐々木です。もちろんカツオのたたきもおすすめなのですが、今日はもっとおすすめなものがあるんですよ。それは、、、」
言えた。
今日は怒られずに済む。
『カツオのたたき担当の佐々木』という言葉は、なんて言いにくい言葉なのだろう。