序章
東城凛はオタクである。
それはもう、オタクの中のオタクであり、オタクの鏡として崇められるのではないかと思うこおとすら出来るほどオタクである。
衣食住、すべての生活費をオタク趣味につぎ込んだ結果として年間の生活費として両親からいただいた数百万のお金を二ヶ月で八千円にしてしまうほど生粋のオタクである。言い換えればそれはバカというのだとあたしは思っているが……。
ただし、そんな東城凛はただのオタクではない。いや、確かに数百万が二ヶ月でなくなるほどのバカなのだからただのオタクではないのだけれど、そういう意味じゃなくて……、あぁもう面倒くさい! ようは東城凛はこれでも高校生にしてこのあたし、鳳美華の専属執事なのだ。
どのくらいすごいかと言えば、それはもう中卒の学歴で日本の総理大臣になるほどのことだ。
「いや、そんなにすごいわけないだろ!」
「ちょっとあんた何してんの?」
「うるせぇ。つーか、前振りなら事実だけを正確に伝えろよ」
「うっさい、バーカ、バーカ」
「何か、それはどこぞの金髪ツインテールお嬢様のまねか? リアルでやると痛いからやめろよ?」
「……」
無言で足蹴にされてしまったが、ここからは鳳家の至らぬお嬢様に変わってこの東城凛が説明を引き受け――。
あれ? もう、そろそろページの都合上終わらせてほしい? いやでも俺はまだ数行しかしゃべってry
と、いうわけで今回はそんな執事になった経緯をお話しましょう…………。