うちの子候補2人目:網橋理子(あみはしりこ)
「どもども、Nebburicoです! 本日も『DARK SALT EATER〜それは明るく甘い唐辛子の恋〜』実況プレイ、やっていきたいと思います!」
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「……それでは今回はこの辺で。Have a nice life!」
いつものあいさつで締めて、私はキャプチャーソフトの録画停止ボタンをクリックした。
私の名前は、網橋理子。趣味で動画投稿をしていて、それと並行してアマチュアのネット声優としても活動している。ネット内での名前は、Nebburico。自分の苗字を漢字ごとにそのまま英単語にして、「ネット・ブリッジ・リコ」を略したのが由来。
「……ふぅー。さてと、ちゃんと録れてるか確認して、編集するかなぁー……っと、メール来てる。……あー、こないだ炎羅コースケの声を依頼してた『しゃいる』さんか。えーっと……追加のボイスぅ? ……まーいっか、今は他に頼まれてるもの無いし」
依頼承諾の旨をメールで返信。さっそく録音に入ることにした。今回はこの間も依頼された同人アニメの男子キャラクター、炎羅コースケ。
少し発声練習をしてから、マイクの前に立って、役になりきる。
「っしゃあ! これで決めてやる! 行くぜ! バーニング・フロふ…………やり直し」
録音をやり直して、もう一度。
「っしゃあ! これで決めてやる! 行くぜ! バーニング・フロスト・ライトニング・アターック!」
……うん、いい感じ。
「あともうひとつは……『とりあえずやってみなきゃ、カルレボの世界は変わんねーだろ!』か……。『カルレボ』って確か、このアニメに出てくる『カルタックレボリューション』っていうカルタの派生ゲームのこと……だったっけ」
パソコンの画面を確認して、再びマイクの前に立とうとした、そのとき。
「理子、ご飯できたから降りてきなさーい」
「今行くー!」
っと、お母さんに呼ばれちゃったか。続きは、夜ご飯を食べてからにしよう。




