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昔書いたやつ

王様ゲーム

作者: 粟家 大三治

数合わせの合コンで

突如始まった王さまゲーム。


王さまだーれだ?

はい私です。

じゃあ君、今から一年間、

この国の王ね。

みんなの拍手の嵐で包まれた私。


てなわけで、たまたま

王と書かれた割り箸を引いたから、

私は一年間

この国の王となった。


一介の小商人であった私が

新しい王になることで、

自分達にとって

なにか利益があるのではと

その報を聞いた商店関係者は

おおいに喜んだという。

特に、商店街の組合長の

喜びようときたらなかった、

ということだ。

後から聞いたのだが、

組合長は

あまりの喜びように

布地が少なく

極端に露出度の高い服を身にまとって

街に飛びだし、

降りしきる雨の中で

踊り狂っているところを

治安部隊に

保護された程だという。



私が王になったことで

国名も王の私の名にちなんで

しげる王国

となった。


この瞬間に

先代のたけし王は

任期を終え、

もとの会社員に戻った。


彼は、外交の面で

さまざまな功績を残し、

外交王、の異名で呼ばれていた。


しかし、王ではなくなった今、

国の決まりで

王以外を王と呼んではならないため、

今この瞬間からは

外交たけし、の異名に改められたそうだ。


居酒屋のテレビで流れる

スポーツニュースの上に

今、その旨がテロップで流れた。



私が王に決まった瞬間に

どこからか現れた大臣が

私に教えてくれた。


王となっても

とくに収入が変わるわけでもなく、

過去五年間の平均月収と同額が

毎月支給されるだけらしい。

ただ、三食宿つきなので、

トータルではプラスかもしれない、

とも。



まだまだ実感がわかないが、

とりあえず王になったことだし

これから先、国のために頑張ろう、

最後のチューハイを一息に飲み干し、

私はそう誓うのだった。

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