神様、万歳
俺は今日死んだ。
死因は交通事故だ。
今俺の目の前には、超機嫌が良い神様がいる。
性別は、たぶん男。
神様に性別があるかなんて知ったことではないがな。
「おい、神様さん」
『なんだなんだ、どーしたんだ』
「なぜ俺は死んだんだ?」
『運命さ、運命は誰にも変えられない。もちろん俺ら神にもな』
運命…そう言われればそれまでか。
まあ、ずっとバイトで食いつないでいるような人生はとっとと捨てて、来世に期待するってのは得策かもしれない。
俺は深く息を吐いた。
すべてが終わった気がした。
『なんだ?つれねえな』
「ここにいて笑えるのはお前らだけだろうな」
『そうだな、ちと俺は今機嫌が良い』
見れば分かる。
『これも何かの縁だ。お前を生き返らせてやってもいいぞ』
「なに!?」
聞き捨てならない。
『俺は今機嫌が良いからな』
「生き返らせるって…元の世界にか?」
『そいつは無理だ。生き返るなら別の世界になるなぁ』
「別の世界?」
『剣と魔法の世界…通称”サバイヴ”』
なんて野性味じみた名前なんだ。
だが、剣と魔法の世界とやらは嫌いじゃない。
これが俗に言う、異世界転生と言うやつで間違いなさそうだ。
「お願いします!」
『俺は今日機嫌が良いから、ついでに一個スキルをプレゼントしよう』
「まじか!」
『全てのアイテムの平均ドロップ率が85%になるスキルだ』
なん…だと…!?
ゲームでありがちな、ドロップ率2%のアイテムとかを、85%の確率で引き当てることが出来るということか!?
『ただし、ドロップ率100%のものは85%にまで下がるからな』
「そんなのは全然問題じゃないさ」
俺は、運が良かった。
死んだ日に運が良かったなんて、不幸な目に遭って死んだ人間に怒られてしまうな。
この神様がなぜ機嫌が良いのかも知らないが、本当に運が良かった。
『くれぐれも死なねえようにしろよ?サバイヴには魔物もいるし、魔法もあるし、魔王もいるぜ』
「そういうのは好きだ」
『現実は違うぜ、アユム・キサラギ』
「俺の名前まで知ってるんだな、流石神様」
俺が神様を持ち上げたのを最後に、意識が飛んだ。




