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魔女が落とした宝物  作者: 内藤ナイト
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二つ目の愛②

 大学での生活にも慣れてきた頃二人目の愛を教えてくれた人物と出会った。私が受講している社会心理学の先生で名前は斎藤歩という。見た目は大人っぽい外見に背も高くスラッとしている。どうやらこの外見を目当てにこの講義を受講する生徒もいるらしい。

 先生の授業を受講した理由は社会心理学なら愛に興味を持ち始めた今の私にプラスになると思ったからだ。先生の最初の授業は皆一度は聞いたことのある『吊り橋理論』についての講義だった。カナダの心理学者による実験から発見された理論であり、その内容は吊り橋と揺れない橋を用意しそこに男性をセッティングする、その後男性の元にアンケート用紙を持った女性を接触させアンケート結果が知りたいならと言い電話番号の書いてあるメモを男性に渡す。すると吊り橋側はほとんどが電話をかけたが、揺れない橋の男性は1割程しか電話をしなかったという実験だった。長くなったが要約すると人は生理的に興奮することで自分が恋愛していることを認識するということらしい。

 説明が終わると一人の女子生徒から声が上がる。

『先生は吊り橋効果を体験したことがありますか?というか恋人はいるんですか?』

 先生の講義はそこまで緊迫した雰囲気はなく、講義中でもこのような薄い内容の質問も爽やかな笑みで応答してくれていた。

『そうだねぇ、私はこのような体験はしたことありません、それと今現在恋人もいません。』と最低限の返答を返した。

 意外そうな顔をした生徒が私の視界に映った。おそらくあの容姿で恋人がいないことに驚いたのであろう。

 私は恋人という関係が成立するのに外見はあまり重要な要素ではないと考えていた。そもそもどんな顔が容姿が良いのか?偏差値のように数値化できないのだから外見の良し悪しを決めること自体が不確定でありそれは自分の主観的評価でしか計れないものだからだ。

 机の上に1つのリンゴがあり3人の人間に第一印象を尋ねたとき色について述べる人、形について述べる人、味について述べる人、様々だろう。同じものを認識しても捉え方しだいでイメージも違ってくる。もちろんこれは人間の外見にも通ずると私は思う。そんな考えが頭の中を巡っているうちに授業は終盤に差し掛かっていた。



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