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籠の中の鳥  作者: 羊沢白音
神離れの儀式
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精霊

 マモンが仕事をしているころ、シャーリーはガラスケースの前で座っていた。


 シャーリーの目尻は赤くなっていた。


 さっきまで泣いていたのだろう。


 シャーリーは、じっとガラスケースの中の少女を見る。


「長い、長い間ずっと一緒に過ごしていたから、お前の名前を忘れちまったよ。」


 シャーリーは、そっと言った。


 ゆっくりとシャーリーは、瞬きをした。


 何度か瞬きをしたあと、シャーリーはそっと少女から目を逸らして、青年のほうに目を向けた。


 少女には、愛情のこもった瞳で見ていたが、青年には悲哀のこもった瞳を向けていた。


「結局、私らは何も作れてないんだよ。幸せも、何もかも。」


 吐き出すようにシャーリーは言った。


「また来るよ。」


 そう言ってシャーリーは、羽を羽ばたかせ、マモンが出てきた扉の中に入った。


 


 


 場所は変わり、マモンの屋敷にてこんを詰めさせるのもよくないとサタナキアは考え、ミリアを花園に誘った。


「これは、コスモスです。」


 そんなことを言いながら二人は歩いていく。


 ミリアが花の名前を聞くたびに、サタナキアはニコニコとしながら答えていく。


 とても、平和な時間である。


「妖精と契約するんですけど、シャーリーでいいですよね。」


 サタナキアは言った。


「どうして、契約するの?」


 ミリアは、聞いた。


 サタナキアは、説明をし始めた。


「魔法を初めて補佐無しで使うのは、結構難易度がたかいんです。だから、精霊などに契約してもらって、練習するんですよ。まぁ、今回は精霊の上の妖精のシャーリーがいますからシャーリーに力借りましょうね。」


 ミリアは、ふと気になったことがあり聞いた。


「サタナキアさんも契約している妖精さんがいるの?」


「私は、精霊の中でも弱い微精霊、微精霊と契約しているので、お名前とかはないんですよ。私は、小さくて光ってるのでぽわぽわと呼んでますけど」


 そうサタナキアは言いながら、指元で小さく光る物をだした。


 ミリアは、それに触れようとしたが、触れられない。


 サタナキアは、くすくすと笑いながら、


「ほら、意地悪しないの。」


 といい、ミリアのほうに指をちかづけた。


 ミリアは、やっと触れられた。


 ミリアの手の中でふわふわと動いている。


「ぽわぽわはいたずらっ子なんです。だから、許してあげてくださいね。」


 とサタナキアは言った。


 ミリアはコクリと頷いて、ぽわぽわに触れていた。


「そろそろ、体もひえますし、帰りましょうか?」


 サタナキアはそういった。


 ミリアは、ぽわぽわに夢中で気がついていない。


 サタナキアは、困った顔をしながら、ミリアの肩をぽんぽんとして、


「帰りますよ。」


 と言ってミリアの手を引いた。


 

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