暖かい生活
ある小さな丘の上に家が建っており、そこには仲のよい兄妹が二人で住んでいた。
兄の方はトアといい十六歳で、妹の方をミリアといって、十歳になる。
今日は二人で洗濯を終え、干したシーツがはためいていた。
「お兄ちゃん!こっち干し終わったよ。」
「ありがとう、じゃあこっちも手伝ってくれるか。」
「うん、分かった」
そういい、ミリアがせっせっと洗濯物を干している。
ミリアが洗濯物を干している中トアは、何となく空を見上げていた。
「お兄ちゃん。何やってるの?手伝ってよ。」
そうふてくされながらミリアはトアに文句を言う。
「悪いな、すぐ干すよ。」
そういいミリアの頭を撫で、トアはまた、洗濯物を干し始めた。
しばらくするとミリアはふと思い出したかのように、洗濯物を干す手を止めた、
「お兄ちゃん、畑見てくるね」
「あぁ、そういえばそうだな、芽が出てるか見てきてくれ。」
「了解」
そうトアが言い終わるかどうかのうちに、裏の畑に走って行ってしまった。
「はぁ…この量全部干すのか…」
そう洗濯物を一瞥しながらトアはため息をついた。
それもそうだろう、二人とも洗うのをめんどくさがって、しばらくためていた結果なのだから。
めんどくさくても、量が多くてもやらなくてはいけないのだ。
トアはなんとかやる気を出して、せっせっと洗濯物を干していた。
しばらくするとミリアが帰ってきて俯きながらトアに近づいてきた。
「お兄ちゃん、実はね……」
ミリアが言い終わる前にポツポツと雨が降ってきた。
「お兄ちゃん、雨が降ってきたよ」
「わかってる、洗濯いれるの手伝ってくれ。」
そう言いながら、ミリアとトアは洗濯物を早々と中に入れていく。
トアが入れて行くのをみて焦ったミリアも慌てて洗濯物を取り入れようとするのだが、慌ててといれてた結果おもいっきり転び、運悪く、転んだ先が泥になっていて、せっかく洗った洗濯物を汚してしまった。
ミリアはその大きな瞳に涙を貯めた。
泣きそうなミリアに気づいていたが早くしないと洗濯物がべしゃべしゃになるためトアはとにかく早く洗濯物を取り入れることに集中していた。
なかなかミリアが動き出さないので洗濯物を入れながらトアはいった。
「ミリア洗濯物はまたあらえばいいだろ?早く洗濯物を中に入れよう。」
「うん」
ミリアはそういった兄の言葉を聞き、せっせっと洗濯物をいれていった。
やっとすべての洗濯物をいれ終わった時には、雨が止んでいた。
「えっ?なんで~」
ミリアが泣きそうになって言う。
「通り雨だったんだろな。」
ため息をつきながらるトアはたって
「ミリア、お前はさっき汚した洗濯物を洗ってきてくれ。」
「わかった」
しょげながら井戸に走って行った。
雨がやんだので、またあの量を干さなくてはいけないのを思い出して、気をおもくしながら洗濯物を干して行くのだった。
やっとほしおわった後に二人はお茶をしていた。
二人ともゆっくりを飲みながら疲れた顔をしている。
するとミリアが思い出したかのような顔をして、すこし気まずそうな顔をして言った。
「お兄ちゃん、畑に行ったら動物に柵壊されてた。ついでに、種は掘られて食べられていて、出てた芽も食べられてた。」
それを聞いてトアは沈黙した。
ミリアは申し訳なさそうな顔をしている。
「まぁ、仕方ないな、明日二人で直そう。」
トアはそう言ってお茶を一気に飲み干した。
みんな凄いなぁとか思ってます
これからも頑張ります