てんまるがなかったころ
毛筆の時代、句読点は存在しなかった。
俳句に句読点は無い。
短歌に句読点は無い。
さらさらと書き付ける筆に、点も丸も似合わなかった。
恋の歌は洒落ていて、相手の気を惹かないといけない。教養と感情が試される、厳選された語句に、点と丸は見つからない。
区切りのない律は、点と丸から自由だ。
SNSの中は、自由に見せかけて、区切りを、文字数制限を大事に守っている。
てんまる、てんまる。
読みやすく、わかりやすく。
リーダビリティを大切に。
活版印刷で決まったルールを、WEB上でも意識する。
だって、その方が見やすいから。
読む人に読まれることを意識して付ける点と丸は、時に諍いの種になる。
、、、は?
。。。は?
ありか無しか?
、、、はすいかのタネ。
。。。は朝顔のタネ。
その程度の違いではないらしい。
縦書きと横書き、印刷物とWEB上、てんまるは縦横無尽に動き回る。
ある文を区切り、カチ割り、読みやすく、読みにくくするために。
てんまるがなかった頃にはもう、戻れないのだ。
エックスで書いてたら、二百字を超えたので投稿しました。