dream of meisje
ぼんやり誰かが必要だと思ったその夜、まだ3月の寒い中毛布にくるまって泣きながら眠ってしまった。夢の中ではどこまでも続くジャムの海の中で溺れていた。何故か片手にはマグとスプーンを持っていた。ジャム瓶に紛れ込んだ蟻のようなものなんだろうか…
歯磨きをせずに眠ってしまったからかもしれない。
次の日夜明け前に目覚めて、隣のクッションに頭を乗せて眠る猫に毛布をかけなおしてやりながらスマホを眺めた。SNSでの楽しそうな元同級生たちの顔が憎たらしくて、羨ましくて、私だけが一人な気がしてまた朝から気分は最悪だった。
もう一度眠り直す気にもなれずに起き出して顔を洗い、髪をポニーテールにして、耳のピアスを選んだ。
耳は軟骨から耳朶まで左耳に10個、右耳に5個のピアスがあいている。左耳のうち2個はインダストリアルという軟骨から軟骨までを貫くピアス。インダストリアルは全く安定していないから、血が滲むのもリンパ液が沁みだすこともよくある。今回なんか耳がジンジン痛む。慌てて軟膏を塗って鏡の前で色々考える。この痛みはとっても非生産的なことのために起こってるんだな、とおもう。でも身体の痛みが他の諸々を忘れるのに一番効き目があるのも確かだった。
どうしても1人が嫌なら恋人でも作ればいいときっと周りはいうだろうという想像はついたけれど、わたしは家族が欲しかった。恋人の場合はその最初の駆け引きだとかがとても煩わしく感じた。
即急に家族がほしい。私を裏切らない家族