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籠の中の鳥  作者: 羊沢白音
一章〜始まり〜
3/46

屋敷へ行こう

次の日マモンがルンルンでトア達を迎えに来た。

 

 トアはしぶしぶミリアはルンルンでマモンについて行った。

 

 森の中をしばらく馬車に乗ったあとにマモンが言った。

 

「ついたよ。」

 

 そこには豪邸が建っていた。

 

 

 

 しかし、とても不気味な感じの洋館であって素直にすごいといえない現実。

 

 でも、トアは

 

 (まぁ、マモンだし)

 

 と考えていた。ミリアは嬉しそうに

 

「わぁー大きなお家、マモンさんはここに住んでいるの?」

 

「そうだよ、君達のお家も僕の持ち物なんだよ。」

 

 マモンとミリアはなぜか仲良くなっていた。

 

 あんなにあやしがっていたのに。

 

 不思議きわまりないがなってしまったものはしかたがない。家族として守らなくては。

 

 

 

 そう心に固く誓っているトアをしり目にミリアとマモンは屋敷に入っていく。

 

「お兄ちゃん!早くこないと置いて行っちゃうよ!」

 

 そうミリアに言われしぶしぶだが走りマモンの屋敷に入った。

 

 

 

 そしたらすごい美人な三つ編みで白いリボンをつけたメイドがトア達を迎えた。

 

「おかえりなさいませ、マモン様。」

 

「うん、今帰ったよ。」

 

「そして、いらっしゃいませお客様。」

 

「メイドさんだぁー!」

 

 ミリアはハイテンションである。

 

 

 

 そのテンションにトアはついていけていない、するとマモンが隣にやってきて

 

「うちのメイド可愛いでしょ?惚れちゃダメだよ。」

 

 とコソッといった。

 

「何言ってんだ、そんなことありえないから。」

 

 トアはそう返した。

 

 

 

 そもそもトアにはそこまでメイドとか美人とかに興味がない。

 

 妹に夢中なシスコンに振り切っているのだ。ミリアのためなら何でもしてしまうような。

 

 

 

「俺らがきた目的はマモンの屋敷の掃除だろ。」

 

 そうイラつきながらトアがいうとメイドは不思議そうな顔をしながら首を傾げた。

 

「掃除なら私たちで足りていますが?」

 

「は?」

 

 バッとマモンに勢いよくトアは振り向きどういうことだという目を向けた。

 

 

 

「いやね?君僕がミリアちゃんがと僕が会話したくても話させてくれないでしょ?だからお手伝いいう名目で我が屋敷に招待したんだよ!」

 

 芝居のかかった様子でそんなことをいうマモン。

 

 その様子を見てトアはマモンに白い目を向けた。

 

「あん?」

 

 そして驚くほどドスの効いた声を出して黒いガチギレオーラを出した。

 

「そんなに怒らないでよ、ほら、ミリアちゃんも怖がってるよ?」

 

 トアがミリアに目を向けるとミリアが半泣きになりながら迎えてくれたメイドさんの後ろにくっついている。

 

「ミリアごめんな。そんなに怖がらなくていいぞ。」

 

 トアはミリアの頭を撫でながらそう言った。

 

「まぁまぁ、喧嘩はよそうよ。おいしいお菓子と飲み物を用意してあるからさ。」

 

 その言葉を聞きミリアはさっきまで半泣きだったことを忘れ、目を輝かせた。

 

 その様子を見てトアは大きなため息をつきあきらめたようにマモンに言った

 

「ミリアに変なことしたらぶっ飛ばす。」

 

「怖い怖い。」

 

 そういいながら全く怖そうにせずにマモンは笑いながら屋敷の奥へと入っていった。

 

 マモンをにらめつけながらトアは屋敷に入っていった。

 

 ミリアの手を握りながら。

 

 ミリアはもうおいしいお菓子のことしか考えてなかった。

 

 マモンの屋敷の中は大変豪華な作りになっていた。

 

 細部まで作られれたシャングリラ、高級感漂うソファ、価値はわからないが、綺麗な絵画。

 

 一つあればトア達は一生暮らしていけるだけの金額が手に入るだろう。

 

「何でこんな贅沢してるんだか。」

 

 あきれたようにトアが言うとマモンは答えた。

 

「そりゃ、君達のためさ。」

 

 トアもミリアも意味がわからず、キョトンとした表情を浮かべている。

 

「考えてもごらんよ。君達は世にも珍しい人間だ。その人間が保護されているのが、財力もない、権力もない、地位も名誉もないやつだったらどうするんだい?僕なら奪うね。当たり前だ。そうならないために僕は金で屋敷を飾っているのさ。」

 

 確かにマモンの言い分には、納得できることもある。しかし、マモンというやつは本当はそうやって見せびらかすのが好きなのだろう。

 

「マモンさんは、私達を守るためにお金を使ってくれてるのね!」

 

 キラキラとした目でミリアは言う。

 

 純粋な子供が騙されてしまったようだ。

 

「そうだよ、まぁ僕はこんなにいらないんだけどね。僕は君達が大切だからね。すこしくらいの金額わけないさ。」

 

 うそくさい台詞をぬけぬけと言う。

 

 まぁ守ってもらっているいるのも事実だから仕方ないしすこしぐらい花を持たせてやろうとトアは思った。

 

「そうそう、君達には数日ぐらい泊まってもらおうとおもっているんだ。」

 

「おとまり!?」

 

 目を輝かせながらミリアは大きな声で言った。

 

 とても嬉しそうな顔をして頬をピンクにしている。トアは慌てた。

 

「ちょっと待ってくれ、俺らにもしなくちゃいけないことがある。」

 

 そうトアが言うと、マモンは無言で紙とペンを渡してきた。

 

「これなんだよ。」

 

「君達がしなくてはいけないことをここに書きなよ。代わりの人を派遣するよ。今回のお泊りは君達のためでもあるんだよ。君たちを呼んだ本当の理由は、神離れの儀式のためなんだ。ミリアちゃんもう十歳だしね。」

 

 あぁそうだったとトアは思った。

 

 この世界では十歳になると適性検査、あとは魔法の訓練が実施される。

 

 それをそうじて神離れというのだ。

 

 普通なら一般市民は教会などに行って審査や習うのだが、ミリアもトアも人間であり、希少な存在である。沢山の種族が集まるところなどに行けばすぐに捕まるのが目に見えていた。

 

 だから、マモンは自分の屋敷でミリアの検査と魔法の訓練を行おうというのだろう。

 

 理由は分かったが、なぜ掃除だとかいう嘘をついて連れて来られなくては行けなかったのだろうか。

 

 そこに多少のイラつきを覚えた。

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