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うちの子候補1人目:水上(みなかみ)つむぎ

 名前を呼ばれて診察室に入ると、私達の担当医、ひぐらしまどか先生がいつものように笑顔で迎え入れてくれた。


「こんにちは、ひぐらし先生」

「こんにちはつむぎちゃん。調子はどう?」

「……相変わらず、ときどき記憶がよみがえってきます」

「そう……」


 私達は……いや、私は昔、家を放火されて生死をさまよった。

 それを救ってくれたのが、このひぐらし先生。

 私が搬送されたのとほぼ同じ時期に亡くなった四人の少女達から様々な体のパーツを移植してもらい、私は一命をとりとめた。

 この体は、もう私だけのものじゃない。亡くなった四人の分まで、私が生きないといけない。だから、今では自分の肉体の一人称に「私達」を使うようにしている。


 私達が言う記憶とは、その四人の少女の生前の記憶のこと。

 時に元々私が持っていた記憶とそれらが混ざり合い、耳鳴りや頭痛として現れる。先生曰く、合併症に近いものらしい。たとえそれがどんなに苦しくても、私達は強く生きていく。そう、決めた。


 私達は、五人分の人生を持つ人間。水上みなかみつむぎ。

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