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Fresh cream bath
脱衣所に煩雑に放り出された何十個ものスプレー缶。
パーティ向けなのかやたらにテンションの高い赤い缶から押し出した生クリームは見ているだけで胸焼けがしたけれど、全部浴槽に絞り出した。白いバスタブに白い生クリーム。底の方のクリームはさっさと変色しだしたし、予想外に時間のかかる作業にうんざりしたけれど、肩まで浸かれそうなあたりまで生クリームをいれた。その中にそろりと片足をつけて、様子を伺いながら全身を生クリームの中に入れる。妙に甘ったるい匂いだけで何だか息が苦しい。やわらかくてひんやりする。
あぁでも油分がまとわりついて、髪についたらきっと厄介だ、確かにその時はそう思った。
でももうどうでもいいよね。その髪だって褒めてくれる人はいなくなったんだから。
一瞬浮かんだその顔が滲んで、私は生クリームに頭ごと顔を埋めた。