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慈愛の聖女  作者: クー
第2章 第三回公式イベント~予選編~
46/67

予選三回戦決着


俺とトワイライトの戦いは近接戦闘から始まる……

俺としては助かるけど、トワイライトからすると不利な状況な訳や。


アイツは律儀やからな…敢えて近接戦闘をやることで、3対1から1対1に変えた事の借りを返してたとか思ってるんちゃうかな……

まあ、俺としてはありがたいから全力でいくけどな!


「おらぁ!……『ソウルキャリバー』!」


「無駄です!『フローウィングパリィ』!」


「ちっ!……『ヒートエッジ』!」


「『パリィ』!……なっ!?…また剣が消えるヤツですか……ならこうするだけです!『フルガード』!」


「それを待ってたわ!『シールドブレイク』!」


「くっ!……防御解除系のスキルですか……『セイントランス』!」


「そんな見え見えの攻撃が当たるかい!」


「セイントランスは罠ですよ!『フォトンブラスター』!」


光の奔流が俺を襲い、HPをガンガン削っていく……

光がおさまった頃には残りHPが1しかなく、追い込まれる……

アンブレイカブルが発動してもうたか……

早よ回復せなヤバい!


「アンブレイカブルですか…HPが2以上ある状況で即死ダメージを受けても1だけ残る食い縛り系のスキルですね……

その中でもトップクラスに強いアンブレイカブルは5秒間HPが0になる攻撃を受けても1残して耐えるかなり強力なスキルですが、効果が切れてもHPが回復される訳ではないので、攻撃が当たるとすぐに倒れる筈です!」


「やっぱバレとるか……」


「当然です!…あなたは近距離だとアブソープエッジの回復手段がありますよね?

借りも返した事ですし、遠くからトドメをさしてあげますよ!」


やっぱり借りと思ってたんかい……それよりも、完全に弱点バレとるやん……

まあ前回のイベントであれだけ使えばバレるか……

じゃあここは切り札その2で打開するでー


『フリップライフ』


「えっ!?…一瞬でHPが満タンまで回復……

こんな強力な回復手段があって今まで使って来なかったって事は、何か条件がありそうですね…」


「正解や!…フリップライフはHPを反転させるシンプルなスキルやで!

アンブレイカブルで残り1やったHPが反転して、ほとんど満タンまで回復出来たんや!」


「HP反転スキル…使いどころは難しいですが、パンダモンさんが使えばかなり脅威的なスキルですね……

ですが、アンブレイカブルは発動させましたのでよしとしましょう……」


「はっ!…甘いで『リベンジスラッシュ』!!」


「ッ……」


被ダメージが高かったお陰で、トワイライトのHPも1にすることが出来たで!

やっぱりアイツもHPが1残る食い縛り系のスキル持ってたか……


でも、アンブレイカブルみたいに5秒間の無敵時間がないスキルのようやから、軽くどつくだけで倒せるけど、

俺の目的はアイツから話聞くことやから、ここでストップや。


「どうしてトドメをささないのです?」


「俺の目的はお前と話すことやって言ったやんけ!」


「本気だったんですね……でも、私はまだ負けてません。

寧ろ、あなたこそアンブレイカブルをもう使ったので、ギリギリの筈です!

僕は回復スキルも沢山ありますし、まだまだ戦えますよ!」


「お前の負けじゃ…忘れたんか?俺はあと2回復活出来るねんで」


「フェニックスライフですか……」


「そうや。フェニックスライフはアンブレイカブルのアクティブスキルみたいなもんやからな…

しかも、エンドレストで2回使えるし」


「パンダモンさんは後2回復活出来る上、僕のHPを一瞬で0に出来るリベンジスラッシュをクールタイム後にまた撃てるって訳ですね……」

「詰みですね…約束ですから話させて頂きますよ……」


「私も聞かせてもらって良いかしら?」


「フィルちゃん!?…そっちも終わったみたいやな……」


「ええ、結構苦戦したわ」


「フィルちゃんが苦戦か…流石光翼の騎士団の副団長やな……」


「タリアが新人相手に一対一で負けたのかい……?」


「そうよ。手強かったけど私が勝ったわね」


「……パンダモンさん…貴方の所の新人はどうなっているんですか…?」


「俺が聞きたいわ!」


「お話中失礼します。

残り時間10分ほどですので、あの新人2人を一刻も早く倒さないといけないのでは?」


「あっ…確かに…時間切れになったら逃げ切られるな……」


「ああ、そこは大丈夫ですよ。あの二人にはキルされたらリタイアするように伝えているので。」

「その証拠にほら…パーティー内のプレイヤーの所がグレーになってますよね」


「なら安心して話を聞けるな」


「でも、この男が逃走すると私達負けるわよ?」


「僕は敗北を認めたんだ…みっともなく足掻くなんて事はないよ」


「口ではなんとも言えるわよね……」


「フィルちゃん…俺の顔をたてると思ってトワイライトの事を信じてくれへんか?」


「……この男の事は信じてないけど、パンダさんの事は信じてるから、あなたに従うわ……」


「フィルちゃんありがとうな……それで、お前の事情をそろそろ話してもらおうか?」


「分かったよ……それで、何を聞きたいのかな?」


「全部や…まずは前のイベントと比べてお前の態度が変わった理由から教えてくれや」


「結論から言いますと、僕自身はそこまで変わってませんよ……僕よりも周りが変わってしまったんですよ……」


「どういう事や?」 


「パンダモンさんは、光翼の騎士団のメンバーが前回のイベントより3倍以上増えてるのを知ってますか?」


「そんな増えとんのか!…イベントでの知名度が影響しとんのか…?」


「その通りです。」


「でも、メンバーが増えたから何かあるんか?」


「ありますよ……パンダモンさんもご存じの通り、うちは僕以外女性メンバーなんですよ……」


「それの何が悪いねん? ぶっちゃけ妬ましいねんけど……」


「パンダさんは男性だから分からないと思うけど、女性の集団はかなり怖いわよ……」


「まさにその通りです…隠れて虐めたり、無視や仲間外れ、陰口なんて日常茶飯事ですよ……」


「それは怖いな……」


「女性は表だって事を荒立てず、裏でじわじわ攻撃してるものなのよ…

それで、さっき羨ましいとか言ってなかった?

天翼の騎士団に行ってきてもいいわよ」


「ごめんなさい。それだけは堪忍して……」


「あはは…間違ってはないですが、酷い言われようですね……」


「……それで…その、虐めとかが増えた事でお前も嫌気がさしたってところか……」


「結果的にそうですが、問題は原因にありますね。

虐めや陰口等の原因が全て僕にあるからです。」


「はぁ?……どういう事や」


「ここまで言われて分からないの?

要はあの男が誰彼構わず優しくするから、メンバー全員があの男に好意を抱いてしまって、結果的に全員が特別な関係になりたいから、他のメンバーを牽制してギスギスしてるって事でしょ?」


「まさにその通りで、不甲斐ないばかりです……」


「なるほど…じゃあメンバーを平等に愛するんじゃなくて一人に絞って、全員退団させたら解決するんちゃう?」


「大変だけど良い手ですね…ただ、それじゃあ彼女を守れないので却下です」


「どういう事や…? 彼女を守れない…? 」


「私は天翼の騎士団の副団長タリアと高校から付き合っています。

彼女は僕と付き合う事で、虐めの対象になってしまいました……

仲間外れにしたり、教科書が破られていたり、靴が隠されたり様々な虐めがありましたね」


「そんな!…酷いです……」


「酷いけど、女社会では良くあることね……」


「だから僕は彼女を守るためにどんな女性にも公平に接しようと思ったのです」


「なんでそうなるねん?」


「簡単な事ですよ…タリアを虐めてた子達は僕の事が好きだったので、僕達が付き合った事による恨みを彼女にぶつけてたからです。

なので、僕がその虐めてた子達にも平等に優しくすると彼女への虐めがなくなりました。」


「……お前以外が言ったらナルシストに聞こえるセリフやな……」


「茶々入れないの。それで、あなたはタリアからも距離を置いたのね?」


「そうです……でも、高校を卒業するとまたタリアとの幸せな日々が戻ってきました。」


「そりゃあ良かったやん。」


「しかし幸せは長くは続きませんでした……

前回のイベントで目立ちすぎた為に大量に入団者が増え、高校の時と同じ状態になってしまいました……」


「お前がそんな顔でゲームをするのもそれが原因か……」


「バッカじゃないの! 

なんであなたはタリアともっと話し合わないのよ!

彼女がどれだけ悩み苦しんでいたか知っているの?」


「知ってるさ! だから僕は彼女への虐めをなくそうと頑張ったんだ!」


「……あなた何も分かってないのね……」


「分かってるさ!」


「いいえ、分かってないわよ……」



「僕の方が付き合いは長いのに、なんで君にそんなことを言われないといけないんだ!」


「簡単よ…だってタリアの口から虐めに遭ってたなんて一言も聞いてないもの」


「えっ?……」


「だから、彼女の悩みはあなたが自分の事を見てくれてないと思っている事よ」


「そんな訳が…だって彼女は……僕は彼女を……」


「シャキッとしなさい!」 

「タリアの一番の望みは、あなたに自分の事を見てもらいたい…それだけよ!」

「例え虐められてようが、そんなことよりもあなたと一緒にいる事の方が嬉しい子なの!

だから、もっとタリアの事を見てあげてよ!」


「僕は間違ってたんだね……」


「そうね」


「タリアに苦しい思いをさせてたのは僕だったんだね……」


「そうよ」


「誠心誠意謝れば許してくれるかな……?」


「知らないわよ。ただ、タリアは一発ビンタするって言ってたわよ」


「そんなんで許してもらえるなら何発でも甘んじて受けるよ」


「そうしなさい」


「パンダモンさん、フィルさん話を聞いてくれてありがとうございました。」

「こんなにスッキリしたのは久し振りだ……」


「俺はなんもやっとらんよ…ほとんどフィルちゃんのお陰やし」


「私はお礼なんていらないから、さっさとタリアと仲直りして欲しいわね」


「ははっ、そうだね。タリアの事をこんなに真剣に考えてくれる子がいて僕は嬉しいよ。

これからもタリアと仲良くしてもらってもいいかな?」


「あなたに頼まれるまでもないわね…もう私とタリアは友達よ!」


「良かった……

そろそろ、パンダモンさんトドメをお願いします……」


「ああ」


「改めてありがとうございました。」



トワイライトさんが退場し、暫くすると予選三回戦の終了を知らせるブザーが聞こえ、元の場所に転送されるのでした……








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