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第3話 都市への挑戦と新たな課題

この後の展開と整合性を合わせるため、少し改稿いたしました。(大筋は一緒です)

 リサとの出会いから数日後。

 チアダンス部員たちは、再び馬車に乗り、次の目的地である「大きな都市」へと向かっていた。町の人々からのお礼の言葉と、リサの笑顔が、彼女たちの心を温かく満たしている。

 しかし、町を離れるにつれて、再び空は紫色に染まり、瘴気の匂いが濃くなってきた。

「あ、あれが...」

 エマが震える声で窓の外を指さす。

 遠くに見えるのは、巨大な城壁に囲まれた都市。だが、その全体を分厚い黒い霧が覆い、まるで巨大な怪物が眠っているかのようだ。

 馬車を降りると、そこには多くの冒険者や騎士が集結していた。彼らは、都市を解放しようと試みては、瘴気に阻まれ、撤退を余儀なくされていた。

 騎士団長が、険しい表情でミナたちに語りかける。

「この都市の瘴気は、これまでとは比べ物にならない。君たちの力でも、厳しいかもしれない」

 その言葉に、全員が息をのんだ。


 ミナは、騎士団の言葉に動揺しながらも、仲間たちに視線を送る。

「やれる、よね?」

 ユカとサキが静かに頷き、中心に立つ。ハルがベースとなり、アオイとカノンがトスを上げる。

 「1、2、3、4」

 ミナのカウントで、練習してきたコンビネーション技が始まる。

 全員の動きが完璧にシンクロし、彼女たちを中心に、暖かな光が放たれる。その光は、これまでよりも強く、輝かしい。

 「聖魔法」だ。

 光は、都市の瘴気に立ち向かい、ゆっくりと、しかし確実に押し返していく。

 しかし、都市の入り口に差し掛かったところで、瘴気が反発するように光を弾いた。

 「くっ...!」


 ミナが顔を歪める。全員が全力を出したにもかかわらず、瘴気はビクともしない。


「だめだ... ...。これ以上は、無理だ...!」

 騎士団長が撤退を命じる。

 ダンスを終えた8人は、肩で息をしながら、自分たちの力不足を痛感した。

 「今の私たちじゃ、この都市を救えない...」

 リコが悔しそうに涙をにじませた。


 その夜、彼女たちは騎士団から提供された宿舎で、作戦会議を開いていた。

「このままじゃ、ダメだ。もっと、強い魔法が必要だ...」

 ミナが頭を抱える。

 すると、扉がノックされ、騎士に連れられた一人の少女が入ってきた。


 彼女は、以前町で出会ったリサだった。

「リサ、どうしてここに?」

 ミナが驚いて尋ねる。

「私も、みんなを助けたいって思ったんだ。だから、騎士の人にお願いして、ここまでついてきたの」

 リサは、少し恥ずかしそうにしながらも、はっきりとそう答えた。

 彼女は、8人のダンスから「聖魔法」のヒントを得て、この世界の魔法の知識と、

彼女たちのダンスを組み合わせれば、より強力な魔法が使えるのではないか、と提案する。


 リサは、故郷に伝わる「癒しの歌」と「聖なる舞」を語り始めた。

その舞は、チアダンスの動きとどこか似ており、ミナたちは驚きと興奮を隠せない。

「この舞は、古くから伝わるもので、私たちの先祖が、聖魔法の使い手だったんです」

 リサは、自分の一族が、かつて瘴気と戦った歴史を語った。


「私たちの『舞』と、あなたたちの『ダンス』を合わせれば、きっと\...\...」

 リサの言葉に、チアダンサーたちは希望を見出した。

彼女たちは、リサの踊りを真似し、そこに自分たちのチアダンスの技術を加えていく。

 リコは「この動き、私が得意なタンブリングと似てる!」と興奮し、

ユカとサキは「双子のコンビネーションに、リサの舞を取り入れてみよう!」と早速アイデアを出し合う。

 この世界で初めてできた友人が、彼女たちの道を照らしてくれる。

 チアダンサーたちは、都市解放という次の課題に挑むことを決意したのだった――。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

ご意見・ご感想などあれば、お寄せください。よろしくお願いいたします。

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