宴
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カミラとの挨拶を終えたあたしはカミラとスコルに案内されて歩き始め、30分程歩いた後に森の一角を切り開いて立てられている木造の家へと到着した。
「ここが私とスコルの住んでいる家だ、大したもてなしも出来んがゆっくりしてくれ、裕香」
「いらっしゃい、裕香」
「お邪魔します」
先に中へと入ったカミラとスコルはそう笑顔を浮かべながらあたしに告げ、二人の言葉を受けたあたしはそう応じながら小屋の中へと入った。
小屋の中は仕切りの無い部屋で前方が竈とテーブルが存在するダイニングキッチンとおぼしきスペースでその奥にはかなり大きなベッドが一つ置かれており、あたしはシンプルだが素朴で落ち着いた雰囲気の室内をゆっくりと見渡しながら口を開いた。
「とっても素敵なお家だね」
あたしがそう言うとカミラとスコルは嬉しそうに笑みを浮かべ、その後にカミラは竈へと向かいながらあたしに声をかけてきた。
「裕香、汗をかいただろう?今スコルにお湯を用意させるから良かったら外で湯浴みをしてくれ、私は食事を用意する」
「……へ?」
竈に向かうカミラはさらっととんでもない事をあたしに告げ、あたしが素っ頓狂な声をあげてしまっているとスコルが笑顔であたしに追い討ちをかけてきた。
「裕香、あたしとカミラは家に脇に立ってた大きな木の横で湯浴みや水浴びをしてるからそこで待ってて、すぐお湯を持っていくからね」
「え……あの……ハイ……ワカリマシタ」
カミラに続いてスコルがかけた真っ直ぐな好意の言葉を受けたあたしはそれに押し切られて、妙に平坦ななイントネーションの言葉で応じながら小屋の外へと出た。
小屋の外に出たあたしは小屋の傍らに立つ立派な古木の所へと移動するとその根元に背負っていた鞄を降ろし、鞄を背負い続けていて強張った肩を解す為に大きく伸びをした後に地面に置いた鞄の脇にしゃがみ込んで蓋を開けた。
鞄を開けたあたしはそこから替えのシャツと下着(何故かあたしが使っていたお気に入りの下着が何枚か入っていた、おまけと言う事なのかもしれないが今の状況ならルクレールが1個連隊くらい欲しいと心底思わないでもなかったが、お気に入りの下着だったのでちょっとは嬉しかったりした)を出して暫く待っているとスコルがお湯を満たした大きな盥を軽々と抱えながらあたしの所へとやって来た。
「お待たせ裕香、お湯持って来たよ」
スコルはそう言いながら盥をあたしの近くに置いた後に盥と一緒に持っていたタオルみたいな布を手渡してくれそれを受け取ったあたしは暫く躊躇った後に腹を括って軍服(もうめんどくさいから軍服みたいな服から軍服に変えた)を脱いだ。
あたしが軍服の上着を脱ぐとお気に入りのブラ(下着だけは元の世界にいた時に着ている物だった)に包まれたそれなりに自慢のFカップの胸が露になり、それを目にしたスコルは興味津々といった様子であたしの胸を見ながら声をかけて来た。
「結構大きいね、裕香って着痩せする方なんだね」
「うーん、確かにそうかも、スコルやカミラには負けるけど結構いい線いってるでしょ?」
スコルの言葉を受けたあたしは笑いながら言葉を返し、スコルは笑顔で頷いた後に更に言葉を重ねた。
「……うん、とっても綺麗だよ裕香、それじゃゆっくり湯浴みしてね、あたしが周りを見張っといてあげるから、後これで身体を拭いてね」
スコルはそう言いいながらもう一つタオルみたいな布を渡した後にあたしに背を向けてくれ、あたしはその引き締まった肢体を一瞥した後に服を脱ぎポニテを解いた後に湯浴みを始めた。
程好い温かさのお湯を浸したタオルで全身を拭いた後に髪を洗い、その後に顔を洗いながら周囲を見張ってくれているスコルに視線を向けた。
スコルはあたしに背を向けたまま周囲を見張っくれていて、それを確認したあたしはスコルの存在をしっかりと噛み締めながら温かなお湯で顔を洗い終えると立ち上がって身体を拭きながらスコルに声をかけた。
「……終わったよ、ありがとね、スコル」
あたしが声をかけるとスコルはゆっくりと振り返り、ポニテを解いたあたしの姿を目にして柔らかく微笑みながら口を開いた。
「裕香って髪を解いても綺麗なんだね」
「そっかな、スコルだってとっても綺麗だよ」
スコルの称賛の言葉を受けたあたしは面映ゆさを感じながら言葉を返し、それを受けたスコルは尻尾をゆっくりと振ってはにかみながら言葉を続けた。
「ありがとね、裕香、脱いだ服はあたしが洗っておくから服を着替えて小屋に戻ってて」
「……本当に色々ありがとね、スコル」
スコルの言葉を受けたあたしはスコルの優しさを噛み締めながら御礼を言った後にお気に入りの下着を身につけ、それを目にしたスコルは興味深げな面持ちであたしに近付くとあたしの下着を見詰めながら口を開いた。
「裕香の下着ってなんだかとってもお洒落で可愛いね」
「ありがと、スコル、これお気に入りなんだよ」
スコルが告げた言葉を受けたあたしは笑顔で応じながら新しいシャツに袖を通し、それからスボンに視線を向けたが暫く考えた後にそれを鞄へと戻した。
「ふふ、これだけで良いかな、ここにいるのはスコルとカミラだけなんだし」
「フフフ、そうだね」
ズボンを鞄に戻したあたしが笑いながらスコルに声をかけると、スコルも笑いながら相槌を打ってくれ、あたしがそれに頷きつつ軍靴を履いて鞄を抱えると笑いながら小屋を示して言葉を続けた。
「あたし、裕香の服を洗ってるから先に帰ってて頂戴」
あたしがスコルの言葉に頷いた後に小屋に戻ると竈の前ではカミラが火にかけた鍋を見ていて、入ってきたあたしに気付いたカミラはあたしに視線を向けると穏やかな笑みを浮かべながら声をかけてくれた。
「湯浴みが終わった様だな、椅子に座って待っていてくれ、もうすぐ出来るから」
カミラの言葉を受けたあたしは頷きながら鞄を部屋の隅に置いた後に椅子の一つに腰を降ろし、カミラはあたしの方を振り向くと穏やかな笑みを浮かべながら口を開いた。
「髪を解いたのだな、最初にあった時の後ろで纏めていた時も凛々しくて良かったが、今は楚楚としてしていていいな、武骨な私から見れば羨ましい限りだ」
カミラの言葉と笑顔もスコルの様に真っ直ぐで、それを受けたあたしは頬を仄かに火照らせながら言葉を返した。
「カミラもとっても素敵だよ、とっても凛々しくて、そしてとっても綺麗だよ」
「……ありがとう裕香、今までそんな風に面と向かってに褒めてくれるのはスコルだけだったよ」
あたしが精一杯思いを籠めて告げた言葉を受けたカミラははにかんで少し頬を赤らめながら御礼を言うと、再び鍋の方へと向き直りあたしはその魅惑的で引き締まった後ろ姿を一瞥した後に視線を入口へと向けると室内へと入って来てスコルと視線が合った。
「裕香、服を洗って干して置いたよ」
「ありがとね、スコル」
スコルが笑顔と共にかけてくれた言葉を受けたあたしは頷きながら返答し、スコルが笑顔で頷いているとカミラが鍋を見ながらスコルに声をかけた。
「スコル、そろそろシチューが完成する、皿を用意してくれ」
「うん、分かった」
カミラに声をかけられたスコルは弾んだ声で返事をしながら竈の近くに置かれていた棚の所へと移動して木彫りの深皿と平皿を3つづ取り出し、平皿をテーブルに並べた後に深皿を手にカミラの傍らへと近付いて口を開いた。
「カミラ、お皿だよ」
「ありがとう、スコル、お前はパンや果物を用意してくれ」
「うん、任せといて」
カミラの新たな指示を受けたスコルは笑顔で応じながら再び棚の所へと戻り、パンやビスケット(あたしが持ってる岩みたいに固い奴よりはだいぶ柔らかい奴)が入った籠や干し葡萄や林檎が入った籠、チーズの塊なんかを抱えてテーブルへと近付いて来た。
「待っててね裕香、もうすぐ出来るから」
スコルは笑顔であたしに話しかけると平皿にの上にパンやビスケット、チーズ、干し葡萄や林檎なんかを並べ、それに平行してカミラが温かな湯気を立てるベーコンや野菜の入ったシチューで満たされた深皿をに並べていった。
シチューの皿を並べ終えたカミラは続いて木のコップと素焼きの水差し、木の匙を並べ、それを終えた後にスコルと共に椅子に腰を降ろしてからあたしに向けて口を開いた。
「待たせたな、裕香、間に合わせな食事だが食べてくれ」
「そんな事無いよ、とっても美味しそうだよ、ありがとねカミラ、それじゃあ、頂きます」
あたしはカミラに御礼を言った後に木の匙を手に取り、温かな湯気を立てているシチューを掬って口へと運んだ。
カミラが作ってくれたお手製のシチューはこの小屋に至るまでの道のりによって再び良い具合にお腹が空いていたあたしを満たし、あたしはその味を噛み締めた後に笑顔を向けながら口を開いた。
「とっても美味しいよ」
「そうか、それじゃあ私達も食べるとしようか、スコル」
あたしの言葉を受けたカミラは穏やかな笑顔でスコルに話しかけ、それからカミラとスコルは笑顔で頷き合った後に木の匙を手に取ってシチューを食べ始めた。
あたし達はあっという間に深皿に盛られたシチューを平らげてしまい、あたしはパンを食べつつ空になった皿を満足げに見詰めながら口を開いた。
「とっても美味しいかったよ」
「そうか、そう言ってしかも綺麗に食べて貰えると嬉しいよ」
あたしの満足げな言葉を受けたカミラはそう言いながらスコルと笑顔を交わし、空になった深皿を集めた後にあたしに向けて酒杯を傾ける仕草を見せながら言葉を続けた。
「こっちはイケる口か、裕香?何時もはこれからスコルと果実酒で少し晩酌を楽しむんだが、良かったらお前もどうだ?」
「良いわね、あたしも結構いける口だから喜んで御相伴させて貰うわね」
カミラの言葉を受けたあたしは笑いながら返答し、あたしの答えを聞いたスコルは嬉しそうに笑いながら立ち上がって棚の所へと向かい、棚から素焼きの瓶を一つ取り出してテーブルへと戻ってきた。
「裕香、これはさっき食べた桜桃のお酒なんだよ」
「キルシェかあ、いい薫り」
スコルが説明しながらテーブルに置いた瓶の蓋を開けてくれたのであたしは瓶に顔を近付けてそのフルーティな薫りを楽しみながら呟き、同時に鞄の中にあるカルヴァドスが満たされた銀の水筒の事を思い出したので立ち上がりながら口を開いた。
「そう言えば、あたしの鞄にもお酒が入った水筒があったよ、それも皆で飲もうよ」
あたしがそう言うとカミラとスコルも笑顔を浮かべて頷いてくれ、あたしはそれを確認した後に鞄の所へと移動して中からカルヴァドスの入った水筒を取ってテーブルへと戻った。
「はい、あたしが持ってるお酒はこれだよ」
椅子に座ったあたしはそう言いながら水筒の蓋を外し、カミラとスコルは水筒に顔を近付けてカルヴァドスの芳醇な薫りに目を細めた。
「カルヴァドスか……しかも、中々の上物だ」
「……良い匂い、匂いだけで酔っちゃいそう」
カミラとスコルはカルヴァドスの薫りを堪能しながら呟き、あたしが頷きながら蓋を閉じるとカミラがキルシェの入った瓶に手を伸ばしながら口を開いた。
「あんな上物の前では恥ずかしい限りだがやってくれ、裕香」
「そんな事無いよ、とっても楽しみだよ」
あたしがカミラの言葉に応じながら空にした木のコップを手に取ると、カミラは穏やかな笑みと共にコップにキルシェを注いでくれ、その後に自分のコップとスコルのコップにもキルシェを注いだ後に瓶をテーブルへと置いた。
カミラが瓶をテーブルに置いたのを確認したあたしとスコルはキルシェが満たされたコップを手にして軽く掲げ、カミラは頷いた後に自分のコップを手にして軽く掲げながら口を開いた。
「私達と裕香の出逢いを祝して、乾杯」
「「乾杯」」
カミラの音頭を受けたあたしとスコルは声を合わせて応じ、それからあたし達は掲げたコップを軽く打ち合わせた後にそこに満たされているキルシェをゆっくりと喉へと流し込んだ。
「うん、フルーティでとっても美味しい」
あたしはカミラお手製のキルシェのフルーティな味わいを堪能しながら呟き、あたしの呟きを受けたカミラとスコルは嬉しそうに笑いながら頷き合った。
それからあたし達は平皿に残ったパンやビスケット、チーズ、干し葡萄や林檎等を肴にキルシェを堪能し、瓶の半分程を空にした所でカルヴァドスを飲んでみる事にした。
「……やはり上物だな」
「……うん、とっても良い匂い」
カミラとスコルはあたしがコップに注いだカルヴァドスの芳醇な薫りに満足げな呟きをもらした後にコップを傾け、あたしもカルヴァドスの芳醇でフルーティな薫りを堪能しながらゆっくりとカルヴァドスを口に含んで口の中に拡がる芳醇でフルーティな味わいをじっくりと味わった。
「……うん、美味しい」
「……ああ、見事な味だな」
「……美味しい」
あたしが満足げに呟いているとカミラとスコルからも感嘆の声があがり、あたし達はもう一度コップを傾けてカルヴァドスを味わった。
あたし達のコップは直ぐに空になってしまい、あたしはカルヴァドスの入った水筒を掲げながらカミラとスコルに声をかけた。
「もっと入れるね」
「……ああ、そうだな」
「……あたしも欲しい」
あたしの提案を受けたカミラとスコルは頷きながらそれを受け入れ、あたしは頷いた後にカミラとスコルの間を指差しながら言葉を続けた。
「ねえ、二人の間に行ってもいい?」
「……ああ、構わないよ」
「……ようこそ、裕香」
あたしの言葉を受けたカミラとスコルはそう言いながら椅子をずらしてスペースを開けてくれて、それを確認したあたしは椅子をそこに移動させて腰を降ろした後に水筒を手に取りながらスコルに声をかけた。
「入れてあげるね、スコル、コップを持って」
「うん、お願いね裕香」
あたしの言葉を受けたスコルはほんのり赤らんだ顔をフニャッと緩めながらコップを手に取り、あたしはスコルを見詰めながらそのコップにカルヴァドスを注いだ。
「はい、入れたよスコル」
「えへへ、ありがとね、裕香」
あたしが声をかけるとスコルは嬉しそうに笑いながら御礼を言い、あたしは頷いた後にカミラに視線を向けて口を開いた。
「カミラのコップにも入れてあげるね」
「……ああ、頼む」
あたしの声を受けたカミラはそう答えながらコップを手に取り、あたしはカミラの顔を見詰めながらそのコップにカルヴァドスを注いだ。
「手元、見ないんだな」
「……フフ、だいたいの見当はつくし、それにカミラやスコルの顔、見ていたいから」
カミラに声をかけられたあたしはカミラの顔を見詰めて答えながらカミラのコップにカルヴァドスを注ぎ終えると水筒を掲げてみせ、カミラはあたしが手にした水筒に手を伸ばしながら更に言葉を続けた。
「……私がお前のコップに入れてやるよ、裕香」
「……うん、ありがとう、カミラ、もう残り少ないから全部入れて大丈夫だよ」
カミラはそう言いながら水筒を手に取り、あたしが空いた手に自分のコップを持つとカミラはあたしの顔を見ながらあたしのコップにカルヴァドスを入れてくれた。
カミラのトパーズ色の瞳はあたしをしっかりと捉え、あたしはキルシェとカルヴァドスに心地好く火照る頬を更に火照らせながらカミラを見詰め返した。
カミラはあたしを見詰めながらあたしのコップにカルヴァドスを入れると空になった水筒をテーブルに置き、それを確認したスコルが甘えた声で見詰め合うあたしとカミラに声をかけてきた。
「カミラも裕香もズルいよ〜あたしも混ぜて〜」
「フフ、ごめんね、それじゃあ皆で乾杯しよ」
スコルの甘えた声を受けたあたしがカミラとスコルを交互に見ながら告げるとカミラとスコルは頷く事でそれに応じ、それを確認したあたしはコップを掲げながら音頭をとった。
「それじゃあ、乾杯」
「「乾杯」」
あたしの音頭に続いてカミラとスコルが同時に口を開きながらコップを掲げ、掲げたあたし達はコップは静かに重なり合った。
異世界を訪れた初めての夜、あたしはセクシーで素敵な戦士さんとセクシーで可愛らしい狼さんと共にとっても素敵な宴を経験した。