表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
籠の中の鳥  作者: 羊沢白音
世界とおでかけ
34/46

マモンとサタナキアのお出かけ

 店を出て、馬車は次へと動き出す。


「ボクはサタナキアと行きたいところがあるし、キミ達はカフェでケーキでも食べてきたらどうだい?」


 マモンがそう提案してきた。


「サタナキアとどこに行ってくるんだよ。」


 シャーリーは白い目でマモンを見ながら言う。


「二人っきりで、デートをしてくるよ。大丈夫健全なところにしか連れていかないから。」


「サタナキア、何かされそうになったら全力で逃げろ。」


 シャーリーは、マモンを欠片も信用せずにサタナキアに警告した。


 サタナキアは、少し笑いながら


「マモン様はしないと言ったらしない方だから大丈夫よ。」


 といった。


 シャーリーは、不満そうな顔をしたが渋々といった感じで頷いた。


「じゃあ、おすすめのお店で止まるからそこから二手に別れようか。」


 シャーリーは、そのセリフを聞きぬがらマモンに疑いの目を向けていたが、マモンは素知らぬ顔をしていた。


「あと五分くらいだよ。」


 マモンは鼻歌を歌いながらそう言った。


 


  


 マモンのお気に入りの店に着いた。


 大きな城のような作りの店である。


『いらっしゃいませ。』


 獣人、魚人、マーマン等のたくさんの人物が出迎えた。


「個室準備してもらっていいかな?」


 マモンは真ん中にいた、耳のとがっているエルフの女性に言った。


「了解致しました。お食事の内容はどうなさいますか?」


 エルフと女性は聞いた。


「ああ、この子達を置いてくからこの子達が注文したのをもってきてあげてね。」


 マモンはそういい、ミリア達四人を下ろした。


「ボクはまだ行くところあるから、後でこの子達を迎えに来るよ。」


 マモンはそう言って、去っていった。


 エルフの女性は、頭を軽く抱えながら


「こちらへどうぞ。」


 とミリア達を案内することにした。


 ミリア達は、女性の後ろについて行く。


 小さな個室に着いた。


「こちらのメニューからお選びください、決まったら待機しているスタッフに声をおかけください。」


 そう言って、女性は去っていた。


「どうせ、旦那様の奢りだ。」


 セインズがそう言った。


 生真面目に、マモンのことを旦那様と言っている。


「だな。」


 シャーリーも同意し高いものから順に頼んで行った。


 


 


 マモンとサタナキアは、市場に来ていた。


 馬車はマモンの魔法でしまってある。


 先程のところとは違い、一般市民が使うようなところである。


 二人の服装も一般市民が着るような衣装に変わっていた。


 そして大きな違いとして、マモンは仮面を外すしていた。


 切れ長の目、澄んだ瞳、長いまつ毛、真っ赤な瞳、スっと高い鼻、厚すぎず、薄すぎない唇。


 絶世の美男子がそこにはいた。


 通りかかる人々が二度見をする。


 通りかかった女性の何人かはアタックをしようとしたがその美男子ことマモンは隣の女性サタナキアの肩を抱きデレデレしていた。


 心の底から愛している様子である。


 それを見てアタックをかける気もなくし去っていく。


「サタナキア、露店でも見ていこうか。」


 マモンがそう、サタナキアに声をかけた。


「はい、あ、あなた……。」


 サタナキアは、慣れないように照れながらそう言った。


「何回もこの設定で来てるのに何でかなぁ。まぁ、そんな君も可愛いよ。」


 マモンはそう茶化しながら言う。


 サタナキア、顔を赤くしながらそっぽを向いた。


 マモンは笑いながら、サタナキアの手を握り、歩き出した。


 露店を二人は歩いて回った。


 マモンは、不思議なものというかガラクタを買おうとして何回もサタナキアに叱られていた。


「あなた、それはいりません。買わないでください。」


 サタナキアに叱られ笑いながら戻すマモン。


「サタナキア、ここ、見ていかないかい?」


 マモンがそう言ったのは小さな雑貨屋であった。


「サタナキアも、楽しめるかと思って。」


 マモンはそう言う。


 サタナキアは、コクコクとすごい勢いで頷き店の中へ入っていった。


「いらっしゃい。物を壊さないでくれよ。」


 一人のニンフのしゃがれた老婆がそう言って出迎えた。


 サタナキアは、ニコニコしながら店を見て回る。


 マモンは、そのサタナキアを見ながら目を細める。


「サタナキア、好きなのを買ってあげるよ。好きなだけ選んでいいよ。サタナキアの、リボンももう、古いしこれを機に買い換えないかい?」


 マモンはそう言う。


 サタナキアは、首を横に振りながら


「このリボンはとても大切な人に頂いたんです。その人はきっと覚えてないけれど。」


 サタナキアは、自分の三つ編みの端に付けているリボンを見る。


「サタナキア、誰から貰ったの?大切な人って誰?」


 マモンは、怒ったように言葉に反応した。


「内緒です。」


 サタナキアはいたずらっ子のように笑いながら言った。


 マモンは、自分では無い人物のプレゼントをサタナキアが大事にしているのが気に食わないのでどうしても聞き出そうとした。


「サタナキア……」


「これがいいです。」


 声を遮るように、サタナキアが手に取ったのは、粗末な小さな二つの指輪であった。


 マモンは手に取り


「これでいいの?他にもいいものあるよ?」


 と聞いたが、サタナキアは


「はい、これがいいんです。」


といった。


 マモンは首を傾げながら


(サタナキアはなんでこんなのがいいんだろう。指輪が欲しいならこの店の中で一番いいのを買ってあげるのに。)


 と考えていたが、サタナキアがとても嬉しそうなので、まぁいいかと考えてニンフの老婆のところに持っていった。


「会計を頼む。」


「二百シンズだ。」


 マモンは、面倒くさそうにしながら、脳内でさっさと計算を支払った。


「まいどー」


 と老婆は言う。


 マモンは、サタナキアの手を握りさっさと店を去った。


 ある程度歩いて噴水の所までいくと、


「いつも、同じお店で計算するのがめんどくさいから金貨の枚数で言ってくれなんて言ってるからですよ。」


 サタナキアはそう注意をマモンにする。


 マモンは、


「そっちの方が効率的なんだよ。」


 と言った。


 サタナキアは、ため息をついた。


「サタナキア、はい、これ」


 マモンは、サタナキアに二つの指輪を渡した。


「これが欲しかったんだよね?」


 マモンはそう言った、サタナキアは少しだけ怒ったように


「片方は、その、あなたに持っていて欲しいんです……。」


 そう言った。


 マモンはきょとんとした顔になり、目を大きく見開き、そして満面の笑みになった。


「サタナキア、とても嬉しいことを言ってくれるじゃないか。お揃いにしようね。」


 マモンはそう言いながら、サタナキアの手から指輪を受け取った。


 マモンは、指輪を手の平で転がしながらゆっくりとサタナキアをの方を見た。


 そして、息を吐き出し言った。


「サタナキア、そろそろ婚姻を結ばないかい?」  


 とても真剣な眼差しである。


 サタナキアは、瞳を揺らしながら


「もう少し待ってください。私はあなたと対等になりたい。」


 サタナキアは、そう返した。


「サタナキア、沢山の時間ボクは待ってる……。対等とか対等じゃないとか正直ボクには関係ないんだ。サタナキア、キミがそばにいてくれればいいんだよ。サタナキア、もう体だけなんて我慢できない。」


 マモンは、サタナキアを、優しくしかし強く抱きしめ言った。


 サタナキアは、マモンの腕の中で少しだけ泣いた。


「あなたと対等になって、負担をかけなくなった時にあなたがまだ私のことを愛してくれていたなら私はあなたの妻になります。だからもう少し……もう少しだけ待っていてください。」


 サタナキア、そう言う。


 マモンは優しくサタナキアの頭を撫でながら


「分かったよ。キミはそういう子だ。ボクがもう、敬称付けじゃなく名前呼んで欲しいって言っても無駄だろうね。きっとキミがボクの名前を敬称なしで呼ぶ時はきっとボクの大切な日になると思うよ。」


 優しい声で言う。


 サタナキアはコクリと頷いた。


「サタナキア、そろそろ戻ろうか。」


「はい。」


 マモンは、来た時と同じようにサタナキアの手を握り人目のつかないところへ馬車を出すために向かった。


 

もうちょっと書いても良かったかも???

マモサタの関係をここまで明確にするのは初めてかもしれませんね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。




― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ