月下の誓い
ブラックコーヒー@カフェイン増量様主催の百合作品企画「百合増えろ下さい」企画参加に従い、タグに百合増えろ下さいタグを追加致しました。今後も宜しくお願い致します。
後書きにてカミラのキャラクター紹介を置いておきます。
カルヴァドスを飲み干したあたし達は瓶に半分くらい残っていたキルシェも飲み干し、スコルはテーブルに突っ伏して幸せそうな寝顔で安らかな寝息をたてていた。
あたしとカミラは寝ているスコルを起こさない様に立ち上がると小屋の外へと向かい、そこでお湯を入れた盥を用意して空になった皿を一緒に洗っていた。
「楽しい酒だったな」
「フフフ、そうだね」
カミラは皿を洗いながらあたしに声をかけ、それを受けたあたしが心地好い酔いを感じながら相槌を打つと洗い終えた皿をあたしに渡しながら言葉を続けた。
「裕香は不思議だな、軍服姿の時は凛々しくて髪を解いたら楚楚としとした雰囲気になる、そして酒を飲む時は一転して艶やかで魅惑的になる、会って少ししかたっていないのに、色々な姿の裕香を見る事が出来た」
カミラはそう言うと穏やかな笑みを浮かべ、あたしは月光に飾られたその笑顔に心地好い酔いに火照る頬を更に火照らせながら言葉を返した。
「あたしも色々なカミラを見る事が出来たよ、最初に会った時は凛々しい女戦士のカミラ、でもスコルやあたしと話をしたりお料理をしてくれていたた時はとても優しくて包容力のあるカミラ、そしてあたしとお酒を飲んでいた時は少し挑戦的で野性的な魅力に溢れたカミラ、会って少ししかたっていないけどあたしも色々なカミラを見る事が出来たよ」
「……裕香の言葉は真っ直ぐだな、真っ直ぐに私の胸に届いてくる」
あたしの言葉を受けたカミラはあたしを見詰めながらゆっくりと言葉を返し、あたしは頬がじんわりと熱を帯びるのを感じながら言葉を返した。
「……カミラの言葉も真っ直ぐにあたしの胸に届いてくるよ、カミラの言葉もスコルの言葉も真っ直ぐにあたしの胸に届いてくれる。だからこそあたしは真っ直ぐな言葉をカミラやスコルに返せるんだよ」
あたしはそこで一旦言葉を句切り、あたしを見詰めてくれているカミラのトパーズ色の瞳を真っ直ぐに見詰め返しながら言葉を重ねた。
「カミラ、貴女やスコルに出逢えて本当に良かった、二人に出逢えなかったらあたしはどうなっていたか分からないから、本当に、ありがとう」
あたしがそう告げるとカミラは穏やかに微笑み、その後にあたしを優しく見詰めながら言葉を続けた。
「出逢えない筈等無いさ裕香、お前と私達が逢うのは女神様の御導きだったのだからな」
「女神様!?」
カミラの告げた言葉を受けたあたしは驚きの声をあげ、カミラは頷いた後に静かに言葉を続けた。
「昨夜夢に私が忠節を誓っている女神様が姿を現して下さった、女神様は翌日の夜に私達が時の気紛れに呑み込まれた一人の女性と出逢うと告げた、そして私が彼女の事を気に入ったならば彼女に仕え、彼女を助けながら彼女と共に征けとお告げ下さったのだ、その時は半信半疑と言った所だったが今宵こうして女神様が伝えて下さった通り私達はお前と出逢えた」
カミラはそこで一度言葉を止め、トパーズ色の瞳に迷いの無い真っ直ぐな光を宿しながら言葉を告げた。
「裕香、私は女神様の御告げに従うつもりだ、お前に仕え、お前を助け、そしてお前と共に征くつもりだ宜しく頼むぞ」
「……カミラ」
カミラの真っ直ぐな視線と言葉を受けたあたしは少し掠れた声でカミラの名を告げ、優しく微笑みながら頷いたカミラを見詰めながら言葉を続けた。
「……本当に構わないの、カミラ?カミラだったら分かる筈だよ、あたしの能力がカミラやスコルには到底及ばない事……」
「ああ、承知している、だが、それでも私はお前に仕えるつもりだ、そして恐らくスコルも私と同じ選択をする筈だ」
あたしの言葉を受けたカミラは言下に言葉を返し、それから真っ直ぐな眼差しであたしを捉えながら言葉を続けた。
「……スコルからお前とあった時の話を聞いた、お前は短銃一つで黒狼達と対峙していたそうだな、並の人間にそんな真似は出来ない」
「違うよ、カミラ、あの時のあたしは黒狼がどれ程恐ろしい奴なのか知らなかったんだよ、もしもカミラがあたしの行動を勇敢だと思ってるんだとしたら、それは間違いだよ、あたしのした行動は勇敢じゃなくて単なる蛮勇だよ」
カミラの告げてくれた言葉を受けたあたしはゆっくりと頭を振りながら言葉を返し、カミラはあたしの言葉を受けると優しげに微笑いながら言葉を重ねた。
「……その自己分析力だよ裕香、並の人間なら私のあの言葉で舞い上がってしまうかも知れないのに、お前は違った、あの行動を振り返り、冷静に判断出来していた。それが私がお前に仕える理由だ、裕香」
「……でも」
カミラの告げてくれた言葉は真っ直ぐにあたしを捉えてくれたが、あたしはカミラの言葉を受け入れる踏ん切りがつかず(確かにカミラもスコルもあたしのデッキに入っていたお気に入りのキャラクター達、だけどそれだけの理由であたしがカミラの言葉を軽軽に受け入れてカミラやスコルをあたしの行動に縛りつけてしまう事が申し訳なかった)に口ごもってしまっているとカミラは小さくため息をつきながら呟いた。
「……これだけ言っても受け入れてくれない様だな、これでも少しは魅力があると自惚れていたんだがな、どうやら私にはそれほど魅力は無いらしいな……」
「そ、そんな事無いよ、カミラはとっても魅力的だよ、だからカミラの言ってくれた事はとっても嬉しいのだけどあたしの為にカミラやスコルをしばっ……っ」
カミラの自嘲気味の言葉を受けたあたしは急いで言葉を返そうとしたが、その途中でそれを遮る様にカミラの人指し指があたしの唇に当てられ、あたしが思わず言葉を飲み込んでしまうと、カミラはあたしの唇に人指し指を押し当てたままあたしを見詰めて口を開いた。
「……初めに言った筈だ、女神様は私がお前を気に入ったならば仕えよと御告げになったと、裕香、私はお前が気に入ったからお前に仕え、お前と共に征くと決めたのだ、私もスコルも傭兵が初めてと言う訳では無い、心配するな裕香、お前の存在が私にとって重荷になる事等有り得ない、それと、あんまり受け入れてくれないと、本気で私に魅力が無いのかと落ち込んでしまうぞ」
真っ直ぐな眼差しで言葉を告げてくれたカミラは最後にあたしを安心させる様に穏やかに笑いながらそう言ってあたしの唇から指を離し、あしは唇に残るカミラの指先の感触とカミラの告げたくれた真っ直ぐな言葉を噛み締めると心臓を早鐘みたいに五月蝿く鳴らせながら口を開いた。
「……分かった、ありがとねカミラ、それと、カミラの願いをなかなか受け入れられなかったのは、カミラが魅力的じゃないからなんて理由じゃ無いからね、カミラはとっても素敵でとっても魅力的な女戦士だよ」
あたしはカミラを見詰めながら偽りの無い言葉を告げ、それを受けたカミラは頷いた後に穏やかな笑みと共に言葉を重ねた。
「ありがとう裕香、裕香は優しいな、その優しさも私がお前に仕え様と思った理由だよ」
カミラはそう言うと最後の皿を洗ってあたしに手渡し、あたしがそれを拭き終えたのを確認すると立ち上がりながら言葉を続けた。
「今日はそろそろ眠るとしよう」
「……そうだね」
あたしはそう答えると拭き終えた皿を手に立ち上がり、カミラは盥の水を捨てた後にあたしが持っている皿の半分を持ってくれた。
それからあたしはカミラに促されて小屋へと戻り、棚に拭き終えた皿を戻した後に安らかな寝息をたてているカミラの所へと歩み寄った。
「スコル、起きろ、ベッドに行くぞ」
スコルの所に近寄ったカミラは優しく声をかけながらスコルの身体を軽く揺さぶり、スコルはのっそりと起き上がると欠伸をした後に寝惚け眼をショボショボとさせながら口を開いた。
「……ふあ……寝ちゃってた」
「そうだな、さあ、ベッドに行くぞスコル」
スコルは寝惚け眼のまま舌足らずな口調で呟き、カミラは相槌を打ちながらスコルをベッドへと案内しながらあたしに声をかけてきた。
「裕香も来てくれ、この家にはベッドは一つしか無いからな、大きさは充分だから申し訳無いが一緒に寝て貰うぞ」
「え?でも」
カミラの言葉を受けたあたしは慌てて言葉を返そうとしたがカミラはそれを制する様に優しく微笑みながら頷き、それを目にしたあたしはそれ以上言葉が告げられずに頷いた。
それからあたし達はベッドへと移動し、うつらうつらしながら移動していたスコルはベッド脇に到着するとベッドの上にそのはち切れんばかりに瑞々しい肢体を横たえると直ぐに安らかな寝息をたて始めた。
「裕香はスコルの隣に寝てくれ」
カミラは安らかな寝息をたてるスコルを優しく見詰めながらあたしに声をかけ、あたしは頷いた後にベッドに上がって安らかな寝息をたてているスコルの横に身体を横たえた。
あたしが身体を横たえるとあたしの視界は安らかな寝息をたてるスコルの無防備な姿に占められてしまい、あたしがその安らかな寝顔と寝息に合わせて微かに身動ぎする引き締まった瑞々しい肢体に頬を火照らせていると、その耳にベッドが微かに軋む音が届いた。
あたしが音のした方に視線を向けるとカミラがベッドに方膝を乗せていた所であり、あたしの視線に気付いたカミラは蠱の含んだ笑みを浮かべながらあたしに声をかけてきた。
「私はお前の隣で眠らせて貰うぞ、裕香」
カミラはそう言いいながらもう片方の膝をベッドに乗せると四つん這いの姿勢であたしの所に近付き、あたしは四つん這いと言う扇情的な姿勢で迫るカミラのワイルドな美貌とセクシー衣装に包まれている引き締まった魅惑的な肢体を無言で見詰めてしまった。
カミラはあたしの隣に移動して来るとゆっくりとその身を横たえ、あたしが目の前に横たわるカミラのスコルに勝るとも劣らない魅惑的な肢体に思わず見入ってしまっていると蠱を含んだ笑みを浮かべたまま口を開いた。
「……フフフ、どうかな裕香、これでも少しは自慢なんだぞ、この身体」
「……うん、とっても綺麗だよ、カミラ」
カミラの言葉を受けたあたしは間近に横たわるカミラの引き締まった肢体に見とれながら称賛の言葉をもらし、それを受けたカミラは誇らしげに微笑いながら言葉を続けきた。
「……フフフ、裕香にそう言って貰えると本当に嬉しいよ、ありがとう、裕香」
そう言うカミラの笑顔は何時ものワイルドで野性味溢れる雰囲気とはだいぶ異なる包み込む様に優しい笑顔で、あたしはその笑顔に頬を更に火照らせながら左手をカミラの目の前に掲げながら言葉を続けた。
「……ねえ、カミラ、手を握ってくれる?」
「……喜んで」
あたしの言葉を受けたカミラは優しく微笑みながら返答した後にあたしの手を優しく、そしてしっかりと握ってくれて、あたしはカミラの手を握り返しながらもう片方の手を安らかな寝息をたてているスコルの手に自分の手を重ねた。
あたしの手が重なるとスコルは寝ながらあたしの手を握ってくれて、それを目にしたあたしは頬を緩めてスコルの安らかな寝顔を一瞥した後に視線をカミラに戻して言葉を続けた。
「この世界に来て初めて逢えたのが貴女達で本当に良かった、本当にありがとね、あたしと出逢ってくれて」
あたしはそう言いながらカミラとスコルの手を握り締め、カミラは優しくあたしの手を握り返しながら言葉を続けてくれた。
「私もお前に出逢えて良かったよ、ありがとう裕香、私達に出逢ってくれて」
カミラはそう言うと優しく微笑み、あたしは重ね合った手からカミラとスコルの存在を感じながらカミラと微笑みを交わした。
「おやすみなさい、カミラ」
「ああ、おやすみ、裕香」
あたしがカミラに告げるとカミラは優しい言葉でそれに応じてくれて、あたしはその言葉と重なり合った手から感じるカミラとスコルの存在に導かれながら眠りへと誘われて行った。
異世界の夜、輝く月の下であたしはセクシーで素敵な女戦士から主従の誓いを受けた。
そしてあたしは月下の誓いを交わした彼女と、異世界で初めて出逢ったセクシーで可愛い狼さんに包まれながら眠りの世界へと誘われて行った。
カミラ
レアリティ・UR
攻撃力・1万5千
防御力・2万5千
台詞・お前が私の主となる者か?女神様からの御告げでその事は知っている、これから宜しく頼む、所でここにスコルは居るか?居ないなら彼女も探して味方にすれば良い、あいつもきっと味方になってくれるぞ。