同時刻ミリア視点
トアが部屋から出ていったとこら辺です。
ミリアの部屋は、女性用と言うだけあって様々なものが置いてあった。
ドレッサー、机、椅子、屋根付きのベッド、クローゼット、壁には金色の髪で顔を隠した女性とバラが描かれた絵が掛けられている。
ミリアは何をしようか悩んだが、とにかく部屋に居ても仕方がないだろうと思い、外に出てみることにしてみた。ドアを開け、廊下に出てみる。
赤いカーペットが引かれていて無限にあるような廊下があり、ミリアの部屋と同じような扉が沢山並んでいる。中もきっと同じような部屋なのだろう。
外に出たら自分だけでは部屋に帰れないのではないかと思ったが、扉をよく見ると花が全部ちがうので、自分の扉の花の形を覚えていれば、帰れると思いミリアは部屋の外へ足を踏みだした。
ミリアが廊下を真っ直ぐ歩いていると、階段が見えたが下に降りたら誰かに見つかるかもしれないと思いミリアは降りずにいた。
「見つかっちゃったら、大変だもんね。」
ミリアはそう呟いて首を傾げた。
なぜ、自分はそう思ったのだろうと。
言いつけも何も無いがあの部屋にいないといけないと思ったので、それできっと罪悪感を感じているのだと思いそのまま歩いていると大きな扉が見えた。
茶色のシンプルな作りだがミリアの背丈の二倍は余裕であるだろう大きさである。
ミリアは中が気になりそっと扉を押した。
しかし、扉は重く動かない。ミリアは両手で押すことにした。
「うぅぅぅ。」
そんな声を出しながら、押しているとドアがギィィと音をたてながら開いた。
ミリアはそっと中を見た。
「わぁあ。」
ミリアは感嘆の声をあげた。
中には万はくだらないだろう沢山の書籍が収められていた。ミリアはこれだけの書籍が収められているのを見るのは初めてだった。
ミリアは本棚に駆け寄りそっと本の背表紙を指の腹で撫で、本のタイトルを読み始めた。
「夢の王女と悪夢の王、空の王国の歴史、森の妖精……ここのはファンタジーのものが集められているのかな。」
本のタイトルをつぶやきながら、読み進めていると
「なにこれ?」
一冊の本が目に止まった。表紙すら読めないくらいに茶色く黄ばんでいる。ミリアはそれを手に取り、開いた。
「×××の日記?」
×××のところは汚れており、何も読めない。
誰かの日記なのか、本のタイトルなのか検討がミリアにはつかなかったが日記がこんなところに置かれているわけがないと思い、ページをめくることにした。