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籠の中の鳥  作者: 羊沢白音
世界とおでかけ
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契約

 


 もう、夜中になったころ、シャーリーはよろよろと帰ってきた。


 ゆっくりと、人形用の家に戻る。


 人形じゃない、シャーリーのためのたかい布団の中にシャーリーは倒れ込む。


 ゆっくりと思考をシャーリーはめぐらせる。


(あの時は、あれしか無かった。そうなんだ。仕方なかった。それでも……。あたしは正しかったのだろうか。)


 枕をぎゅっと抱きしめシャーリーは、思う。


 誰も答えてはくれないし、その答えで納得もできないだろう。


「シャーリーいる?」


 サタナキアの声が聞こえた。


 人形用の家からシャーリーは出て、そっとサタナキアを見上げた。


 サタナキアは心配そうな顔をしている。


「シャーリー、大丈夫?あっちへ行ってきたみたいだけど。」


 そんなふうな声をかける。


 シャーリーは、縦に首を振るが、サタナキアには、嘘がバレてしまったようだ。


 でも、サタナキアは何も言わず、そっと去っていた。


(それでいいんだ私は……優しくされたりできない……。)


 シャーリーは、下を向きながら思う。


 サタナキアは直ぐに戻ってきた。


 シャーリーは、驚いた顔をした。


「シャーリー、ちょっとお菓子食べよ。」


 サタナキアは、いたずらっ子みたいな笑顔をみせて、お菓子とココアをお盆に乗せている。


 シャーリーは、笑いながらココアとお菓子を貰った。


「好きなだけ食べてね」


 サタナキアは優しくそう言って、シャーリーの頭を指で撫でた。


 


 


 


 次の日、ミリアは、気持ちが落ち着かず、起きた時からソワソワしていた。


 部屋の中をあっちへいき、こっちへいきとしている。


 コンコンとノックされたら走って扉を開けに行った。


 そのにはサタナキアが立っていて、肩にはシャーリーが乗っている。


 サタナキアは、驚いた目をして、シャーリーはサタナキアの肩の上で笑っていた。


「そんなに楽しみだったのか?」


 ケラケラ笑いながら、シャーリーは言う。


 ミリアは、頬を膨らませ、ぷいと横に向いてしまった。


 シャーリーは頭をポリポリとかいて


「ごめんな、まぁまぁあたしと契約しよう。」


 シャーリーは、話題を逸らすかのように言った。


 ミリアはじっとシャーリーの方見たが、許して、嬉しそうに大きく縦に首を振った。


「二人とも契約でいいんですね?」


「おう。」


「もちろん。」


 シャーリーも、ミリアもいい返事をした。


 サタナキアは二人を見てくすくすと笑いながら、


「じゃあすぐ持って来ますから待っててくださいね。」


 サタナキアは、そう言って部屋を去っていた。


 ミリアとシャーリーに沈黙が流れる。


 シャーリーが口を開いた。


「契約したら、色々手伝ってやるよ。ほら、空飛ぶとか?」


 何故か疑問形だが、シャーリーは言った。


「ありがとうシャーリー。これからもよろしく!」


 そう言って手を出した、シャーリーは両手でミリアの指を掴んだ。


「ただいま、二人とも。」


 サタナキアが、帰ってきた。


 大きな布を持っている。


 サタナキアはそれを床にひいた。


「これの上に二人で乗ってください。」


 サタナキアは二人にそう指示をした。


 二人ともいそいそと乗った。


「では、今から契約の義を始めます。契約者ミリア 契約妖精シャーリー 見届け人サタナキア。」


 サタナキアがそう、言い始めた。


 ミリアは緊張して、ピンと背筋を伸ばしていたが、シャーリーはわらって、


「大丈夫だ、じっとしとけば終わる。」


 と声をかけた。


 そんな中サタナキアの宣言は続いていく。


「これで宣言を終わりとする。二人とも契約書にサインを。」


 どこから出したか分からない、インクと羊皮紙をサタナキアは取りだした。


 サタナキアは、手にナイフを持っている。


「ミリア様、手を出してください。」


 ミリアは、手を出した、サタナキアは少しだけミリアの指さを斬り、インクの中に血を垂らした。


 シャーリーは自分で、指を歯で切って血を入れていた。


「こちらにサインを。」


 サタナキアはそう言った。


 ミリアはスラスラと羽根ペンを使って書く。


 シャーリーは、魔法を使って書いていく。


 二人が書き終わった瞬間にボッと音を立てて、羊皮紙が燃えた。


「これで契約の義は終了致します。晴れて二人の契約は果たされました。」


 サタナキアは、お辞儀を一回して、シャーリーとミリアをしっかりと見た。

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