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幻想小説 流幻夢  作者: 赤城康彦
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突撃流星

「南無三!」

 一瞬観念したが、手に何かが巻き付くかと思えば引っ張られて。すんでのところで鉄球を避けられた。聖智だった。さきほどの虎碧と同様、龍玉を救ったのだ。

「あ、ありがとよ……」

「礼には及ばぬ!」

 聖智は龍玉のそばまで咄嗟に飛んで、幸いにして救うことは出来た。火龍の鉄球は今度は軌道を変えて虎碧に向かう。

 剣からの火焔も効かぬのは先ほど見た。下手に抗わず素直に避けたが、火龍の鉄球はしつこく追ってくる。それを見て香澄は援護と虎碧のそばまで飛び、鉄球に正面から突っ込み、七星剣に刺突を食らわせようとする。

「無茶しやがる!」

 源龍思わず打龍鞭を振るって突っ込み、そばの羅彩女は一瞬呆気に取られてそのまま固まった。

 香澄の目の前まで火龍の鉄球は接近する。ぶつかる、と思われた直後。落下するように香澄の軌道は変わり、自身の頭上に鉄球を見上げる格好となり。そのまま七星剣を突き上げた。

 きんッ!

 という鋭い金属音はしたが、突き刺さることなく。切っ先は滑った。香澄はそのまま落下するように下方へ飛んだ。

 火龍の鉄球は今度は源龍と羅彩女に向かってくる。咄嗟に源龍は羅彩女を突き飛ばし、打龍鞭を構えて突っ込む。

「香澄のこと言えないじゃん!」

 突き飛ばされて、突っ込みながら飛んでゆく羅彩女。そうするうちに源龍は火龍の鉄球に接近し、打龍鞭を横薙ぎに振るって打ち付ける。

 しかし打龍鞭は弾かれるように跳ね返され。火龍の鉄球は何の痛手もなさそうにそのまま源龍にぶつかった。

「うおお!」

 思わず吹っ飛ばされる源龍。しかしどうにか踏ん張って、打龍鞭も離さなかった。左手で自分の身体をまさぐったが、打撲はあるが骨折はないようだ。意識もはっきりしている。

「遊んでやがるのか」

 卒倒しそうになる羅彩女に目もくれず、忌々しく源龍は打龍鞭を構えなおした。火龍の鉄球は今度は貴志とマリーのもとに向かっている。

 貴志は迷わずマリーの手を握り、筆の天下を懐に納めて、逃げた。

「お母さん!」

 母の危機に虎碧が飛ぶ。龍玉も続き。源龍と香澄も火龍の鉄球を追う。

「あっ」 

 卒倒しそうになった羅彩女だったが、ふと、この宇宙空間にあの青銅鏡が浮かんでいるのを見て、咄嗟に気を取り直してそのもとに向かうが。青銅鏡は逃げず、そのままその手に掴まれた。

 拍子抜けしたものの、しっかり掴んで。火龍の鉄球を見据えれば。逃げるマリーと貴志を追い、香澄と源龍に虎碧、龍玉が追っている展開だ。

 聖智は軟鞭を垂らしながら傍観しているが、そばにはリオンとコヒョがいる。ただ傍観するだけでなく、子どもらを守ってもいた。

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