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解雇

 

 ひどい。

 前世では推しに階段から突き落とされ、今世では担当アイドルのせいで階段から落ちた。

 アイドルに裏切られ、推しに殺されたというのに、現世ではマネージャーという、最も献身的に支える立場になっていた。

 アイドルとは関わらないと願ったのにこの仕打ち。

 神様ひどくないですか!?


「ふ、ふ、ふざけるなぁぁぁー!!」


 意識を取り戻したエスタは、勢いよく起き上がり目の前の男をぶん殴った。


「な、なにをしている!」

「……ん?」


 エスタが恨みを込めて殴った相手は、叡智でも神様でもない。


「……あれ? ここマンションじゃない!? あ、『私』じゃなくて『エスタ』か!」


 前世の記憶を取り戻したばかりで、頭の中が混乱していた。


「なんてことを……、正気か!? ハッ! ロズリー大丈夫か!?」

「……あれ?」


 床に倒れるロズリーの目は、なぜかぷっくりと腫れ上がり、室長が怒りでワナワナと震えていた。


「これから出番だというのにアイドルの顔を殴るなんてなにを考えているんだ!」

「殴った!? 誰が!?」

「お前だ!」

「私!?」

「お前はマネージャー失格だ! クビだ! 今すぐ出ていけー!」

「……え?」


 意識が混濁していたとはいえ、マネージャーがアイドルを殴るという前代未聞の失態を犯したエスタ。

 そこからは、あれよあれよと室長に促されるまま、荷物をまとめて本当に追い出されてしまった。



 翌日、家に一通の書類が届いた。


「そんな……!」


 解雇通告。

 エスタは商売道具であるアイドルの顔を殴ったことにより、マネージャーの仕事をクビになってしまったのであった。




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